そういう仕事とこういう仕事1 | 中学入試と医学部入試の道の駅

中学入試と医学部入試の道の駅

小さな子供が健気に全力で取り組む中学入試。将来を掴み取るために必死で闘う医学部入試。予備校で数学を教える私が全力で応援するブログです。

うちの予備校は規模が大きくはない医進予備校である。生徒も大手予備校の医進クラスのように手駒を揃えることなどできない。医学部を目指していると言える学力を持っているかどうかも微妙な生徒も多い。
同僚の先生が呟いていた。

「もっとレベルの高い授業をしたいな。」

まあ分からなくもない。基本的なことを言って聞かせる授業よりも、東大レベルの問題をスタイリッシュに解説していく授業の方が、楽しいかもしれない。
実際に私は予備校以外ではハイレベルの生徒を紹介してもらうことが多い。そういった指導の方が楽だと感じている。話せば分かるからだ。

ただ私達の指導はそういった領域のものではない。
話してもなかなか伝わらない、覚えても忘れてしまう、理解したようで誤解している、昨日やったことが今日できない、そういうことの繰り返しの中をさまようような指導だ。
さまよう生徒達と共に先生達もさまよう。五里霧中を見えないゴールに向けて這っていく手伝いをするわけだ。

医学部受験のノウハウとか言われるものって、はっきりと形のあるものじゃない。はっきり形あるものならば、誰でもパクれるから大したノウハウじゃない。本当のノウハウは、様々な経験から生み出されるもので、形のない微妙なもの。

私達の指導は、レベルの高い授業ではないが、かなり専門性の高いマニアックなものだわ。

いくた


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