データベース制圧の精神科医ブログ、長崎広島原爆・福島原発・第二次大戦・児童虐待・DV・レイプ複雑性PTSDの薬物療法 -4818ページ目

(73)とんでも本「危ない精神分析」矢幡 洋

この本についてしゃべると自分が汚ならしいものに変わっていく感じがするという意味では、本そのものが外傷みたいなものですが、もう一言だけ言っておきたい。そもそもPTSD研究決定版の「心的外傷と回復」を書いたハーマン女史とPTSDへの批判を内容の中心にしているのに(インターネットから片寄った情報だけをよりだして継ぎはぎしているだけですが)、題名には「精神分析」を使用している。フロイトが産み出した精神分析の流れは、むしろPTSDという疾患概念を否定してきた歴史経過がありながら、考え方の底流には複雑にからみあう部分があるのに、そんなこと無視して一緒のもんだとごっちゃにしている。わかっていないというより頭の中にメタンガスが詰まっているというレベルなんですこの馬鹿は。






(72)広島県内では PTSDは禁句

広島市民病院精神科医長の人事権は広島大学ではなく岡山大学にあります。最近長く勤務した医師が退職してから、定期的に岡山大学から派遣されるようになりました。昨年暮れに心身医学学会が広島市内でありました。岡山からきた市民病院医長の発表演題名に「EMDR」の文字はありましたが「PTSD」の文字はありませんでした。EMDR(眼球運動による脱感作と再処理)は最近はやりのPTSDの治療法ですが、私に言わせれば定型催眠術の単なる亜種です。この医長は軽い悲哀反応相手に治療の真似事をしていたのでしょうが、「郷に入らば郷に従え」、部外者みたいなものなのにこういう点だけはすぐに順応したみたいです。PTSD治療者に最も必要なのは傷ついた患者を守る立場に立つ勇気と正義感です。この医長の演題名を見ただけで、彼にその資格がないのは明らかです。
もっとも「黒い雨」被爆PTSD再再調査するとわめいている広島原爆放射線医科学研究所(原医研)に正義があるわけでもありません。

(71)PTSDの薬物治療におけるSSRI(パロキセチン)の記憶回復作用

SSRIが外傷記憶をむしろ活性化させるという発見は私が最初に言ったわけではありません。1998年のアメリカの統計的な論文ですでに外傷記憶を抑制するはずのSSRIが児童虐待の外傷記憶(より深刻な外傷記憶)をむしろ活性化されたと当惑気味に記述しているのです。書いた当人も読んだ周囲も目的に沿わない不都合な事実であると深く考えず忘れてしまったのです。独創性とは誰もが普通に見ているが真の価値のわからない現象に新たな意味を見いだす行為です。

(70)PTSD患者への暗示の原則 禁句

PTSD患者との交流は相手を信頼する態度などの非言語的な要素(暗示)が大切ですが、治療契約は常に肯定文でなければいけません。「リストカットしてはいけ『ない』」ではなく「あなたは自分のからだを大切に『できる』」としなければいけません。
禁句は 「過去の外傷体験は忘れなさい」です。朝日新聞投書欄に少女時代にレイプされたことを家族に隠している女性 がどこの精神科医もカウンセラーも「忘れろ」と言うと書いていました。

(69)広島市新交通システム(アストラムライン)橋桁落下事故の個人的思い出

当時大学病院で研修医をして いました。外来に強い 興奮状態の男性がかつぎこまれ、複数の医師が上から折り重なるようにして押さえつけ鎮静剤を注射しました。付き添っていた奥さんと小さな子供さんまでが必死の形相だったのが印象に残りました。それは慢性の発症で徐々に悪化したために家族に心理的な準備ができるような病態ではなく、急性症状を意味したからです。当時の自分に急性ストレス障害のような疾患概念はありませんでした。後から聞いたのはアストラムライン事故の担当部署の広島市職員だったそうです。 精神医学の素人集団ながら「黒い雨」被爆PTSDの再再調査を宣言したガッツのある広島原爆放射線医科学研究所(原医研)さん。市民のため調査したらどうですか。

(68)広島市新交通システム(通称アストラムライン)橋桁落下事故とPTSD

日本のPTSD研究が阪神大震災という大規模災害から始まったため、尼崎JR事故のような事件で犠牲者が出ると、日本PTSD学会(JSTSS)では関心が高まります。震災前の平成三年にアジア大会に合わせた都市改造で新交通システムが建設されました。高架を走るゴムダイヤの電車です。交通規制なしで高架の据え付け作業中に62トンの鉄塊が11台の自動車を押し潰し、作業員5人を含む14人が死亡しました。遺族関係者に間違いなく多数のPTSD患者が発生しているはずのこの事故は精神医学的調査が一度も行われないまま、たった17年で風化しています。精神医学の素人集団ながら「黒い雨」被爆PTSDの再再調査をすると宣言した広島原爆放射線医科学研究所(原医研)さん。この事故も広島市民のために調べてはどうでしょう。

