3月3日、都立高校の合格発表がありまして、さっそく通勤途中にある塾に合格高校名が掲示されたり、新聞広告にいろいろな塾のチラシが入ったりしてました。
3月7日からは、国公立大学前期の合格発表もはじまり、合格されたみなさんは、遠慮なくクレイジー・ダンサー※1 になってくださいね。
そして、出版業界でも週刊誌(朝日、毎日等)の合格者速報がさっそく出始めました。中でも、週刊ダイヤモンドの2016/3/5号の「塾・予備校」特集(以下、塾特集)が、これから塾・予備校を探す方にとって参考になる内容でしたので、今回ご紹介しつつ、この特集には「あまり書いていないこと」にも触れます。
以下、括弧数字は、塾特集のPARTと対応しています。なお、(7)は、当ブログ記事「とても大事なお金の話」  と併せてお読みください。

(1)大学入試改革の全貌
2020年からの、センター試験に代わる新テストの内容について、紹介しています。ただし、事態は刻々変わっていまして、3月12日の時点での新聞記事では、「複数回テストは当面なし。まずは国語から、80字程度の短い記述式が導入される」とありました。
http://www.asahi.com/articles/ASJ3B7R98J3BUTIL045.html (注:リンク切れになる可能性あり)
新聞報道での注目は、「記述式の採点にはAI(人工知能)の利用も検討」という点です。塾特集の33ページに、今回のテスト改革の背景として「AIの発達で、これからの子どもたちは単純労働につけなくなる⇒決められたことを効率よく覚えてこなす人材よりも、主体的に考え、周囲と協力して行動する人材がもとめられる」とありまして、早くも採点もAIですか? という状況になりつつあるということです。
当ブログで、1月3日記事「瀧とコグニティブで2016年がはじまる」と書いたのが、あっという間に、AIがトップ囲碁棋士に勝つ事態になりました。※3月12日時点で3連勝中。参考 ↓
   http://gigazine.net/news/20160311-demis-hassabis-talk-ai/
当ブログで、中高生のみなさんと親御さんに対して、「戦略」の必要性を繰り返すのは、今後は「受験生同士の競争」ではなく、大人になってから「AIとの競争」が待ち構えている!! ということです。
この動きを先取りして、「レゴ入試」をはじめた中学も出てきたようです
http://believe-the-dream.com/archives/1208
(塾特集36ページ)。当然、各地方の公立中高入試も、どんどん変わっていくでしょうね。
(2)塾業界の相関図
大手塾・予備校の、戦国時代さながらの合従連衡※2 買収等が、ビジュアルな相関図にまとめられています。最寄りの駅近くで、この図中のどれかの塾・予備校の看板が目に入るはずです。
41ページに、大手塾と中小塾の「強みと弱み」比較のコラムが掲載されていました。ちなみに、当ブログで、今後、「高校受験激戦区での塾費用」についても、具体的に書く予定です。
(3)中学受験
先の(2)の中でも、中学受験に強い大手塾・予備校を、首都圏・東海・関西・公立中高一貫に分けて紹介しています。注目なのは、49ページのコラム「(大学)入試改革の求めるものが都立(中高一貫校)などの適性検査にある」です。簡単にいえば、「模範解答のない(正解が1つではない)」問題が出題されているということで、例が下記↓ やじろべえ問題
