仮面ノート -6ページ目

書評「泥のカネ」

 小沢一郎問題で一躍名前が知れ渡った水谷功氏に肉薄し、

小沢問題はもちろん日本社会の「政業癒着」に切り込んだ力作である。

公共事業をめぐり業から政へ渡るカネの存在に、我々は今さら

驚かなくなってしまっているが、本著は水谷氏本人はもちろん

関係者に広く深く取材を試みており、この問題を知る上で好著になっている。


 「黒いカネ」をめぐっては、かつては東京地検特捜部という浄化装置が

社会にあり、(良い悪いは別にして)それが一定の機能を果たしていたと思うが、
今その特捜部の不実が明らかになり、

この社会は自浄機能を失ってしまっている。
そういう中にあって本著のような愚直に取材を進め、

不正を明らかにしようとする作品は貴重である。


 それにしても水谷氏がここまで取材に応じているとは思わなかった。

著者の努力によるところが大きいと思うが、我々が日常接している

新聞・テレビといったメディアの取材能力が落ちていることの

証左でもあろう。
 作品として手に汗握る部分はなくもう一歩踏み込んで欲しかったため

★は一つ減らしたが、日本の政業癒着を考えるうえで欠かせない一冊である。

書評「生き残る判断生き残れない行動」

 9・11やハリケーン「カトリーナ」といった日本人もよく知っている

テロ、災害、事故のとき、生死の境目はどこにあるのか? 生と死という

究極的な分かれ目がどこにあるのかを生存者や遺族への取材を通して

浮き彫りしようとする力作。 「そのとき」人の判断、行動をもたらしたものは

何か追い、それを教訓にしようとする。


 確かに事故、事件、災害と人が直面する危機は違うが、

そこから生き残る人にはそれなりに共通点があるのだろう。

多方面の関係者によく取材し、判断・行動を丹念に記録している。

そこから我々が学ぶものも多い。
一読の価値はある。


菅首相は即刻退陣せよ

 菅政権が断末魔の見苦しさを見せ始めている。ここ数日のうちで前原外相が在日から政治資金を受けていたことが明らかになった。前原は辞任の方向で調整している模様だが、菅をはじめ一部マスコミは慰留を求めたり、丁寧な説明をすればこの事態をやり過ごせるような主張をしている。


 いうまでもなく、菅はカネの問題で小沢一郎を攻撃し、政権の安定化を図ろうとした人間である。それが自らの内閣の重要閣僚になると、説明すれだけで済まそうとするのである。開いた口がふさがらない、笑止千万とはこのことをいうのであろう。


 小ブログでは一貫して菅政権の不適格性、無能力性を主張してきた。

それは最近、とある新聞がやっと報じたように、夜な夜な高級ホテルで飲食したり、外国から帰国すると皇居への記帳よりも創価学会系の美術館へ出かけたりと、

およそこの国を統治する能力を信頼性がまったくないからである。


 これもかつて記したが、菅政権になって、ロシア大統領による北方領土訪問や尖閣諸島問題など、この国は国土すら脅かされる状態になっているのである。理由は簡単である。周辺諸国が菅政権の足元を見透かし、統治能力のなさを試し、舐めきっているからである。


 もはや、菅政権にこの国を委ねておいてはいけない。菅政権が続くこと自体、それだけで国益を損ねているのである。一刻も早い総辞職を求めたい。

書評「何かのために senngoku38の告白」2011年2月26日

 senngoku38さんがこの立場でこういった本を出版した勇気にまず最初に敬意を表したい。
それにしてもいかにこの国の政府(=菅政権)が場当たり的な外交をし、というか、
外交問題を何一つ考えておらず、そのツケが現場を守る人々(本書なら海上保安官)に回されているかがよくわかる。

 本書を読むと著書が名乗り出てから行われた関係当局の取調べも腰がふらついたまま進んだ様子が描かれている。

 しかし、任意の取調べだったが事実上の接見禁止のような扱いを受けていたわけで、この間にやろうと思えば、権力側が好きに人権を無視し、権力側が描くストーリーの構築できたと思えば、他人事とはいえ空恐ろしくなる。

 幸運だったのは、政府が無能で事件全体の扱いをハンドリングできる能力に根本的に欠けてたいた点である。もし、「有能」な政治や官僚がいれば、我々は今とはまったく違うストーリーを教え込まれたいた怖れもある。
まあ、菅政権の無能の効用か。

 本書は事件について詳細な報告もあるが、それよりも第一線の現場で国を守る男のメッセージがけっこう紙幅を占める。願わくば取り調べの様子、海保内の内部の様子、人間模様などを書き込んでくれたら、より内容の濃い事件の報告書になっていただろう。

 しかし、菅政権の国家に対する無能さはすでに犯罪行為といってよいだろう。考えようによれば、海上保安官だって逮捕権を持ち、軽装ながら武装した集団なのである。そういった人々に国防の責任を押し付け、政治は何一つ考えず、責任をとらず、 場当たり的な対応すら十分にとれない、それが今の菅政権の実態である。


 もはや菅政権の存続は国家的な危機を招来しているといってよいだろう。

書評「暗殺までの15328日」木村勝美

 発売されたから随分と時間が経ってから読んだ。 

ずっと気になる本であった。


 山口っ組の宅見若頭が極道として行き、暗殺されるまでの生涯を追った本である。 残なのは宅見が山口組のなかで頭角を現せ機会を次々とえていくのだが、
その過程や経緯がどれも中途半端な記述になっていることである。