(67)朝鮮戦争時の博多市内における米軍集団脱走レイプ事件とPTSD

中朝軍と国連軍が激戦を繰り広げていた朝鮮戦争最盛期。軍事基地であった板付空港(現福岡空港)から黒人兵士集団(この頃は黒人のみで部隊が編成されもっとも危険な死地に送り込まれていた)が武器を持ち出し脱走しました。その夜博多市内の民家に侵入した彼らは集団レイプを行い、裁かれることなく戦線に投入されました。(児島襄の「朝鮮戦争」より)日本の独立が回復する前に闇に葬られたこの事件の被害者でPTSDを発病した患者はおそらくまだ九州各地で存命していると思います。被害者の精神医学調査を行えないものか!こらJSTSS!

(66)岩国基地米軍海兵隊員による広島市内における少女集団レイプ事件

沖縄中学生レイプ事件直前に広島市中心部で19歳少女が米兵に集団レイプされました。しかし、広島の政治、行政、大学、マスコミ、医療全てが無関心で警察は捜査を打ちきり、検察も起訴しませんでした。藤田知事は「夜に出歩くほうが悪い」とセカンドレイプ発言をしました。集団レイプと言えば反射的にPTSDついて言及すべきですが、2005年以来、行政・マスコミ・医療の三位一体でPTSDが封印されている広島県内では全くそのような意見はありませんでした(原爆PTSD再調査に名乗りをあげた原医研も沈黙)。沖縄事件直後に米軍は先手をうち、容疑者四人を逮捕。軍法裁判にかけました。被害少女は米軍法廷で泣きながら、兵士一人とはセックスに同意していたが、他の容疑者にレイプされたことが恥ずかしくてはっきり言えなかったと証言。私は次の被害者の発生を抑制する少女の勇気ある証言に敬意を表したい。米軍の起訴で黙っておれなくなった広島マスコミは渋々この事件を取り上げました。アナウンサー「なぜ日本で起訴されなかった事件を米軍が起訴するのか?」広大法学部教授「無罪になる可能性が高いから」

(65)厚労省の五分間ルール(リタリン騒動の反省から?)(PTSDのリタリン依存治療)

4月からまた厚労省から奇妙な通達が来ました。「精神科外来診察は最低五分かけること」この奇妙な通達の根拠は何だったのか?リタリンはナルコレプシー、ADHD患者以外には遅効性覚醒剤としてしか作用しないのは常識でしたが主要国では例によってわが国でのみ野放しでした。恒例の一部の医療機関での不正処方事件に続いて、極めて異例ながら迅速に一般処方が禁止されました。一部の医療機関の不正では説明できないリタリンの大量出荷・処方を厚労省が把握したのです。放置すればリタリン依存症患者の激増を意味しました。多数の精神科医療機関で同時多発的に治療行為としてのリタリン処方が激増したのです。通常の薬物治療の方法論では歯が立たないうつ病(と誤診されているPTSD)患者の激増に患者と治療者が共通して到達した錯覚が「リタリンがもっとも治療効果がある」でした。ベトナム帰還兵の自己処方によって生じたアルコール、ヘロイン依存を日本の精神科医療機関が 再現しようとしたのです。厚労省と癒着した朝日新聞すら記事の最後に申し訳程度に精神療法を軽視した薬物療法の失敗とコメントしました。その反省に基づく?通達 だったのです。

(64)JSTSS初代会長金吉晴 検察の精神鑑定依頼合理化に貢献(笑)

セレブ妻バラバラ殺人事件の精神鑑定で検察側鑑定医(金吉晴)と弁護側鑑定医が同じ資料を元にPTSD無罪という鑑定結果を出した(常識的におかしいですよね)ことに当惑した検察は、今まで個人的なコネに頼っていきあたりばったりで依頼していた(そうだったんだ)精神鑑定を調整する担当者を決めるそうです。新聞報道より。JSTSS初代会長金吉晴としては日本の精神医学界で消滅寸前のPTSDの存在感を誇示することさえできれば判決はどうでもよかったのでしょう。今までまともに考えたこともないのに、わたしの先行論文も無視して、いきなり手を出す原爆PTSD調査も同じでしょう。