「さめよ。さめよ。力をまとえ。主の御腕よ。さめよ。昔の日、いにしえの代のように。ラハブを切り刻み、竜を刺し殺したのは、あなたではないか。海と大いなる淵の水を干上がらせ、海の底に道を設けて、贖われた人々を通らせたのは、あなたではないか。主に贖われた者たちは帰って来る。彼らは喜び歌いながらシオンに入り、その頭にはとこしえの喜びをいただく。楽しみと喜びがついて来、悲しみと嘆きとは逃げ去る。わたし、このわたしが、あなたがたを慰める。あなたは、何者なのか。死ななければならない人間や、草にも等しい人の子を恐れるとは。天を引き延べ、地の基を定め、あなたを造った主を、あなたは忘れ、一日中、絶えず、しいたげる者の憤りを恐れている。まるで滅びに定められているかのようだ。そのしいたげる者の憤りはどこにあるのか。捕らわれ人は、すぐ解き放たれ、死んで穴に下ることがなく、パンにも事欠かない。わたしは、あなたの神、主であって、海をかき立て、波をとどろかせる。その名は万軍の主。わたしは、わたしのことばをあなたの口に置き、わたしの手の陰にあなたをかばい、天を引き延べ、地の基を定め、『あなたはわたしの民だ』とシオンに言う。さめよ。さめよ。立ち上がれ。エルサレム。あなたは、主の手から、憤りの杯を飲み、よろめかす大杯を飲み干した。彼女が産んだすべての子らのうち、だれも彼女を導く者がなく、彼女が育てたすべての子らのうち、だれも彼女の手を取る者がない。これら二つの事が、あなたを見舞う。だれが、あなたのために嘆くだろうか。滅亡と破滅、ききんと剣―わたしはどのようにしてあなたを慰めようか。あなたの子らは網にかかった大かもしかのように気を失って、すべての町かどに倒れ伏す。彼らには、主の憤りと、あなたの神のとがめとが満ちている。それゆえ、さあ、これを聞け。悩んでいる者、酔ってはいても、酒のせいではない者よ。あなたの主、ご自分の民を弁護するあなたの神、主は、こう仰せられる。『見よ。わたしはあなたの手から、よろめかす杯を取り上げた。あなたはわたしの憤りの大杯をもう二度と飲むことはない。わたしはこれを、あなたを悩ます者たちの手に渡す。彼らはかつてあなたに、【ひれ伏せ。われわれは乗り越えて行こう】と言ったので、あなたは背中を地面のようにし、また、歩道のようにして、彼らが乗り越えて行くのにまかせた。』」
イザヤ書51章9-23節
人は何か欠けたものを埋めるために様々なものに頼りますね。実はそうした方々の話を聴く機会が私も比較的多いのですが、やめたいけどやめられない様々な思いがあるようです。ただ依存的になっているというだけではなく、心の隙間、つらさ、痛みを何とか埋めようと。まあもちろん好きでたばこやお酒を飲む方もいますが。それは別としても、その何かで心を埋めようという気持ちはわかります。ただ、それが完全に私たちの慰めにならないというところが悩ましいところです。ただ、神様はあなたを諦めず、あなたに語り掛け、慰め、その愛を行動に移される。あなたに命を得てほしい、と心血注ぎ、命さえ惜しまず与えられたのです。この神様にある本物の慰め、いのちを今日求めようではありませんか。今日神様が覆ってくださるその御力、ご計画に信頼し。
さて、↑は古代イスラエルのバビロン捕囚期～捕囚後について神様がイザヤを通して預言された続きです。ここまで神様はイスラエルを見捨てられず、捕囚中も守り、ついにはバビロン捕囚からの解放のために、メド・ペルシャの王クロスをたて、イスラエルを救い出すことを約束されました。たとえ誰が見捨てようとも、神様はその御手にあなたへの愛を刻み、見捨てず、十字架への道、彼ら・あなたへの救いを諦めず、最後までその愛をやめずに実行されることを約束されるのでした。救われ、恵みの時、救いの日を迎えさせて下さる事を示されたのです。だから神様を、義を追い求めよう、と訴え私たちをその救いへと招かれるのでした。
