古本屋を営んでいるとき、開店して2~3年目までは胃が痛くて仕方がありませんでした。
なぜなら、私腹を肥やしてはいけないからです。私腹を肥やすとは?……
蒐集家あがりの素人根性が抜けず、大好物の絵本が入ってくると、"売りたくない、家に持って帰りたい、自分のモノにしたい"と思う開業2~3年目のわたし。
"大好物の絵本が入ってくるたびに、私物や非売品にしていたら、商売にはならない…つらい…"の繰り返しで胃痛に。
本の私腹を肥やすことは、お客様に対して申しわけないこと。
「好きで仕事を始めるとつらいよ。好きだったものが嫌いになるかもしれないよ。覚悟をしないと」と、
10代のときバイトを探していて、お花屋さんに投げかけられた言葉を思いだします。
この気持ちを振り払うまでに、2~3年を要しました。ある画家さんとの出来事をきっかけに。
トミー・ウンゲラーが語っていた"間違いは正すことができる"ことが出来ました。古本屋として正しい心持ちに修整出来ました。
"これこれ、しかじか~"の話で長くなるので、いずれまた、古本屋の本の買い取りについての話も含めて、書きたいと思います。
本が増えすぎて収納に困り、古本屋さんに売りに行った経験がお有りでは?
買い取りエピソードは、いずれまた…。
前置きが長くなりましたが、
今日はLittle Golden Book 『Tammy 』。
日本で1962年~1966年に販売された、アメリカ生まれのお人形です。(blog棚卸し中・7/14「little Golden Book の懐かしの服」記事)
《1963年初版》
昭和37年にアメリカからバービー人形が輸入され、後に日本でも製作されるようになり、昭和39年にタミーちゃん人形も製作し販売されました。
《口絵》
純国産のタカラのリカちゃん人形は昭和42年に誕生。リカちゃん人形が席捲するまでの短い間の販売なので、ご存じの方は少ないと思います。
《口絵》
以前も書きましたが、姉が買ってもらって、わたしには貸してくれなかったタミーちゃん人形。(この絵本と出会ったとき、どれだけ嬉しかったかご想像におまかせします)
タミーちゃんは妹のペッパーちゃんと遊びに出かけました。
ペッパーちゃんはわがままな妹で、危ない場所でタミーちゃんに葉っぱや花を取らせたり、蝶を追いかけさせたり。
で、タミーちゃんはこんなにボロボロ↓
近所の友だちに会い、野外のフランクフルト(ホットドッグ)パーティーに誘われました。
(隠れているタミーちゃん)
さぁ、たいへん!急いで着替えなくっちゃだわ~!……というストーリー。
この絵本はリトルゴールデンブックの"アクティビティブック"シリーズ。
切り取って遊べるお人形と洋服やアクセサリー(アウトフィット)の絵がついています。
ところが、この絵本を買い取ったとき、肝心なアウトフィットがありませんでした。
※この2枚の写真は『LITTLE GOLDEN BOOKS Identification and Price Guide 』から探しました。
唯一、非売品にした絵本です。
泣く泣く((*^▽^)/★*☆♪)
タミーちゃんは名前も日本名っぽく、バービー人形の"ザ・外国人"的な顔とは違って、ふっくらして愛らしい顔の人形でした。
バービー人形は最先端の衣装でお洒落でクール、タミーちゃんは庶民的な親しみがあって、大好きでした。
タミーちゃんを見るたびに、マリリン・モンローを思いだします。似ているのです、髪型も雰囲気も。特に本名のノーマ・ジーン(・モーテンスン)の名前の頃に。
30年以上前に買った、紙製ボードに貼ってある写真を、家に数枚貼っています。
昔からフォトジェニックなマリリン・モンローが好きでした(8/9「永遠のモンローねえさん」blog記事)。
『M ・モンロー ベストコレクション』1・2
ローレンス・シラー他 編集INO 企画
新潮文庫(1983年)
何軒かの里親を回されたのち、孤児院に引き取られたノーマ・ジーン。
容姿の可憐さとは裏腹の生い立ちや人生を知るたびに、マリリン・モンローの存在が、胸の奥底に沁みていきました。
マリリン・モンローが亡くなったのは1962年。タミーちゃんの絵本は1963年。
タミーちゃんを見て、モンローねえさん思い出すのは、わたしぐらいでしょうか?