http://www.oshukanchuto-e.metro.tokyo.jp/cms/html/entry/9/file1667.pdf
こういう問題を解かせていれば、阪大法学部合格の北川さんが19歳の男子予備校生に殺害されたような、痛ましい事件もひょっとしておきなかったかも? と思わせる良問ですね、
このテーマを、次回記事にします。
(4)高校受験
こちらは、首都圏、北海道・東北、関西、東海、九州の5ブロック別に、「国盗り物語」さながらの、大手塾の勢力図が載っています。
68ページに、個別指導塾の注意点が載っていますので、個別指導塾も、検討リストの中に入っているという方は、必読です。
(5)大学受験
冒頭の(1)で紹介されている「大学入試改革」に、早くも対応する動きが出ていることと、「受験サプリ」の殴り込み? でこれから大学受験業界の主戦場になるとみられる「映像授業」について、詳しく書かれています。
当ブログで想定している地方進学校の受験生Vくんは、たぶん、「映像授業」型のチェーン塾か、ネット連動サービスの利用を検討することになると思いますので、今後、これらのサービスについての記事を予定しています。
(6)小学校お受験
興味のある方はどうぞ、
(7)初試算 本当に掛かる教育費
世間で俗にいわれる試算数字、小学校から大学までオール私立だと2462万円、オール公立だと1120万円、というデータに対して、ずいぶん「落とし穴」があるよーーーという視点で試算しているので、非常に参考になります。たとえば、首都圏で中学受験する場合の想定費用は6年間で、642万円!
94ページに、専門家が試算した教育費の細目がのっていますので、とくに首都圏の親御さんは、独自に試算するのに役立つと思います。
●大学受験費用と滑り止め入学金
また以前、当記事で紹介した工学部Zくんの受験費用の補足としては、東京在住で首都圏の国公立大学(センター試験、前・後期)と私立大学1校※3 で、受験料の合計は約10万円、交通費は1万円以内。
一方、塾特集の90ページに記載されたケースでは、受験料だけで23万円、東京への交通費、宿代などで15万円。
さらに、私立大学(滑り止め)の入学金が45万円。これは、大学により、違いが大きいです。ご参考に、
  慶応・理工  20万円
  東京理科大・理工  30万円
  上智・理工 27万円
上記の私立入学金は、国公立大に合格した場合、涙をのんで「捨て金」にせざるをえませんが、Zくんも、20万円以上払ったそうですし、昔の筆者も同様です。このお金と、浪人との「天秤ばかり」については、これも別記事で考えてみたいと思っています。 
●ダイヤモンド記事の落とし穴?
なお、94ページの試算は、中学から私立のケースなので、当ブログVくんシリーズの想定のように
 地方の公立中学⇒公立高校(地方により私立併願)⇒国公立大学理工系
の場合、かなり費用は削れます。また、以前の記事で、理工系大学の私立(参考値)・国公立の学費比較と、留年リスク(プラス1年)の試算をしていますので、理工系の場合、94ページの試算項目を、この観点で修正して試算してみてください。また、私立大学は、学費がまちまちですので、想定併願大学・学部でなるべく具体的に試算するとよいでしょう。
【参考WEBページ:受験にかかるお金】https://manabi.benesse.ne.jp/parent/okane/01/
 
