振り返れば、君が居る。
 
 
そんな当たり前の日々は呆気なく終わった。
 
 
 
 
「気になる、人?」
 
 
うん、とほんのり頬を紅くして笑う。
 
 
「貴女にそうゆう人が出来るなんて思ってなかった」
 
 
「酷いな、明日香は」
 
 
困ったように眉を下げても、頬は紅いまま。
 
 
あぁ、なんで、
 
 
「嘘よ。…応援してる」
 
 
「ありがとう」
 
 
なんで、
 
 
「明日香のそーゆーなんだかんだ言って、あたしの味方してくれるとこ好きだよ」
 
 
「私も、貴女が好きよ」
 
 
 
なんで、なんでなんだろう?
 
 
 
 
 
 
 
貴女に選ばれない私。
(なんで、私じゃなくて彼なの?)
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
明日香→主→十代とか
 
 
 
 
 
 
春が来て夏が来て、
 
秋冬が過ぎて、また春が来た。
 
 
今、おれはピカピカの高校一年生である。
 
 
 
「匡幸、意外と学ランも似合うね」
 
 
「意外とか余計だっての」
 
 
制服を合わせているといつの間にか名波が此方をガン見してた。
 
 
「今日は道男一緒じゃないの?」
 
 
「…まぁな」
 
 
「そう言えば、道男彼女出来たって言ってた」
 
 
「何、お前、分かってておれの事苛めてるのか?」
 
 
にやり、と笑うこの性悪女め、今すぐ呪われろ!
 
 
「あ、匡幸」
 
 
「んだよ」
 
 
学ランの袖口を引っ張っる名波。
 
 
…あれ、こいつこんな小さかったっけ?
 
 
「もう少し大きいのにしたら?成長期なんだからすぐ着れなくなっちゃうよ?」
 
 
俺よりも名波の方が小さいので、必然的に見上げられるわけで。
 
 
…あれ、名波って、
 
 
「ね、匡幸聞いてる?」
 
 
「き、聞いてる!ちゃんと聞いてる!」
 
 
「そう?」
 
 
首を傾げるな!もうホント、なんなんだよ。
 
 
「終わったらさ、匡幸の家でゲームしよーよ!」
 
 
「勝手に決めんなよ!」
 
 
自由すぎだろ!
 
 
…だけど、まぁ、
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
そうゆうとこも、
可愛いけど。
 
 
(なんて、絶対本人には言わないけど!)
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
この後、匡幸は家でママに「彼女連れてきた!」って騒がれて真っ赤になって否定すればいいのに←
 
 
 
 
どうして私はこんな所にいるのだろう?
 
 
こんな、
 
 
「こんな堂島さんのいない世界なんてー!!」
 
 
「綴うるさいよ」
 
 
どうも、綴です。
 
 
ついこの前まで普通に刑事でしたが、どっかの頭おかしい同僚にブラックメルヘンな世界に連れてこられました。
 
 
「なんだとこのやろー。ていうかさ、足立がこんな辺境の地に私を連れてこなければ今頃、」
 
 
そう、今頃堂島さんとクリスマスデート…。
 
 
「ないから、そんなイベント」
 
 
「だまらっしゃいっ!」
 
 
あぁ、何が悲しくてこんな頭おかしい同僚とクリスマス過ごさなきゃいけないんだ。
 
 
「綴、こっちきて」
 
 
「いや、これ以上は、」
 
 
無理、といいかけたときにぐいっと腕を引っ張られた。
 
 
「あの、足立さん?」
 
 
「綴、あったかい」
 
 
ぎゅう、と腰にがっちりと回された腕。私の肩に顔を埋めてぼそりと足立が呟く。
 
 
「ね、今日はさ、寒いからこのままでいいよね?」
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
クリスマスイベントは発生しない。
 
 
「え、無理」
 
 
「即答!?」
 
 
「私寒くないし、むしろ暑苦しい」