今年もこの日を迎えて | 中学入試と医学部入試の道の駅

中学入試と医学部入試の道の駅

小さな子供が健気に全力で取り組む中学入試。将来を掴み取るために必死で闘う医学部入試。予備校で数学を教える私が全力で応援するブログです。

明日は関東地区の大決戦の日。
中部地区では、明後日東海中学、南山男子の戦い、明々後日に滝中学で日程が終了する。まさに大詰めを迎えた。

この戦いはどうだったでしょうか。これまで私が聞いたお母様の話を基に思い出していきたい。




塾通いを始めた頃、子供はまだまだ子供だった。重たいテキストでいっぱいの鞄を背負ってか背負われてか、フラフラと塾の入り口に吸い込まれていく我が子を心配したことも何度か。

なかなかヤル気スイッチが入らない子供に苛立ちを感じることも多かった。親子バトルは日常茶飯事。「受験なんて止めてしまえ」と幾度も幾度も叫んだ。それでも我が子は親の期待に応えようと立ち上がった。疲れ切った我が子の寝顔を見て涙すること何度も。

小さい頃から勉強させることに周囲からの反対もあった。受験準備を始める前に想定していたよりも遥かに厳しく辛い戦いに、お母様も疑問を感じることもあった。それでもこの道を信じて今日まで二人三脚で歩んできた。

塾友の成績が上がると祝福より嫉妬の気持ちの方が強くなった。「なぜあの子と同じように出来るようにならないのか?」その原因が自分のDNAのせいだということにも気付いていながら、我が子を責める気持ちになったこと、何度も何度も。

子供は全てを捨てて戦ってきた。友達と対戦ゲームをして遊びたかったけれど、塾の宿題を優先させないといけなかった。楽しい夏休みは地獄の夏期講習に置き換わった。家族で食卓を囲む回数も減った。次第に、遊ぶ時間は要らないけれど寝る時間は欲しいというようになった。それでも気力だけで鉛筆を持ち続ける。

受験が近づくとそのプレッシャーは子供の心に大きな負荷をかける。突然泣き出す、腹痛を繰り返す、生理が止まる、不眠になる、様々に襲ってくる受験という魔物を相手に戦い続けた。魔物の正体はもちろん、不合格でお母さんを悲しませなくないという気持ち。



こうして歩んできた子供は、立派な戦士へと育っていった。受験勉強を始める前の子供も、今の子供も、お母様の子供には違いないけれど、明日受験会場へ入っていく子供は、かつて鞄に背負われていた子供とは違う。自分の未来とお母様の期待をしっかりと背負うことができるファイターになった。かつての弱肩ではなく、逞しく成長した双肩となった。

そして明日、自ら門を開けようと、校門の前に立つ。



まずは、ここまで素晴らしい努力を見せてくれた子供達に、最大限の敬意と感謝を表したい。あなた方の道のりは、感動的なドラマだった。

同じく、ここまで自分の子供を信じて、つらい道のりを親子共闘で歩んできたお母様方に、最高の勲章を差し上げたい。皆さまの努力と忍耐は、子を想う親の鑑です。

もうここまできて、合格だとか不合格だとか、そんなことはどうでもいいような気がします。今日の日を迎えられたということ。それ自体が素晴らしいことじゃないですか。これ以上に望むべきことなんて何一つない。

私は合格を祈ることはいたしません。全員が合格を望んでいるのです。その中で勝ち負けがつくのがこの世界のルールですから、必勝を期すことは難しいと思っています。
願わくば、全ての受験生が日々の努力の成果を発揮して、悔いのない戦いが出来るように、ただそれだけを祈っています。ご武運を

いくた


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