【〇○婦問題】2020.05 (h) ③ | ぺる Ⅱのブログ

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続・チラシの裏書き

 

 

 

目次 

 

2020

01(05/19)「ナヌムの家」理事会、「ハルモニの死後にホテル式療養院を作ろう」

02(05/19)「正義連『ユン・ミヒャン1人体制』が問題を大きくした」

03(05/20)正義連、「ウガンダ・キム・ボクトンセンター」着工失敗に終わり1700万ウォン損失

04(05/20)[社説]ユン・ミヒャン当選者は真摯に釈明し、ふさわしい責任を取るべき

05(05/20)ユン・ミヒャンの個人口座4口座に10件の募金…使った内訳をなぜ公開できないのか

06(05/20)民主「最高委員会でユン・ミヒャンの立場を整理」…統合「国政調査」で圧迫

07(05/20)ユン・ミヒャン「ヒーリングセンターを高値購入」告発、ソウル中央地検に割当

08(05/20)ナヌムの家、後援金を法人口座に“奇怪な募金”構造…人権侵害の疑惑も

09(05/21)[社説]「加害者」日本がなぜ恥知らずにも介入するのか

10(05/21)[コラム]2009年チェ・ヨル、2020年ユン・ミヒャン
11(05/21)[社説]ナヌムの家、骨身を削る自浄の意志で設立の精神を回復せよ

12(05/21)イ・ヨンスさん「ユン・ミヒャンが訪ねてきて謝ったが、許してはいない」

 

 

 

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01 

「ナヌムの家」理事会、「ハルモニの死後にホテル式療養院を作ろう」
登録:2020-05-19 06:13 修正:2020-05-19 07:43

[去年の法人理事会録音記録を単独入手] 
1992年に仏教界を中心に募金運動で設立 
昨年末、貯まった後援金は64億ウォンにのぼるが 
法人が施設に渡した金は極めて少ない 
職員「ハルモニの通院費もちゃんと支給されず」 

「理事の3分の2が曹渓宗の僧侶」と規定 
「新しい療養院のために後援金を節約して」 

収益事業批判に…理事陣「確定していない」



15日午後、京畿広州市退村面元堂里のナヌムの家の前景=広州、イ・ジョンア記者//ハンギョレ新聞社

 

 日本軍「慰安婦」被害者のハルモニ(おばあさん)たちが暮らす京畿道広州市(クァンジュシ)の「ナヌムの家」の運営に関連して、社会福祉法人「大韓仏教曹渓宗ナヌムの家」の理事らが、2年前からハルモニたちの死後に後援金で「ホテル式療養院」を作るという計画を立てていたことが明らかになった。ナヌムの家の法人口座に後援金として貯められている保有金は、昨年12月時点で64億3000万ウォン(約5億6300万円)にのぼるが、理事らはそのような目的のため、ナヌムの家の施設管理者に後援金を節約して使うように頼みもした。


 18日、ハンギョレが入手した昨年2月26日の大韓仏教曹渓宗ナヌムの家理事会の録音記録によると、理事のA僧侶は「慰安婦のハルモニの入所者たちは、今後さらに増えるとしても1~2人程度だ。この施設(ナヌムの家)を完全に撤去してホテル式療養施設を作り80人程度の高齢者を迎えれば、きちんと運営して、今後利潤も生み出すことができる」と明らかにした。さらに「ホテル式で作らなければ(他の療養施設との)競争力がない」とし、「後援金の使用を少し節約して、細心の注意を傾けてほしい」との要請まで残した。
 

 これに先立ち2018年2月28日の理事会でも、当時理事だったB僧侶は「(後援金を)100億ウォン(約8億7600万円)ほどかけて100人余りを収容できる療養院を作るとしても、後発の参入者だからうまく作らなければならない」と語った。ナヌムの家法人は定款に「理事の3分の2は曹渓宗の僧籍を有する者とする」と定めている。ナヌムの家は1992年、仏教界を中心とした募金運動により設立された。


 実際にナヌムの家は今年2月、法人の事業種類を「無料養老施設・無料専門療養施設」から「高齢者養老施設・高齢者療養施設」に変更する内容を加えた定款改正案を、所管の地方自治体である京畿道広州市に提出した。これについて社会福祉の専門家は「高齢者療養施設に変わると、高齢者長期療養保険からは施設利用料を、利用する高齢者からは食事代などを受け取ることができる」とし「長期療養等級判定を受ければ誰でも入って来られるため、入所対象層を広げて事業を拡張しようとする意図が見える」と述べた。
 

 これに対してナヌムの家の理事として参加しているファピョン僧侶は「療養院を作るというのは確定したことではなく、後援金だけで可能なことでもない」と釈明した。ただし彼は「ハルモニが全員亡くなると事業が無条件で終了するので、その時どうするのか悩むことはあり得ると思う」とし、「療養院を作ってハルモニたちのおかげで他の方々が恩恵を受ければ、それがハルモニの功徳になるだろう」と語った。
 

 しかし、ナヌムの家の内部でも反発が起きている。ナヌムの家歴史館のキム・デウォル学芸室長は「第二次世界大戦の被害者が共同生活をする空間は、世界的にナヌムの家が唯一だ」とし、「学界でも『ハルモニたちの部屋は必ず博物館にしなければならない』と評価している」と述べた。崇実サイバー大学のチョ・ムンギ教授(高齢者福祉学)も「歴史的被害者の高齢者の特殊なニーズと一般の高齢者のニーズが共存する療養院を作るという構想を、どのようにしてするようになったのか疑問」だと語った。
 

 ナヌムの家に入ってくる後援金は2015年の「12・28韓日慰安婦合意」以後、「慰安婦」問題解決に対する社会的関心が高まり急激に増えた。2013年と2014年まではそれぞれ5億3000万ウォン(約4600万円)と8億2000万ウォン(約7200万円)程度だった後援金は、2016~2018年には約17億ウォン(約1億5000万円)ずつ入ってきて、昨年は26億ウォン(約2億3000万円)に増えた。しかし、ナヌムの家の施設が法人から受け取った転入金は、2015~2019年に年間2400万ウォン(約210万円)~6400万ウォン(約560万円)に留まっている。2015年に10人だったハルモニが亡くなり、現在6人に減ったという点を考慮しても、後援支援金に比べると極めて少ない水準だ。職員たちは「ハルモニの通院費などがちゃんと支給されないなど、後援金がハルモニのために十分に使われずにいる」と主張した。
 

