セブン特有の本とコンビニを題材にした作品:コンビニ 下 | 懐かしエッセイ 輝ける時代たち(シーズンズ)

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懐かしい’60s’70s’80s
ひときわ輝いていたあの時代の思い出のエッセイ集です。
毎週土曜日更新予定です。


 今日は。

 先日、僕の好きなサックス奏者の一人デイヴィッド・サンボーンが78歳で亡くなりました。
ポール・サイモンとの絡みから『Smile 』を聞いてい下さい。

 この『Smile 』が納められたアルバム『David Sanborn』(1976年)では、ポールがヴォーカルで参加しています。

  〇Smile

 


          https://www.youtube.com/watch?v=6nQNy5NwF0g
 
 ついでに、Liveでのデイヴィッド・サンボーンの『Smile 』を映像を見てみましょう。
  〇David Sanborn - Smile (High Quality)

 


  https://www.youtube.com/watch?v=NfqIIIOX8_4


 ところで、富士河口湖町の「ローソン河口湖駅前店」が眺望と外国人の振舞でネットをにぎわせました。


(写真)
富士山がコンビニ店の上にのっているような眺望に、外国人観光客らが殺到し、写真撮影のために車道を横切ったり、ごみをポイ捨てしたりしたためです。
自分も、物事に夢中になり、マナーを忘れないように自戒しました。

 さて、今回も、そのローソンを含めたコンビ二がテーマの3回目です。
最初に前回の「コンビニとマンガ」(リンク)の続きを書きます。
続いて、コンビニに関連する、マンガや映画について書きます。
セブンイレブン中心の話題になりそうです。 


<セブン特有の本とコンビニを題材にした作品:コンビニ 下 
 生活を一変させたCM サービス編① >

                            
●セブン-イレブンで販売の「月刊ヒーローズ」(「Hero's」)
●「月刊ヒーローズ」


(写真)

 数年前まで雑誌「月刊Heros」という本が、セブンイレブンをメインに販売されていましたが、ご存じでしょうか?
僕の記憶では、その内容と質にかかわらず、200円という低価格設定でした。

 1.主な作品
 この本のラインアップの多くは、名前の通り、主に「ヒーロー」、それも嘗て一世を風靡したヒーローで構成されていました。
ただし、書き手はオリジナルの作家ではなく、別の書き手でした。

一部ですが、僕が覚えている作品を書きます。
『ULTRAMAN』
   (清水栄一×下口智裕 (c)円谷プロ) 
   2011年12月号(創刊号)から2020年12月号(休刊号)まで連載。
  あまり内容を覚えていないので、ウイキを引用します。

  「円谷プロダクション製作の特撮テレビドラマ『ウルトラマン』から数十年後(アニメ版では「十数年後」)を舞台とする作品。
  『ウルトラセブン』以降のウルトラシリーズに繋がらなかった異なる世界でストーリーが展開される。」


   〇第1話 遺産
    第一話は無料で読めます。(二話からは有料ですので、気を付けてください。

 

 


『仮面ライダークウガ』
  (原作:石ノ森章太郎、脚本:井上敏樹、作画:横島一、企画:白倉伸一郎)
   『月刊ヒーローズ』2014年12月号から[1]2020年12月号(休刊号)まで連載された。

  こちらも、ウイキぺデアより
  「特撮テレビドラマ『仮面ライダークウガ』(2000年 - 2001年放送)を、ストーリーや設定を独自に再構築し漫画化した作品。テレビ版では別の世界、別の時間軸の物語だった次作『仮面ライダーアギト』が同一の世界で同一の時間軸に統合されているのが特徴である。


 〇EPISODE.01 復活
    EPISODE.01は無料で読めます。

    https://viewer.heros-web.com/episode/10834108156632483750

 

 


 
『アトム ザ・ビギニング』 
  (原案:手塚治虫、コンセプトワークス:ゆうきまさみ、漫画:カサハラテツロー、監修:手塚眞、協力:手塚プロダクション)2015年1月号 -
   タイトル通り、アトムが誕生する前の話で、大学生の天馬博士お茶の水博士が意志と人格を持つ自律型ロボット・A106(エーテンシックス)と活躍します。
   アニメ化されています。

  〇2017年4月新番組アニメ「アトム ザ・ビギニング」PV第2弾

 


   https://www.youtube.com/watch?v=gfZ4HPUHSTI

『Infini-T Force 未来の描線』
  (原作・企画:タツノコプロ、脚本:小太刀右京、漫画:江尻立真)2015年12月号 -

  「ガッチャマン」を始め、「ポリマー」「テッカマン」「キャシャーン」といったタツノプロのヒーローが集合しています。
  タツノコプロで3Dでアニメ化されていますし、映画化もされています。