 三代目から5代目の山口組長の選出過程は表面的に良く分かるのだが、もう一歩踏み込んだ取材、裁判資料等の裏づけを取れば、

相当な重厚な作品に仕上がったと思う。

 

 また宅見若頭は経済ヤクザの尖兵のような位置付けになつているようだが、

この部分こそ21世紀のマルボー問題に直結してくる問題である。
 

 その部分こそ降り下げえ書いて欲しかった。そこが白日ももとにに晒されれば、今の 暴力団=山口組に相当肉薄できる作品にのるのではない。

 

 次作はここまで述べ山口組経営における権力闘争、もひとつは近代ヤクザになろう した宅見頭のヤクザマネーを追うこの2本のうちのどちらか

、もしくは一方で重厚なノンフィクションを期待したい。この分野にかけては相当は情報の蓄積をしているようなので、お願いしたい。

ついに国土まで侵食される日本 これは注意したほうがよい

 久々の投稿である。しばらく休んでいたが忙しさにかまけて、 

投稿が遅れていた。


 休んでいた間も日本の停滞は進み、菅首相の体たらくとそれに反比例している美食の日々が依然続いているようである。



 本日、ロシア大統領が北方領土の軍備近代化を進めるとロシアの通信社が伝えた。北方領土へのロシア大統領の訪問を「許し方暴挙」と述べたことにたいする反抗である。

 今回の件に関しての菅発言は極めてただしい。たしかに日本の国有の領土なのである。だが普通、一国の最高権力者がここまで発言する場合は、首相の真意を受けた外務当局や首相側近がその意を受けて、水面下で交渉を進めるものであろう。そこがこの政権はまったくできていないである。

 そして「暴挙」とまで相手国を攻撃をするなら、一層のこと菅総理が北方領土を上陸することである。もちろんこの口先内閣、実質よりもスタイルや形式を整えることに熱中する政権にそこまでの胆力はないのである。

書評「敗北の理由」谷光太郎 2010年12月30日(もく)

 太平洋戦争は日本の情報力不足が大きな敗因となった、とはよく言われるが、
本書もその問題意識を基底に展開される。


 情報の軽視、情報将校と作戦参謀との待遇の差、国のトップの情報への認識度、 どれをみても日本が敗れた理由になり、そのあたりのことを平易に記している。

 すでにこの分野に興味をもちそれなりに書籍を読んできた人にとっては、
各論が表面的に読めてしまうかもしれない。逆に、この分野をこれから学ぼう、
興味を持ち始めた、という人にとっては極めて優れた入門書になるだろう。
読みやすい、全般的によくまとまっている。

「日米秘密情報機関」平城弘通

 30年前、いや20年前なら間違いなく超弩級の驚きをもって読まれた本であろう。
ただ、ムサシ機関なるものがそれなりに知られた存在になった現在、読んでいて手に汗握る面白さはない。

 

本自体におどろおどろしい題名がついているが、ムサシ機関長の告白というよりは、ムサシ機関長を経験した軍人として半生記をつづった本という位置付けの方が正確である。


 これまで知られていなかった暗闇に光を当てるというより、

これまで光が当たっていた場所にさらに光が当たったという印象である。


 ただこういう経歴の方が、この類の本を書くというその姿勢には無条件に敬意をもちたい。
 文章に変な気負いや軍人にありがちな観念的なところもなく、読んでいて素直に読める。
 ここまでの経歴を有する方だから当然だが、なかなか大した人物だと尊敬はしたい。

首相動静 2010年11月23日(火)

 本日午後、北朝鮮が韓国の小さな島に武力攻撃する。


メディアは「砲撃」という言葉を使っているが、これまでの軍隊同士の

小競り合いではなく、一般市民を狙った明らかな直接意思をもった

攻撃といってよかろう。


 発生は午後2時半ごろとされるが、総理が官邸に入ったのは

午後4時44分、官房長官と内閣危機管理監らと会ったのが

同50分前後からである。


 あと一時間早く対応して欲しいところだが、その間も情報収集していたのだろう。


 ただ、事態を受けメディア向けに語った最初の言葉が

「情報収集」と「不測の事態への対応」というのはどうだろう。

これは官房長官が言うべき言葉で、総理大臣たるものは

暴挙に出た北朝鮮に対して断固たる抗議、国際社会との

共同歩調をまず語るべきなのである。


 だが、そうした判断がこの総理にはない。

だから、尖閣諸島、北方領土で国土を脅かさられるのである。


 日本に飛び火しないことを祈るが、ただでさえ外交能力がない内閣の時に最悪に近い形で外交問題が起こった。歴史というものは皮肉なものであるが、不幸な歴史というのはこうして悪い要因が重なり合っておこるものなのであろう。

首相動静 2010年11月18日(木)

とにかくどうしようもない内閣の惨状。この内閣は権力の怖さや

力というものを全く理解していない。


柳田法相の「国会軽視」発言に続き、今日は仙石が

「自衛隊は暴力装置」と発言し、陳謝、撤回する。



この内閣の緊張感のなさは一体なんなんだ。

しかも、おそらく発言した本人たちは当然のことを言ったとの認識しか

もっていないことは明らかだ。

特に仙石は左翼として何が悪いんだとしか思っていないだろう。


この人たちは真摯に正面向かって権力や政治というものを考えていない。

自分たちの欲求を満たすもの、遊び道具ぐらいにしか思っていないので

あるのは明らかだ。


本日、夕方、内閣情報官が入る。間違いなく情報コミュニティーは

この官邸にきわどく本質的な情報を上げていないだろう。

上げるのは極めて危険である。


夜になって公邸にたちあがれ日本の与謝野が入る。いやらしい連中である。