パク・ダヘ、イ・ユジン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
 

https://www.hani.co.kr/arti/society/society_general/945489.html
韓国語原文入力:2020-05-19 02:46
訳M.S

 

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02 

「正義連『ユン・ミヒャン1人体制』が問題を大きくした」
登録:2020-05-19 07:24 修正:2020-05-19 08:11

正義連を巡る議論の背景 
挺対協初期の唯一の常勤スタッフとして30年献身 
組織が大きくなっても情報を独占、どんぶり勘定式運営 
他の過去事件の被害者団体とも連携が不足



ユン・ミヒャン共に市民党比例代表当選者=ハンギョレ資料写真//ハンギョレ新聞社

 

 正義記憶連帯(正義連)とその前進である挺身隊問題対策協議会(挺対協)を巡る議論の中心には、過去30年間、挺対協を1人で率いてきたかのようなユン・ミヒャン共に市民党当選者(比例代表)がいる。挺対協の初期から唯一の常勤スタッフとして団体を率いてきたユン氏は、これまで「ユン・ミヒャンがすなわち挺隊協」と呼ばれるほど、挺対協の対内外活動を全て引き受けてきた。
 

 ハンギョレの取材に応じた多くの市民社会や学界の関係者は「挺隊協は事実上、ユン・ミヒャン1人が率いてきた体制だった」と口をそろえる。ユン氏の強大な影響力はコインの両面と同じだった。1991年、故キム・ハクスンさんの最初の慰安婦被害証言が出た後、30年間ユン氏は厳しい慰安婦問題の運動を率いて献身した。「私も慰安婦だった」という申告の電話が入ってくれば奥地でも訪ねて証言を録音し、団体の劣悪な運営を補うために自身が受け取った講演料もはたいて運営してきたことはよく知られている。
 

 しかし、そのような「献身」は毒杯になり得るという説明が出てくる。数億ウォンの寄付金と国庫補助金を支援されるほど組織が大きくなったのに、ユン氏が実務者を育てずに情報を独占したまま、事実上どんぶり勘定式で運営してきたということだ。実際に挺対協の安城(アンソン)のヒーリングセンターの「拙速運営」に関する報道が出た後、正義連の関係者の中からは当時の内情を詳細に知る活動家を探すのが難しかった。10億ウォン(約8800万円)の企業寄付金を得て被害者のための空間を作る大型事業なのに「当時の状況は正確には知らない」という答えが帰ってきた。ユン氏だけが地域社会の知人を通じて建物を推薦された状況を正確に記憶していた。
 

 正義連の内部事情をよく知るある関係者は「ユン前代表の1人体制は20年以上続いた。他の人たちをあまり信頼せず、情報を共有しない。ボランティアもセキュリティー覚書を書いたこともある。だから実務者たちは(運営に関する)内容はあまり知らなかったはずだ」と伝えた。一部では、ユン氏の夫で水原(スウォン)市民新聞代表のキム・サムソク氏が過去の保守政権で公安当局の監視に苦しんだために、ユン氏が極度の保安意識を持つようになったとの分析もある。常に公安当局に揚げ足を取られることがあり得る状況で、身の安全を守るしかなかったとのことだ。
 

 ユン氏のこのような態度は、正義連を越えて「慰安婦」被害者の人権運動でも連携不足の議論を引き起こした。慰安婦被害者運動団体の関係者は「挺対協は他の過去事件の被害者団体と連携しないまま、過剰な代表性を持ってきた」と指摘した。これに先立ち、被害生存者であり女性人権活動家であるイ・ヨンスさんが「これまで約30年間、真実を明らかにするための闘争過程で現れた事業方式の誤りや過ちを克服するための過程が必要だ」と叱咤したことも、そのような流れから出たということだ。
 

ペ・ジヒョン、オム・ジウォン記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr )
 

https://www.hani.co.kr/arti/society/society_general/945413.html
韓国語原文入力:2020-05-19 02:47
訳M.S

 

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03 

正義連、「ウガンダ・キム・ボクトンセンター」着工失敗に終わり1700万ウォン損失
登録:2020-05-20 05:14 修正:2020-05-20 06:55

 

国際連帯のために「キム・ボクトンセンター」を作ることにしたが 
日本政府の妨害・抗議で失敗 
「ウガンダで購入した敷地は現地の団体に寄付」



2014年9月10日、ソウル鍾路区の日本大使館前で開かれた第1143回日本軍慰安婦問題解決のための水曜デモで人権活動家の故キム・ボクトンさん(1926~2019)が「平和の少女像」の横に座っている=キム・テヒョン記者//ハンギョレ新聞社

 

 正義記憶連帯(正義連)が国際的な戦時性暴力被害者の人権運動と連帯するためにウガンダに「キム・ボクトンセンター」を作ることにしたが、日本政府の妨害などにより事業が失敗に終わり、敷地の購入費用を回収できなくなった。
 

 19日、ハンギョレの取材を総合すると、共に市民党のユン・ミヒャン比例代表当選者は、正義連の理事長を引き受けていた昨年6月、ウガンダにキム・ボクトンセンターを作るとの計画を発表した。正義連は「日本軍『慰安婦』被害者の声と人生、そして運動の歴史は、ウガンダの戦時性暴力被害の女性たちに継承されるだろう」と設立の趣旨を説明した。そのため正義連は、「ウガンダ・キム・ボクトンセンター」設立のための特別募金を進め、ウガンダの現地の女性人権団体である「ゴールデン・ウィミン・ビジョン」(Golden Women Vision)に1709万ウォン(約150万円)を寄付形式で渡した。ウガンダ北部のグル地域に380坪(967平方メートル)ほどの土地を買い取り、日本軍「慰安婦」問題の歴史館とキム・ボクトンさんの追慕館、ウガンダ内戦の歴史館などを建てるという趣旨だった。2019年、正義連の国税庁公示資料にもゴールデン・ウィミン・ビジョンに寄付した1709万ウォンが記載されている。
 

 しかし、正義連は昨年11月、キム・ボクトンセンター建設計画を取り消した。「日本政府がウガンダ政府を通じて不当に介入し、現地の生存者の安全に深刻な脅威がある」との理由であった。設計コンサルタントを引き受けて正義連と同行したある建築業者は同日、ハンギョレとの電話で「去年11月25日の着工式を控えて、ウガンダ政府の公務員が正義連の活動家を呼び、「日本側の抗議が多い。韓国と日本がウガンダの地で対立を引き起こすことを望まない」と言った。結局、着工式もできずに事業をたたむことになった」と伝えた。


