私は足立が嫌いだ。
あいつはへなちょこの癖にいつも堂島さんといっしょにいて、
毎日のようにキャベツばっか食べてて、
にやにやと私に生意気な態度をとって、
そして、なによりも、私と同じ真っ黒な何かを抱えている。
そんなところが嫌いだ。
なのに、
「私も行く」
「はぁ?」
赤と黒が混ざる空の下。
ここが普通じゃないのはわかってる。
「僕の話聞いてなかったの?」
「うるさい。お前ほんと足立の癖に生意気だな」
足立は、
「やらなきゃいけないことがあるから、綴、ちょっと待ってて」
と、こんな不気味な場所に私を置いていこうとしたのである。
…だから、こいつはモテない。
「聞いてやってたよ。仕方なくね」
「ほんとにムカつくなー」
「足立ほどじゃない」
「いや、綴ほどじゃないよ」
足立はわざと知らないふりをする。
でも、それは私もいっしょ。
「…足立」
「どうしたの?」
だけどもう、終わりにしよう。
私は、あの子の様にはなれない。
「私も、行くよ」
それは足立についていくって意味ではないし、勿論、足立の味方になるわけでもない。(足立の味方とか気持ち悪いし)
私は私で、あの子と決着をつけなければならない。
それはが一方的な感情であっても。
私の眼を真っ直ぐ見る足立は、呆れたように肩をすくめて私に手を伸ばした。
「わかったよ。…一緒に行こう」
私の気持ちをわかっていて、それでも、『一緒に』なんて言う足立が、
「うざい」
「ほんとに可愛くないよな綴は」
『一緒に』なんて、少し嬉しそうに言うから、私も少し寂しくなくなった。
最後に僕らは笑えているだろうか?
握った手のひらが暖かくて、
私にもあの子と同じ、
隣にいてくれる人がいるんだと気づいた。
ひさびさ