神様は、↑でなお慰めを受けよ、と引き続き語られていくのですが、まずイザヤはこの神様を求めます、「さめよ。さめよ。力をまとえ。主の御腕よ。さめよ。昔の日、いにしえの代のように。ラハブを切り刻み、竜を刺し殺したのは、あなたではないか。海と大いなる淵の水を干上がらせ、海の底に道を設けて、贖われた人々を通らせたのは、あなたではないか。主に贖われた者たちは帰って来る。彼らは喜び歌いながらシオンに入り、その頭にはとこしえの喜びをいただく。楽しみと喜びがついて来、悲しみと嘆きとは逃げ去る」と告白して。
まず、そもそも慰めは慰める方が必要です。それも無機質な「物」では不可能です。それは生きていなければ、感情もない、自分で動くことさえできない。イザヤは、ラハブ（正確にはエジプトを指すそうです）を例に出して同じように神様、助けてください、と願うのです。他にそもそも神様はいない、その上、神様の慰め、彼らの、私たちへの救いへの思いは昔も今も変わらない、だからいま一度彼は神様のことを思い起こし、求めるのです。
このエジプトは、かつてイスラエルを400年近く奴隷としてとらえていました。彼らは日本と似ていると言いますか、八百万の神、森羅万象みな神として拝んでいたのです。自分たちはそれによって繁栄しているのだ、と。しかし、神様はイスラエルをエジプトから救い出される際、10の災いを降されていったのですが、その中でその背後にある偶像・偽神を討っていきます。そして真の神様は他にはいないんだ、と彼らを悔い改めに導き、何と出エジプトの際、エジプトではなくイスラエルの民と歩みたい、と一緒に脱出する者たちも出るほど、彼らの拠り所としていた偽神は何をすることもできなかったのです。彼らの背後にいた竜・サタンの計画を打ち砕き、無事にそしてイスラエルの民を脱出させたのでした。
これらすべては当時出エジプトのリーダーに神様がたてたモーセでも誰でもない、神様なのです。神様が悲しみ、暗闇の中に閉じ込められていたイスラエルを贖い出し、かつてイスラエルの民が住んでいた約束の地（現代のイスラエルのあたり）に神様は連れ帰ってくださった、その神様がいるから彼らの悲しみは喜びへと変えられた。神様が連れ帰ってくださったからこそ、そこは神様の愛が溢れる、御心に溢れる。
それは昔の話ではない、私たちが神様を求める中に神様は応えてくださるのです。この章の最初で「義を追い求める者、主を尋ね求める者よ。わたしに聞け。あなたがたの切り出された岩、掘り出された穴を見よ」と神様は仰られていましたが、私たちはこの神様がなして下さる義、イエス様にあって注がれる愛、なされる御心を追い求めたいものです。そこに掘り出されると言いますか、神様が見せてくださる素晴らしい実を求め。
そんなイザヤの告白に神様は「わたし、このわたしが、あなたがたを慰める。あなたは、何者なのか。死ななければならない人間や、草にも等しい人の子を恐れるとは。天を引き延べ、地の基を定め、あなたを造った主を、あなたは忘れ、一日中、絶えず、しいたげる者の憤りを恐れている。まるで滅びに定められているかのようだ。そのしいたげる者の憤りはどこにあるのか。捕らわれ人は、すぐ解き放たれ、死んで穴に下ることがなく、パンにも事欠かない。わたしは、あなたの神、主であって、海をかき立て、波をとどろかせる。その名は万軍の主。わたしは、わたしのことばをあなたの口に置き、わたしの手の陰にあなたをかばい、天を引き延べ、地の基を定め、『あなたはわたしの民だ』とシオンに言う」と答えます。
そう、イザヤはそう告白するも、民はしかし現状を見て、そんな神様を求めても変わらないじゃないか、なんでこんな状態になっているのか、とイスラエルは思い悩むのです。それはマナセ王の暴政、今バビロンが台頭してきている中、どうしてそんな希望が持てるのか、と。