 結局、正義連が後援者たちから寄付を受けて購入したウガンダセンターの土地は、そのまま宙に浮くことになった。一種の「埋没費用」になったのだ。正義連側は「今年1月、運営委員会を通じてウガンダで購入した敷地を現地の団体に寄付することに決めた」と明らかにした。正義連はそれ以後、「ウガンダの代わりに米国にキム・ボクトンセンターを作る」として20億ウォン(約1億7600万円)ほどを設立費用と推算して募金運動を行っている。
 

チェ・ユンテ記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr )
 

https://www.hani.co.kr/arti/society/society_general/945627.html
韓国語原文入力:2020-05-20 02:13
訳M.S

 

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04 

[社説]ユン・ミヒャン当選者は真摯に釈明し、ふさわしい責任を取るべき
登録:2020-05-20 06:16 修正:2020-05-20 07:56


共に市民党のユン・ミヒャン比例代表当選者が水曜集会で発言している=ハンギョレの資料写真//ハンギョレ新聞社

 

 正義記憶連帯(正義連)と共に市民党のユン・ミヒャン比例代表当選者をめぐる疑惑が一向に収まる気配を見せない。正義連の国庫補助金と後援金に関連したずさんな会計問題がきちんと解明されないうえ、日本軍「慰安婦」被害者の女性たちのためのヒーリングセンターの売却と運営をめぐる疑惑も浮き彫りになっている。その間、これまで30年以上、被害者や活動家、市民が手を携えて数々の困難を乗り越えながら一歩ずつ前進させてきた「慰安婦人権運動」が大きな打撃を受けている。実に残念でならない。
 

 ユン当選者がマスコミのインタビューなどを通じて釈明する過程で、前言を翻しているという批判の声もあがっている。状況が悪化の一途を辿っている。現代重工業の指定寄付金10億ウォン(約8800万円)のうち7億5000万ウォン(約6600万円)をかけて2013年に京畿道安城(アンソン)に買い入れたヒーリングセンターと関連し、ハルモニ(おばあさん)たちが行きにくい場所をあえて選ぶ必要があったのかという批判に対し、ユン当選者は「10億ウォンでは当時、麻浦(マポ)で家を買うことができなかった」と釈明した。しかし、当時ソウル麻浦でも10億ウォン未満の取引が少なくなかったという反論が出た。また、ユン当選者は2012年に競売で手に入れたマンション購入資金の出所について、当初は「もともと住んでいたマンションを売った」としていたが、数時間後には「定期貯金を解約し、家族から資金をした」と述べた。ユン当選者は慰安婦被害者のハルモニたちの海外活動経費や葬儀費用をいくつかの個人口座で募金していたが、このように集めた後援金の使途に対する疑惑も持ち上がっている。このため、イ・ナギョン前首相が「事態を重く受け止めている」と述べるなど、共に民主党内部でも懸念の声があがっている。
 

 ユン当選者はすべての疑惑について、公の場で真摯に説明しなければならない。記者会見を開き、口座の内訳など納得できる根拠を提示する必要がある。ユン当選者が、誰も慰安婦被害について問題を提起しなかった頃から献身的に慰安婦の人権運動を率いてきたのは否定できない事実だ。しかし一方では、事実上“一人体制”で運営を行ってきたという指摘もある。詳細な資金の使用内訳などについてユン当選者以外の人は正確に説明できないという話だ。
 

 ユン当選者は今の事態が、慰安婦の人権運動に対する韓国社会の信頼に直結する問題だという認識を持たなければならない。 保守勢力とマスコミが悪意的に問題を歪曲し、政治に利用していると反駁するだけで解決する問題ではない。「法に触れることはしていない。これから議政活動の成果を見てほしい」という態度だけでは、慰安婦の人権運動が満身創痍になっている事態を収拾できない。検察の捜査まで始まった状況で、これ以上矢面に立つことを恐れてはならない。
 

(お問い合わせ japan@hani.co.kr)
 

https://www.hani.co.kr/arti/opinion/editorial/945636.html
韓国語原文入力:2020-05-19 20:02
訳H.J

 

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05 

ユン・ミヒャンの個人口座4口座に10件の募金…使った内訳をなぜ公開できないのか
登録:2020-05-20 06:21 修正:2020-05-20 07:55

慰安婦被害のハルモニ外国訪問、葬儀弔意金の募金・国外救援など 
資金が必要な時は個人口座で募金 
「ベトナム井戸」約150万円集めた後、約105万円渡す…45万円ほどの差 
公開の声が高まる…市民団体「個人募金の明瞭な解明を」



正義連の会計ミスや共に市民党比例代表当選者のユン・ミヒャン前正義連理事長の個人口座への寄付金募金などに対する問題提起が続いている19日午前、ソウル麻浦区の正義連事務所周辺の路上をある市民が傘をさして通りがかっている=キム・ヘユン記者//ハンギョレ新聞社

 

 共に市民党のユン・ミヒャン比例代表当選者が、正義記憶連帯(正義連)代表として活動した当時、いくつかの個人口座を通じて寄付金を集めた事実が次々と明らかになっている。当初、ユン氏は故キム・ボクトンさんの葬儀弔意金などを個人口座で集めたことについて「募金過程と執行に全く問題はない」と明らかにした。しかし、個人口座で募集した「ベトナム井戸掘削」後援金は募金額と執行額が一致しないとの疑惑まで提起され、ユン氏が取引の内訳を透明に公開しなければならないとの声が高まっている。
 

 19日、ハンギョレの取材を総合すると、ユン氏が正義連とその前身である挺身隊問題対策協議会(挺対協)を率いていた時期に後援金募集に使ったことが確認された口座は、現在まで4口座だ。ユン氏を始めとする関係者が多くのコミュニティやユン氏のフェイスブックなどを通じてこの口座で後援金を募集した事例は、計10件だ。ユン氏は日本軍「慰安婦」被害者のハルモニ(おばあさん)の外国訪問の経費や葬儀弔意金の募金、国外救援支援などの目的があるたびに募金の書き込みを載せた。
 