  〇「Infini-T Force(インフィニティ フォース)」メインPV

 


   https://www.youtube.com/watch?v=BFwaCywIHUM

2.『月刊ヒーローズ』 の変遷
 (1)創刊
  ウイキペディアによると、『月刊ヒーローズ』は、2011年11月1日に創刊された月刊漫画雑誌で、(株)ヒーローズが発行していました。
  (株)ヒーローズは、2010年に小学館クリエイティブフィールズの2社の出資により設立されています。

   『月刊ヒーローズ』は 創刊号より、2020年4月1日発売の5月号まではセブン-イレブン店舗とセブンネットショッピングだけで販売していました
  更にパチンコ機の販売を主業とするフィールズの出資もあって、創刊当初、セブンイレブンの他にパチンコ店内でも販売されていたといいます。
  (2018年に木下グループが資本参加した時点でパチンコ店での取り扱いはなくなりました。)

 (2)雑誌の拡販と休刊
  同年2020年 5月1日発売の同年6月号よりAmazonで販売、同年9月号よりセブンネットショッピング、Amazon以外のネットECサイトでの販売と、セブン-イレブン以外のコンビニ店舗と書店での販売を開始し、一般の雑誌流通経路で購入できるようになりました。
  以上のような販路拡大を行ったものの、本誌は2020年12号をもって休刊となりました。
 

 僕は、小学館は、前回のコンビニ本といい、この「月刊ヒーローズ」といい、コンビニと深い関係があるように、感じました。


  ところで、小学館集英社プロダクションは、 2021年1月1日より米マーベル・コミックスとアメリカンコミックスの邦訳出版に関する新たな契約を締結しています。
  これにより、マーベルのアメリカンコミックスの邦訳版はすべて小学館集英社プロダクションが展開する出版レーベル「ShoPro Books」より刊行することになりました。
  この提携が、『月刊ヒーローズ』の休刊に影響しているのでしょうか?


● 隔月 無料雑誌『ボノロン』

 


  みなさんは、B5判28ページの無料の雑誌『森の戦士 ボノロン』をご存じでしょうか?
 セブンイレブンとデニーズのみで偶数月に配布されています。
 「親と子を結ぶコミュニケーション マガジン」とも表紙にあるように、「ボノロン」のキャラクターのように、ほのぼのとした内容の絵本になっています。
 表紙に「セブン銀行からのおくりもの」と明記されているだけで、セブンイレブンの広告はありません。
 僕は時々、セブンイレブン店頭で頂いていました。
 
1.制作
 この冊子は、Produceを 原哲夫 文を 北原星望 絵を ヒカリンで製作されています。
 あの『北斗の拳』を描いた原哲夫がこんなかわいいキャラクターをデザインしているのにはびっくりします。
 僕は気が付かなったのですが、2022年10月号より作画担当が永山ゴウからヒカリンに交代し、キャラクターデザインが大幅にリニューアルされていたんですね。 
 新しい方が親しみやすいキャラクターに思えます。

2.内容
 最近の号より簡単に内容をご紹介します。
 
  〇2024年4月号「王様はだあれ?の巻
   青空の下、ボノロンは三年前の、王子ルネとの約束を思い出しています。

 王の急死で、剣の腕は弟のロイが上、知恵は学者のテス先生、勇気はフィアンセのアンが上で、自分には王様は務まらないと泣いている王子。
 そんなルネにボノロンは「次の王様になれる人を探す」ように提案します。
ルイは提案を受け入れ、その代わりに、ルイがフィアンセと結婚する三年後まで、王の証しの指輪を預かる約束をボノロンルとします。
 
 3年後に城に現れたルイは、村の土手を村人たちや賢い旅人の知恵を借り、直すたくましい若者になっていました。
みんなの前で、ルイが選んだ王様は・・・。

 2007年に『ボノロン 〜不思議な森のいいつたえ〜』のタイトルで、2007年11月より2008年5月にかけてテレビアニメ化もされているんですね。


最期は恒例の「テーマ(コンビニ)に関連したマンガや映画作品」のご紹介です。
●マンガ
 コンビニを舞台にしたマンガはあるのでしょうか?
特に、有名な作品はどうやら無いようです。
調べたらこんな作品が出てきました。

●『コンビニお嬢さま』


(写真)
 松本明澄の連載デビュー作で、講談社の「別冊少年マガジン」2015年12月号から 2018年12月号まで連載されていました。
なんだか男性主流の「別冊少年マガジン」に連載なんですね。