そんな彼らに向け、あなたに向け、神様は「あなたは、何者なのか」と問いかけるのです。なにゆえ、死ななければいけない人間や、草にも等しい人の子・彼らを、あなたを虐げる者を恐れるのか、と。しかし、神様は、「わたし、このわたしが、あなたがたを慰める者なんだ！」と訴えるのです。「あなたはわたしの民だ！」これこそが神様のあなたへの思いなのです。
私たちは逆に、神様とは何者なのか！と神様を侮ってはいませんか。神様に何がわかるんだ、神様に何ができるんだ、と。イスラエルの民もいつもこの思いにとらわれて、自分たちを見失っていました。そしてみるべき神様から離れ、さ迷っていたのです。しかし神様はイザヤを通して宣言されるのです、「わたしは、あなたの神、主であって、海をかき立て、波をとどろかせる。その名は万軍の主。わたしは、わたしのことばをあなたの口に置き、わたしの手の陰にあなたをかばい、天を引き延べ、地の基を定め」た神様なんだ、と。神様ご自身があなたの神様となってくださった、この天地万物を造られた神様が。
その神様が、どうしてあなたのことを忘れることがあるでしょう。数章前で神様は「女が乳飲み子を忘れようか。自分の胎の子をあわれまないだろうか。たとい、女たちが忘れても、このわたしはあなたを忘れない」と仰られましたね。たとえ私たちが忘れても、あなたを造られた神様は決して忘れることなくいつもあなたを覚え、助けてくださるのです。パンに事欠かせない、神様ご自身が命のパンとなられあなたの全ての必要を満たされるのです。その身を割き。神様はあなたに同情できない方ではありません。むしろ心血を注がれ、あなたをご自身の命で満たされる方であることを私たちは忘れてはいけません。
確かに神様が↑で「あなたは、主の手から、憤りの杯を飲み、よろめかす大杯を飲み干した。…これら二つの事が、あなたを見舞う。だれが、あなたのために嘆くだろうか。滅亡と破滅、ききんと剣―わたしはどのようにしてあなたを慰めようか。あなたの子らは網にかかった大かもしかのように気を失って、すべての町かどに倒れ伏す。彼らには、主の憤りと、あなたの神のとがめとが満ちている」と仰られるように、形や状況は違えど、様々な困難にあうことはあります。
しかし、同時に慰め主なる神様が「さめよ」と仰られるのです。この神様がおられるのです。むしろあなたを弁護される神様、あなたを慰め、暗闇、悩みから解き放とうと、「見よ。わたしはあなたの手から、よろめかす杯を取り上げた。あなたはわたしの憤りの大杯をもう二度と飲むことはない」と、神様は私たちのその苦い杯を取り除かれるのです。イエス様が私たちのこの苦い杯を身代わりに引き受けられた、あなたの痛みも悲しみも、何より私たちの罪、一切を身代わりに背負われ、十字架にかかられ、死なれたのです。しかし3日目によみがえられたことによって、このイエス様の十字架の御前に悔い改め立ち返る全ての人の罪は、この苦い杯は取り除かれ、神様の子として受け入れられるのです。その特権が与えられるのです。
このイエス様の命をもってあなたを慰め、回復された神様が今日、あなたの手を取り導かれます。あなたのためならと、一切の苦い杯、罪の刑罰、呪い、一切引き受け、その杯をイエス様のいのち、血潮に変えて、あなたにイエス様の血潮を注がれあなたを生かされた神様が今日、あなたにその心血を、御心を注がれる。このかえられた杯、神様恵みで、愛で、慰めで満たされたこの杯から日々いただき、新しくされたこの命、一日一日を喜び歩ませていただきたいものです。あなたはイエス様の命をもって取り戻された、神様にとって高価で尊い、愛を注がれた、注がれる大切な事されたのだから。