 2014年、ユン氏はキル・ウォノクさんの欧州訪問の経費を集めるとして、末尾が「402」の本人名義の口座を公開した。彼女は「米国の少女像除幕式の時、ツイッターのフォロワーの方々の暖かい心のおかげで、キム・ボクトンさんはビジネスクラスに座ってゆったりと行ってくることができたんです。欧州に行くキル・ウォノクさんも、ゆったりと行ってくることができたらいいですね」との書き込みを載せた。同年、フリージャーナリストである「メディア・モング」のツイッターにも「キル・ウォノクさんの欧州滞在経費」を集めるとして、ユン氏の口座番号を公開する書き込みが投稿された。末尾が「784」の口座だ。キル・ウォノクさんの欧州訪問経費をユン氏の2つの口座に分けて受け取ったのだ。2015年6月と9月にも、ユン氏は「784」口座でキル・ウォノクさんと故キム・ボクトンさんの外国訪問経費の募金を集めた。
 

 国外活動のために募金した一部の後援金の場合、オンライン上に公開された執行内訳と募金内訳がそれぞれ異なっており、波紋が広がっている。ユン氏は2014年4月、ブログを通じて「ベトナム参戦50年である今年、日本軍『慰安婦』被害者のハルモニが、ベトナムの子供たちに与える平和の贈り物として、韓国軍による民間人虐殺被害が大きかったビンディン省地域の学校に井戸を掘ってあげたいと言った」として後援金を募集した。末席が「978」である本人名義の口座を通じてだ。ユン氏は8カ月後の同年12月、自身のフェイスブックに「井戸掘削」費用として1200万ウォン(約105万円)をベトナム側に渡したと明らかにした。当時の募金額は約1700万ウォン(約150万円)と伝えられた。500万ウォン(約45万円)ほどの差額が発生したのだ。ただし、当時、ユン氏が整理した寄付内訳には、4回にわたりユン氏自身が380万ウォン(約33万円)を寄付した内訳もある。
 

 ユン氏が口座取引の内訳を透明に公開しなければ、この点は検察の捜査で明らかにされるしかない。公益法人監査を専門にするチェ・ホユン会計士(三和会計法人)は、「口座に残った金額を確認しなければならないが、本人に確認すること以外には方法がない」と述べた。市民団体のある実務者は「私たちの団体は寄付金の募集に関しては、初めから個人口座を使うことができないようにしている。団体ごとに条件は違うが、法人口座があるのに個人口座で募金した点は、明瞭に解明しなければならないだろう」と話した。ハンギョレは同日、ユン氏に口座取引の内訳などを公開してほしいと要請したが、返事を受けることはできなかった。
 

チョン・グァンジュン、ペ・ジヒョン記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr )
 

https://www.hani.co.kr/arti/society/society_general/945632.html
韓国語原文入力:2020-05-20 02:13
訳M.S

 

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06 

民主「最高委員会でユン・ミヒャンの立場を整理」…統合「国政調査」で圧迫
登録:2020-05-20 07:10 修正:2020-05-20 08:40

政局の問題になった「ユン・ミヒャン疑惑」


2月26日、ソウル鍾路区中学洞の旧駐韓日本大使館の前で開かれた「日本軍性奴隷制問題解決のための定期水曜デモ」で、当時のユン・ミヒャン正義連帯代表が経過報告をしている=イ・ジョンア記者//ハンギョレ新聞社

 

 ユン・ミヒャン当選者の住宅資金の出所の議論と正義記憶連帯(正義連)の不正確な会計疑惑が大きくなり、共に民主党の苦心が深まっている。これまで「事実関係の確認が優先」という原則的な立場を明らかにしてきた民主党指導部は、20日に開かれる党最高委員会議でいかなる方法であっても議論収拾に出るものと見られる。
 

 民主党のある最高委員は19日、ハンギョレの電話取材で「非公開の最高委員会会議で今までの状況報告と最高委員の間の意見交換があるだろう」と語った。党指導部が直ちにユン当選者の去就に関する決定を下さないとしても、ユン当選者の疎明内容と最高委員会の議論などを総合して今後の党の立場をまとめるとの趣旨だ。非公開最高委員会ではユン・ホジュン事務総長がユン当選者に関する内容を報告するという。また別の最高委員は「世論の推移を見守ろうというイ・へチャン代表の立場は変わりない」としながらも「ユン当選者の声明を見守った後、党の立場を整理するようだ」と語った。
 

 当初、民主党はユン当選者が献身してきた日本軍「慰安婦」関連の活動と正義連の会計問題を区別して評価しなければならないという立場だった。しかし、先週末を経て京畿道安城(アンソン)のヒーリングセンター購入関連の疑惑が新たに明らかになり、ユン当選者がマンション購入資金に対する釈明を翻して世論が急激に悪化すると、当惑感に包まれた。第21代国会任期の開始と同時に、ユン当選者の問題が政局のブラックホールになることに対する憂慮も無視できない状況だ。民主党のパク・ヨンジン議員は同日、韓国放送(KBS)のラジオに出演して「会計の透明性に関する問題は、国民の目の高さと常識の線に合わせなければならない。いくつも明らかになる疑惑に対して当事者が明確に釈明しなければならない」と語った。そして「(ユン当選者の)釈明がたびたび翻り持ち堪えられないレベルにまで行くことなれば、共に民主党の指導部が責任ある態度を示すしかなくなるのではないかと思う」とし、党レベルの決断が必要であると強調した。
 

 未来統合党はユン当選者について国政調査に言及し、圧迫を強めた。チュ・ホヨン院内代表は同日、ハンギョレの電話取材で「ユン当選者に対する国政調査を検討している」と述べた。キム・ソンウォン院内首席副代表も同日、国会で記者に会い、「(ユン当選者の議論は)国民的公憤が強い事案」だとし、国政調査推進の意向を示した。
 

 ただし、国政調査は与野党の合意なしに統合党が一方的に推進することは現実的には難しいだけに、政治的圧迫用に留まるだろうとの見方も出ている。ペ・ヒョンジン報道官はハンギョレの電話取材で「党論で決定されたとか、直ちに実務機構を発足するという意味ではない」と一線を引いた。
 

 統合党の衛星政党である未来韓国党は同日、当選者のユン・ジュギョン、チョ・テヨン、チョン・ジュヘ氏などによる「ユン・ミヒャン-正義連疑惑真相究明タスクフォース(TF)」を設けた。
 

ファン・クムビ、イ・ジュビン記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr )
 

https://www.hani.co.kr/arti/politics/assembly/945647.html
韓国語原文入力:2020-05-20 02:09
訳M.S

 

