「あ、バニーちゃん」
これからトレーニング?と首を傾げるその仕草もら彼女を幼く見えさせる原因だと思う。
「そのバニーちゃんって呼ぶの、止めてくれません?」
「なんで?」
「なんでって…」
それはもちろん、
「僕より貴女の方が似合ってますよ、兎ちゃんぽくて」
嫌味半分、本音半分。
「あははっ」
僕の言葉に突然笑い出した彼女。
「何が可笑しいんですか?」
「んー?いや、まさかバニーちゃんが『兎ちゃん』とか言うと思ってなくて、…しかも、言い方がね、随分と可愛らしい感じだったからね、つい」
「僕は本当の事を言っただけですよ」
そう、事実を言ったまでだ。
銀色の髪。ライトブルーの瞳。白い肌。
柔らかな笑顔。
僕よりずっと彼女の方が『兎』のようだ。
「…でも、やっぱりバニーちゃんの方が『兎ちゃん』だよ」
「だから、」
「寂しがり屋さん」
「…そんなことないです」
別に寂しがりなんかじゃない。一人はなれた。
「でも、寂しくて死んじゃいそうな顔してるよ」
一人はなれた、はずなのに。
貴女がそんな風に、普段はしないような顔で、
大人のみたいな顔で優しく笑うから、
少し、ほんの少し、不本意にも泣きそうになった。
「そんな顔、してません、」
自分でも分かる、情けない声だ。
「そう?まぁ、寂しくなったら何時でも言いなよ。ネイサンが添い寝してくれるよ?」
「…遠慮しときます」
ふわふわで可愛らしい兎は優しいのか優しくないのか。
なんだか腑に落ちないが、それでも少し、ほんの少し、なんだか悔しい気もするが、心が軽くなった気がした。
寂しいなんて叫ばなくても、君には分かるんだね。