どこのコンビニとは書いてありませんが、どうやら「セブンイレブン」が舞台のようです。

 幼少時から家庭で、「質素・倹約がモットー」と厳しくしつけられて育った女学生が主人公です。
周囲の仲間から、お嬢さまとして、尊敬のまなざしを向けられています。
母親はコンビニに対しては「間食があなたの心身を健康に導いてくれるなら別ですが」と認めてくれない立場です。

 そのため、一見パーフェクトに見えるこのお嬢さまには、秘密がありました。
コンビニが大好きで、同級生に見つからないように変装して、遠くのコンビニに行く用心深さで、コンビニの食材を購入する、コンビニのヘビーユーザーでした。
その変装が、泥棒のようにほっかぶりをしたりして目立ってしまっていて、変装にはなっていないのがご愛敬です。

 彼女は、そのまま食材を食べるだけでなく、買ってきたコンビニのおでんやおにぎりそして肉まんまやアメリカンドッグまでもアレンジして食べるちょっとした料理家でもあります。
そんな彼女のドタバタ劇です。

でも、コンビニが良家の家庭には似合わないというのは、少しコンビニに対する意識が古くないでしょうか。


●「光の箱」衿沢 世衣子


(写真)
 これは、ブックオフで探せませんでした。
 ネットに簡単な紹介がありましたので見てみましょう。
 
 〇光の箱 増刊flowers 2018年12月号増刊冬号 - 2020年4月号増刊春号
  https://shogakukan-comic.jp/book?isbn=9784091670939

 コンビニを舞台にした作品はもっとあるのではないかと思いましたが、予想が外れました。

●映画
●映画『コンビニエンス・ストーリー』
 2022年公開のこんな映画がありました。
ウイキによると「売れない若手脚本家の男性と不思議なコンビニで働く既婚者の女性を中心に描かれる、コンビニを入り口とした「ちょっと異世界アドベンチャー」。」
なぜ自分の言葉で書けなかったかといいますと、1時間位で、耐えられず視聴を止めてしまい、最後まで視聴できなかったからです。
みなさまは鑑賞したでしょうか?

 〇出演
   成田凌:スランプ中の若手脚本家
   前田敦子:既婚者の女性「惠子」。

      異世界の入り口にある不思議なコンビニ「リソーマート」で働く
   六角精児:惠子の夫でコンビニオーナー。

 〇映画『コンビニエンス・ストーリー』本編映像一部解禁①

 


 https://www.youtube.com/watch?v=fvLFZLUwwwA

 こんな田舎の野原にコンビニはあり得ないのが、物語として、異世界の入り口を表しているんですね。
 もっと仕掛けとして、コンビニが使われていてもいいのではないでしょうか・・・。
 


●小説
  意外かもしれませんが村田 沙耶香『コンビニ人間』というコンビニを舞台にした小説があります。
第155回(2016年)芥川賞を受賞しています。
コンビニの内側と外側について、正面から向かっています。
小説は僕らの領域のサブカルではありませんが、ある意味主人公は、結果的に「コンビニ オタク」(コンビニでだけでしか働けず、主にコンビニの食材で生活する)なのでこの作品を簡単にご紹介したいと思います。

●『コンビニ人間』 
 
 コンビニを舞台にした作品で、実際にコンビニに勤めていた?いる?作家によって描かれています。

 


 
 僕も芥川賞を受賞した際に、この小説を読みました。

 ウイキによると、芥川賞受賞作の中で又吉直樹『火花』に次ぐ爆発的な売れ行きを示し、8月上旬に5刷30万部、11月中旬に50万部を突破したといいます。

この小説のこんなくだりを覚えています。

(レジ前の店員とお客の設定)
 「いらっいませ!」
私はさっきと同じトーンで声を張り上げて 会釈し、かごを受け取った。
 その時私は、初めて、世界の部品になることができたのだった。


 半年ですが、コンビニでのアルバイトを体験した僕には、自分とコンビニが一体化するのを体験しました。
この主人公は、その先を行き、今まで世界と繋がれなかったのが、コンビニのレジを通じて、初めて「世界」とつながれたのだと述べています。

更に、こんな

 私の身体のほとんどが、このコンビニの食料でできているのだと思うと、自分が、雑貨の棚やコーヒーマシンと同じ、この店の一部であるかのように感じられる。

今の「私」を形成しているのはほとんど私のそばにいる人たちだ。

自分の体は、賞味期限が迫った店のパンなどを朝食にしていて、自分の体はコンビニの商品でできている。


メイン・カルチャーの小説という手法を使っていますが、描くのは、コンビニと繋がっていなければ生きていけない「オタク」な女性の話です。