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07 

ユン・ミヒャン「ヒーリングセンターを高値購入」告発、ソウル中央地検に割当
登録:2020-05-20 07:48 修正:2020-05-20 08:49

安城のヒーリングセンターを周辺の相場より高値で購入した疑惑


ユン・ミヒャン正義記憶連帯理事長が1月29日午後、麻浦区の正義記憶連帯の事務所で聯合ニュースのインタビューを受けている//ハンギョレ新聞社

 

 検察は、慰安婦被害者のヒーリングセンターである「平和と癒やしが出会う家」を相場より高値で購入したという議論に包まれている共に民主党のユン・ミヒャン国会議員当選者に対する告発の案件を、ソウル中央地検に割り当てた。
 

 検察は、ユン・ミヒャン当選者の業務上背任告発の案件をソウル中央地検刑事9部(部長アン・ドンワン)に割り当てたと19日、明らかにした。検察は該当の告発の案件を、寄付金関連疑惑を捜査中であるソウル西部地検刑事4部(部長チェ・ジソク)に送り、共同で捜査させる案を検討中だ。
 

 前日、市民団体「法治主義を正しく立て直す行動連帯(行動連帯)」は、ユン・ミヒャン氏を業務上背任の疑いで告発している。行動連帯は「韓国挺身隊問題対策協議会(挺対協、正義連の前身」)は、京畿道安城(アンソン)のヒーリングセンターを相場より2~3倍高い値段で購入し、最近半額で売り、損失を被った」とし「これは当時の挺対協代表のユン・ミヒャン氏が寄付金を共益のために使わなければならない任務を怠り、正義連に損害を与えた」と主張した。
 

 正義連は2012年、現代重工業が指定寄付した10億ウォン(約8700万円)で「平和と癒やしが出会う家」を知人から7億5000万ウォン(約6500万円)で購入した事実が最近明らかになり、議論に包まれた。一部ではユン当選者が購入した安城のヒーリングセンターの価格が周辺の住宅価格の相場の2~3倍にのぼるとして、ユン当選者がヒーリングセンターを購入する過程で知人に便宜を図ったのではないかとの疑惑を提起している。このヒーリングセンターは先月23日、4億2000万ウォン(約3400万円)で売却された。
 

イム・ジェウ記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr )
 

https://www.hani.co.kr/arti/society/society_general/945519.html
韓国語原文入力:2020-05-19 11:46
訳M.S

 

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08 

ナヌムの家、後援金を法人口座に“奇怪な募金”構造…人権侵害の疑惑も
登録:2020-05-20 09:59 修正:2020-05-21 06:30

[職員らはなぜ内部告発をしたのか] 
昨年の後援金2億3千万円のうち、転入金は560万円のみ 
「認知症予防のためのカラーリングブック1冊も買えず 
切れた眉の上の治療のため病院へ送る要求も黙殺」しながら、 
代表理事の僧侶の本の購入費用として8万7千円支出 
 
理事「法人口座の募金は行政的に未熟 
運営費は事業計画が予算に上がってこず 
法理に合わなければ運営陣を懲戒する」



「ナヌムの家」のキム・デウォル歴史館学芸室長(左から)とウォン・ジョンソン看護チーム長、矢嶋宰国際室長が今月15日午後、ナヌムの家教育館で社会福祉法人「大韓仏教曹渓宗ナヌムの家」後援金流用疑惑などについて説明している=広州/イ・ジョンア記者//ハンギョレ新聞社

 

 日本軍「慰安婦」被害者のハルモニ(おばあさん)たちの死後に莫大な後援金で「ホテル式療養院」を建てるという法人理事らの計画(ハンギョレ5月19日付6面)が知られた「ナヌムの家」の職員らは、昨年3月からアン・シングォン所長とキム・ジョンスク前事務局長などの施設運営陣、法人理事らを相手に「ナヌムの家の運営正常化」を要求している。「慰安婦」被害者の女性たち6人が生活している京畿道広州市(クァンジュシ)のナヌムの家と歴史館などは、社会福祉法人「大韓仏教曹渓宗ナヌムの家」が運営を総括している。法人の定款によって、理事の3分の2は曹渓宗の僧侶で埋められている。


 彼らは19日、「最近の正義記憶連帯の議論のように、この問題がそのまま『慰安婦』被害者運動の問題に直結され、運動自体を攻撃する手段になりかねないということが怖かった」としながらも、「しかし、私たちが口を閉ざしていればハルモニたちが引き続き被害を受けなければならないため、勇気を出した」と話した。彼らは、キム前事務局長を現金後援金横領、女性家族部支援事業の過程で発生した背任などの疑いで今年3月に水原地方検察庁に告発した。キム前事務局長の事務室からは封筒に入った現金の束が発見された。職員らはアン所長と理事の告発も検討している。



今月15日午後、日本軍「慰安婦」被害者たちの写真が京畿道広州市退村面の「ナヌムの家」内の第2歴史館に展示されている=広州/イ・ジョンア記者//ハンギョレ新聞社  

 

■施設後援金を法人口座に?
 

 彼らから入手したナヌムの家の内部運営資料などを総合すると、これまで後援金は施設運営のための口座ではなく、法人口座(大韓仏教曹渓宗ナヌムの家)として集められるという奇異な構造だった。これは「社会福祉法人及び社会福祉施設財務会計規則」違反だ。先月、京畿道広州市庁はナヌムの家に対する指導点検で「法人と施設は必ず後援金専用口座を区分して使用・案内しなければならない」とし、「施設固有の後援金口座を設けて入所者の福利増進に使うように」と注意措置を下している。また、後援者に後援金収入・使用内訳などを通知しないなど、社会福祉事業法違反で過料300万ウォンを科した。しかし、この日もナヌムの家のホームページは「ハルモニたちの生活、福祉、証言活動のための後援」を依然として法人口座に案内している。ナヌムの家の後援金は昨年だけで26億ウォン(約2億3千万円)が入るなど、昨年12月基準で64億3千万ウォン(約5億6千万円)が法人口座に入っている。


 昨年、ハルモニたちの生活施設の運営には4億2600万ウォン(約3700万円)が使われた。このうち3億743万ウォン(約2700万円)は国庫補助金で充て、後援金を募金する法人口座から施設に入ってきた金は決算基準で6400万ウォン(約560万円)だ。
 

■後援金で大僧正の本を購入し、後援米は曹渓宗の僧伽大学へ
 

 法人口座に貯まった後援金がホテル式療養所を建てるのに使われることを懸念している職員らは、運営陣が「後援金を節約して使え」という法人理事らの機嫌をうかがって人権侵害まで起こったと主張している。
 

 職員らは「ハルモニたちは病院費、看病費などをハルモニの個人通帳で解決しなければならず、転入金の形で入ってきた後援金は一銭も使われたことがない」と話した。ナヌムの家のキム・デウォル歴史館学芸室長は「昨年春、寝たきりのハルモニ3人が汗をたくさんかくので、個人のお金がないハルモニのために後援金で着替えの服を買おうと運営陣に提案したが断られた。認知症予防用の1700ウォンのカラーリングブック1冊すらも、後援金では買えなかった」と主張した。
 

 昨年6月には、あるハルモニが寝ていたところベッドから落ち、右眉の上を切る事故もあった。彼は「当時、ハルモニの顔から血が流れていたため病院に連れて行かなければならないと言ったが、運営陣が黙殺した」とし、「ベッドも15年も使い、マットレスが傾いているので変えようと言ったが、その都度断られ、5回も要求して交換することができた」と主張した。同年、歯がなくて施設で提供する一般食を食べられないハルモニに職員らが個人のお金でチョングッチャン(大豆を発酵させた味噌の一種,または、それで作ったチゲ)などをご馳走すると、キム前事務局長が制止したという主張も出た。
 

 「ナヌムの家」でこのような問題提起は今回が初めてではない。2011年にナヌムの家の歴史館研究員を務めた日本人の村山一平さんは、当時「ハルモニのための看護体制が不十分で、認知症防止や心理治療などハルモニたちが参加できる生活プログラムがない。後援者の声が伝わる運営をしなければならない」と問題を提起した。
 

 このように節約された法人口座の後援金は、しばしばとんでもないところに使われたりもした。2016年の内部支出決議書や通帳の内訳などを見ると、「大僧正(法人代表理事・月珠僧侶)の本購入」の名目で100万ウォン(約8万7千円)が引き出された内訳が確認される。該当する支出決議書には、アン・シングォン所長の職印が押されている。ナヌムの家宛に国民が後援で送る米を曹渓宗宗立中央僧伽大学と同門会などに送ったという疑惑も提起された。職員たちの問題提起でこうした疑惑が公論化されると、同窓会側は18日、コメ代700万ウォン(約61万円)を法人口座に振り込んだという。
 

■運営陣「理事会が決定」、理事「運営陣を懲戒」
 

 職員らの問題提起に対し、運営陣と法人理事会は積極的に釈明した。アン所長は「職員2、3人では後援金の管理が難しいため、法人が後援金を受けて転出金の形で施設に渡すと理事会で決めた」と説明した。後援米問題に関しては「賞味期限があまり残っていないため、古米を捨てるのがもったいないので早く消費できる僧伽大学に送った。これをナヌムの家の職員が問題視し、僧伽大学の同窓会に送った」と付け加えた。
 

 ナヌムの家の理事であるファピョン僧侶は、法人と施設口座の分離がちゃんとなされていなかった点について「担当人員が少なく行政的に未熟な部分があった」と釈明した。後援金に比べ施設転出金の割合が少ないことについては「(施設運営陣が)予算が必要だと事業計画を立てれば承認するが、(そのような計画案が)理事会には上がってこなかった」と説明した。常任理事であるソンウ僧侶は「法理に合わない部分があれば是正し、アン所長やキム前事務局長などを懲戒する」と述べた。
 

イ・ユジン、パク・ダヘ記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
 

https://www.hani.co.kr/arti/society/society_general/945639.html
韓国語原文入力:2020-05-2002:11
訳C.M

 

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09 

[社説]「加害者」日本がなぜ恥知らずにも介入するのか
登録:2020-05-21 02:20 修正:2020-05-21 07:10


正義記憶連帯のイ・ナヨン理事長が20日午後、ソウル鍾路区の旧日本大使館前で開かれた第1440回日本軍性奴隷制問題解決のための定期水曜集会で発言している=ペク・ソア記者//ハンギョレ新聞社

 

 日本のある新聞が20日、正義記憶連帯(正義連)と共に市民党のユン・ミヒャン当選者をめぐる問題を取り上げ、「平和の少女像」撤去と水曜デモの中止を要求した。「慰安婦」問題の加害者である日本でこのような主張が出てくるとは、開いた口が塞がらない。
 

 極右性向の産経新聞はこの日、社説に当たる「主張」欄に「反日集会やめ(少女)像の撤去を」という一文を載せた。同紙は「反日憎悪の象徴である『慰安婦像(少女像)』を早急に撤去してほしい」と主張した。また、日本軍慰安婦問題の解決を要求する「水曜集会」を「反日集会」と描写して「反日集会をやめるべきだとの主張はその通りだ」とした。韓日関係では泥棒がムチを持つことがたまに起こったが、盗人猛々しいにもほどがある。慰安婦問題は「反日憎悪」ではなく、「戦争犯罪」だ。
 

 産経新聞は「慰安婦団体疑惑、文氏(文在寅大統領)に問いたい」と題した外部からの寄稿コラムも掲載した。コラムは「正義という美名の下に『反日』を掲げ、政府から補助金を受け取って寄付金を集め、これをもって生計を立て政界進出を図った団体と個人がいるという実態を知らないと言えるだろうか。こうした団体を支持基盤とした文氏はこれに対する立場を表明すべきではないか」と主張した。絶えず慰安婦被害者を侮辱してきたこの新聞が「正義連問題」に介入するのは僭越である。
 

 産経新聞の報道をきっかけに、慰安婦問題に対する日本の極右勢力の声が大きくなることが憂慮されている。正義連疑惑については、すでに外部による会計監査、行政安全部などの政府レベルでの調査、検察による捜査などが進められている。これらを通じて過ちがあれば正されるだろう。新型コロナウイルス感染症(COVID-19)対応の過程で立証された開放性、民主性、透明性など、韓国社会の力量は日本のそれを上回る。日本は筋違いな口を挟む立場にはない。日本の極右勢力は、慰安婦の人権運動の30年にわたる活動を毀損せんとする挑発を止めなければならない。
 

(お問い合わせ japan@hani.co.kr )
 

https://www.hani.co.kr/arti/opinion/editorial/945766.html
韓国語原文入力:2020-05-20 18:00
訳D.K

 

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[コラム]2009年チェ・ヨル、2020年ユン・ミヒャン
登録:2020-05-21 02:21 修正:2020-05-21 23:13


共に市民党のユン・ミヒャン当選者の「後援金会計問題」が浮上する中、雨が降った今月15日、ソウル市鍾路区の旧日本大使館前に設置された平和の少女像にレインコートが着せられている//ハンギョレ新聞社

 

 11年前の2009年4月、チェ・ヨル環境財団代表にインタビューしたことがある。環境運動連合の後援金を横領した疑いで検察がチェ代表を在宅起訴した直後だった。横領した金を娘の留学費用に充てたという報道まで出た。彼に検察の発表が事実かどうか尋ねた。答えはこうだった。「初期に環境運動連合の建物を建てる際、資金が足りず自分の金を環境連に貸したが、後に寄付金から返してもらった。市民団体は常に金が足りないから、そうするのが慣行だった」。そして、こう付け加えた。「1990年代に市民運動を始めた時は運動をすることが重要で、金の問題は疎かにしていた。それは私たちの過ちだ。これからは正していくべきだ。ただ、今の(会計)基準で劣悪な時代の市民運動を評価しないでほしい」


 韓国で環境運動が今のように根付いたのは、チェ・ヨル代表の献身的な努力のおかげであることを否定する人はいない。彼は環境問題に立ち向かうため「いつも地方を歩き回っていたので、金の問題には気を使う暇がなかった」と吐露した。そんな彼に裁判所は横領容疑で「無罪」を言い渡した。「個人的に得た利得がなく、市民団体のどんぶり勘定的会計処理に根があるものとみられる」というのが判決理由だった。ただ、金を受け取って建設会社代表の苦情解決を取り持った疑い(斡旋収賄)は有罪と認めた。斡旋収賄容疑は一審で無罪だったが、二審で有罪にひっくり返ったものだった。後に民主党のパク・チウォン議員(当時)は、最高裁の国政監査で、「追加の証拠が全くないのに、一審無罪が二審で有罪となったのは理にかなっているのか」と批判した。「市民運動の大御所が後援金を横領した」という検察の報道を使った世論操作に比べれば、「大山鳴動して鼠一匹」だった。


 正義記憶連帯のユン・ミヒャン前理事長をめぐる問題を見るにつけ、あの時に見た当惑した表情のチェ・ヨル代表が思い出される。劣悪な市民運動環境と活動家の献身、その過程で見過ごされてしまう会計規定、市民運動を十把一からげに罵倒する保守メディアの政治攻勢、「それでも大義を傷つけるな」という抗弁まで…。韓国の市民運動が直面している厳しい現実がそのまま繰り返されている。


 残念なのは、10年以上前にお粗末な会計処理で過酷な苦難を強いられたチェ・ヨル代表の大切な教訓が、今もほぼ共有されていないということだ。当時ハンギョレに掲載されたチェ・ヨル代表のインタビューの見出しは「市民団体、運動ばかり掲げ、資金問題を疎かに」だった。チェ代表が嘆いたこの部分が、2020年にも解消されずに繰り返されているのは胸が痛む。


 このような状況は私たち全員に責任がある。チェ・ヨル代表は「ほとんどの市民団体には有能な会計専門家を採用する余力がない」と述べた。市民団体育成のための公的支援に消極的な政府の責任があり、市民団体の活動は「奉仕」であって「生活の手段」ではないと考える社会の責任もある。特に、チェ・ヨル代表が鳴らした警鐘を重く受け止めることができていなかった市民団体は責任を免れない。正義記憶連帯の11日の記者会見を見ながら、この10年間で韓国社会は驚くべき変化を遂げたにもかかわらず、なぜ市民団体は献身性にふさわしい透明性を備えることができていないのか、問いたくなる理由がここにある。


 時代は変わり、誰かがその変化にふさわしい責任を示さなければならない。ユン・ミヒャン前理事長の問題がここまで増幅されたのには、ユン前理事長が政権与党の比例代表国会議員に当選したということが背景にあるのは否定できない。イ・ヨンスさんが記者会見を望んだきっかけも、ユン前理事長の国会進出と推測される。これについてユン前理事長は「国会議員としての活動で評価を受ける」と述べた。今回の問題を政府与党だけでなく、革新陣営全体の偽善と不道徳性の問題にすり替える度を越した政治攻勢を考えれば、「持ちこたえることこそ勝利」と考えることもできる。


 2013年、獄中にいたチェ・ヨル代表は、世界的な環境保護団体シエラクラブから「シコ・メンデス賞」を受賞した。政治権力の不当な弾圧に立ち向かい、市民運動を守った功労に対するものだった。いま重要なのは、大きく傷つけられた慰安婦人権運動を再び活気づけ、前に進むことだ。共に市民党がユン前理事長を比例代表に選んだのは、30年にわたる個人の熱情と努力も大きいが、正義記憶連帯に代表される慰安婦人権運動の輝かしい業績を評価したからだろう。その大義に照らしてみれば、「比例代表国会議員」とはいかなる負担を受け入れてでも守るべき地位なのか、という考えを消すことはできない。何が本当に責任ある姿勢なのか、考える時ではないだろうか。
 

パク・チャンス先任論説委員 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
 

https://www.hani.co.kr/arti/opinion/column/945710.html
韓国語原文入力:2020-05-2014:00
訳D.K

 

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[社説]ナヌムの家、骨身を削る自浄の意志で設立の精神を回復せよ
登録:2020-05-21 03:56 修正:2020-05-21 08:49


京畿広州市退村面元堂里のナヌムの家の全景。中央に見える建物が2階建に増築された日本軍「慰安婦」被害者の生活館だ=広州/イ・ジョンア記者//ハンギョレ新聞社

 

 日本軍「慰安婦」被害者のハルモニ(おばあさん)たちが生活する京畿道広州(クァンジュ)の「ナヌムの家」の不透明な後援金管理とハルモニたちに対する不当な処遇が水面上に現れた。後援金は去年までに64億ウォン(約5億5000万円)以上集まったが、ハルモニたちは治療さえ十分に受けることができず、理事会はその金で「ホテル式療養院」設立計画を推進したという。怒りを越して絶望すら感じる。
 

 ハンギョレの報道で明らかになった理事会の録音記録によると、社会福祉法人「大韓仏教曹渓宗ナヌムの家」理事会は2018年から後援金で一般療養院の設立を論議した。この計画を裏付けるように、今年2月にナヌムの家は法人事業の種類を「無料養老施設・無料専門療養施設」から、代金を受け取ることが可能な「高齢者養老施設・高齢者療養施設」に変更する内容を含めた定款の改正案を広州市に提出した。また、土地購入と生活館増築などをしながら後援者の同意なしに後援金を流用し、職員に一般人の高齢者女性たちの入所者募集まで指示したという。
 

 ナヌムの家の後援金は2015年「12・28韓日慰安婦合意」以後、毎年20億ウォン(約1億8000万円)近く集まった。それでもハルモニたちは着替えの服一着さえ適時に気楽に買うことができず、けがをした際に治療も十分に受けられなかったと職員たちが証言した。それだけでなく、生活館の増築工事の過程でハルモニの遺品や物品が毀損されることまで発生した。一つひとつが歴史的遺産になるハルモニの物品が放置されて毀損されるとは、ナヌムの家の存在意味とは何なのかを尋ねざるを得ない。
 

 大韓仏教曹渓宗はこのような疑惑について「ナヌムの家は大韓仏教曹渓宗が直接管理監督する機関ではない」とし、「宗団が直接関与した事実はない」と釈明した。管理監督権がなかったとしても、法人定款により全理事の3分の2が曹渓宗の僧侶で埋められているにも関わらず法的責任がないという事実ばかり強調する態度には失望させられる。1992年にナヌムの家が誕生したとき寄与した僧侶たちの献身まで否定するかたちだ。20年以上ナヌムの家の運営に関与してきたウォンヘン僧侶が現在の総務院長(曹渓宗の実務行政の代表)を担っているという点を考慮すれば、曹渓宗は責任ある姿を示さなければならない。何より、施設の運営陣と理事らは提起された疑惑について徹底的に責任を糾明し、改善策を講じなければならない。また、後援金を施設運営のための口座ではない法人口座で扱う奇怪な構造に対して十分な管理監督ができなかった自治体も、問題解決に積極的に取り組まなければならない。
 

 ナムヌの家は正義記憶連帯とともに「慰安婦人権運動」を象徴する所だ。多くの人々がハルモニの苦しい過去を少しでも補償して大変な老後の面倒を見ようと、喜んで後援金を出した。明らかになる疑惑は後援者と市民の心に大きな失望を抱かせた。骨身を削る自浄の意志でナヌムの家の設立精神を再生させなければならない。それが亡くなったハルモニたちと残った6人の方々のための最小限の礼儀であり、傷ついた慰安婦人権運動が信頼を回復して再び立ち上がることができる道だ。
 

(お問い合わせ japan@hani.co.kr )
 

https://www.hani.co.kr/arti/opinion/editorial/945785.html
韓国語原文入力:2020-05-21 02:07
訳M.S

 

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イ・ヨンスさん「ユン・ミヒャンが訪ねてきて謝ったが、許してはいない」
登録:2020-05-21 04:40 修正:2020-05-21 08:30

批判会見後、初の対面…わだかまりは解けず 
 
ユン・ミヒャン氏、19日夜、大邱を訪れ 
「申し訳ない」謝罪…5分ほど対話 
 
イ・ヨンスさん、「ハンギョレ」のインタビューに 
「何の許しを請うているのか見当がつかず 
げっそりしていたので、手を握って座るよう勧め 
25日に会見するから来なさいと言った」



日本軍「慰安婦」被害者問題解決の先頭に立ってきた人権活動家イ・ヨンスさん=ハンギョレ資料写真//ハンギョレ新聞社

 

 日本軍「慰安婦」被害者問題の解決の先頭に立ってきた人権活動家のイ・ヨンスさん(92)が正義記憶連帯(正義連)の後援金の使い道などについて問題を提起した後、初めて共に市民党のユン・ミヒャン比例代表当選者(前正義連理事長)に会った。ただし、10分足らずの短い対面をする間、二人はわだかまりを解くことはできなかった。イさんはハンギョレに「許してはない」と明らかにした。
 

 イ・ヨンスさんは20日、大邱(テグ)のあるカフェでハンギョレと会い「(ユン当選者が)来てひざまずいて許しを請うたが、一体何の許しを請うたのか私は見当がつかなかった。それでも30年を共にした人だから、顔がげっそりしていてかわいそうに思い、手を取って椅子に座りなさいと言った」として「記者たちは許したというふうに見たが、そうではない」と語った。そしてイさんは「『他のことは法ですべて審判すること』(だと言って)…。『私が近いうちに記者会見をするつもりだから、その時に来なさい』と、その話だけをした」と付け加えた。ユン当選者が正義連の理事長に就いていた際、個人口座で後援金を集めた事実などについて正義連の会計処理に関する疑惑が広がる中、この部分を捜査を通じて明らかにしなければならないと指摘したのだ。これ先立ち7日に水曜集会などを批判する記者会見をした後、イさんは精神的な負担に苦しめられ、住居を移して過ごした。イさんはこの日、「私は死ぬことができずに生きている」と心境を伝えた。
 

 イさんに近い人たちの説明を総合すると、ユン当選者は19日夜8時50分にイ・ヨンスさんが泊っている大邱のあるホテルを訪ね、5分ほどイさんに会った。その場でユン当選者はイさんにひざまずき、「申し訳ありません」と許しを請うたという。イさんは「(ユン当選者が)来て一度抱きしめてくれと言うから、抱きしめた。そうしたら年寄りの心情から、一度抱きしめると涙があふれてきた。それだけだ」と言った。当時の状況をよく知る関係者は「ハルモニ(おばあさん)がユン当選者に『あなたに何を謝ることがあり、私に何を許すことがあるのか。いずれにせよここまで来てしまった』と言った」と伝えた。
 

 この出会いは、ユン当選者がイさん側に連絡せず宿を訪ね、突如なされた。ユン当選者は正義連の活動などの議論が噴き出した後、イさんと何回も会うことを試みたが、実現しなかった。イさんをよく知る別の関係者は「イさんも考えを整理する時間が必要だったようだ。長く心に秘めて生きていた話をされたので、容易にわだかまりを解けるようなことではない」と語った。これ先立ち、イさんは記者会見で「水曜集会はなくさなければならない。参加した人たちが出した寄付がどこに使われたのか分からない」と主張した。イさんは25日に再度記者会見を開き、ユン当選者と正義連に関する議論に対する立場を明らかにする予定だ。
 

大邱/カン・ジェグ記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr )
 

https://www.hani.co.kr/arti/society/society_general/945763.html
韓国語原文入力:2020-05-20 21:59
訳M.S

 

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