※1 ちょうど、3月9日 「夜の本気ダンス」http://honkidance.com/
のメジャーデビューアルバムがリリースされました。「Crazy Dancer」のMVがおすすめです。
※2 筆者が「戦国時代」と聞いて思い浮かべるのは、“戦国歴女”の皆様とは違って、中国古代の「戦国時代」の方です。当ブログで前回と前々回記事にしました「孫子」は、中国の春秋末期(紀元前500年ころ)に活躍した兵法家「孫武」の著とされます。
※3 滑り止めが1校だけ? とさすがに驚きましたが、Zくんに言わせると、10人中6人が合格する試験を3回受けた場合の、どれかに合格する確率、もしくは全部に不合格になる確率を計算してみてほしい。とのこと。中3くらいからの皆さんは、自分で計算しましょうね。ただし、これは、「いわゆる合格確率』をサイコロをふるような「確率」だと、Zくんが誤解したのが、変な自信となり、「結果オーライ」となっただけです!! 現高3のみなさん向けには、「合格判定の謎」について、来年1月ころ記事にしますかね。
写真は東京・六本木。無料写真提供:写真素材足成 http://www.ashinari.com/

前回記事で紹介した兵法の古典「孫子」※1 には、さらに驚くほど合理的な思考法が紹介されていました。

善なる者は、道を脩めて法を保つ
前回記事の冒頭で紹介した文『勝兵はまず勝ちてしかる後に戦い、敗兵はまず戦いてしかる後に勝ちを求む』に続く文で、
『善なる者(戦闘に優れた者)は、道を脩(おさ)めて法(勝敗の原則)を保つ』
とあります。ここで、5つの法(勝敗の原則)とは、
1.度(ものさしで距離をはかる)
2.量(桝で、必要な物量=戦争なら必要な兵糧の量)
3.数(数値、戦争なら動員できる兵員数)
4.称(戦争の場合は、1~3により、自分と敵の戦力の比較をすること)
5.勝(1~4により、自分の勝利を策定する)
となります。

●自宅通学と「仕送り」との費用差
これを「大学受験」に当てはめると、前回は「学費」について考えましたが、ここに上記1.度の要素=距離、おおざっぱに言えば、自宅通学できるかどうか? という大事な要素が加わります。
自宅での月生活費は数万円(余分の食費と通学定期代)。一方、首都圏や旧帝大の立地する街ですと、最低でも8万円くらいの仕送り(奨学金・バイト代等については後述)が必要でしょう。
国立大の学費の月割額4.5万円に、自宅通学との差額として4万円を上乗せすると、公立高校生のときより、月8.5万円ほどご家庭の出費が増えることになります。
ただし、この試算には中高生の時の「塾代」は含まれていません。

●勝兵は鎰をもって銖を称るがごとく
上記のように、想定できる出費と、収入……これには、親御さんの月給とか、これまで掛けてきた学資保険とか、日本学生支援機構の奨学金などがあります※3 ……のバランスを、ちょうど天秤ばかりに分銅(ふんどう)を載せたり取ったりするようにして考えるのが、4.の称(しょう)です。
『孫子』では、1⇒2⇒3⇒4 と連動させて、5の勝を策定するというところが、筆者が「合理的」と感心する所以(ゆえん)です。そして、まとめの文として、
『勝兵は鎰(いつ=重い分銅)をもって銖(しゅ=軽い分銅)を称(はか)るがごとく、敗兵は銖をもって 鎰を称るがごとし』
とあります。5.の勝…大学受験で言えば合格ですね…は、1から3で算出した計量値を4で、天秤にかけるように、客観的に判断し、その結果をもとに、戦略レベルで勝ちを導くものである---というのが、孫子の考え方です。
とてもシンプルですが、「お金」だけでなく、中学から大学受験までにしなければいけない、いくつかの「決断」---たとえば、A高校かB高校か? の際にも、この考え方は応用できると思いますよ。
 
なお、めでたく工学系大学に進学を決めた方は、当ブログ記事の「工学部Zくんシリーズ」(2015年4月入学。2016年4月からは2年生)で『決して退屈することのない』工学部ライフの一端をご覧ください。

※1 当ブログでは『孫子』・講談社学術文庫 を元にしていますが、中高生向けの分かりやすさを優先して、筆者の判断で言い換えています。

 


前回ラストで書いたとおり、さっそく「孫子」の名言から。
『勝兵はまず勝ちてしかる後に戦い、敗兵はまず戦いてしかる後に勝ちを求む』
前半だけですと、「勝ったら“勝兵”にきまってるじゃん」と誤解されるかもしれませんが、後半と合わせると、「事前に的確な準備をして、戦い(受験)に臨んだ者は勝者になるし、なんの勝算もなく、ただ受験するだけなら敗者になる」と。
これも当然のことのように聞こえますが、では、現状の地方の中高生のみなさんは、前回前々回お伝えした、東京のグループ問題作成高校の面々と比べて、どれだけの「準備」をしているでしょうか?
第一に、大学院卒業までに、どれくらいの「費用」がかかるか? 試算してみたことはありますか?
以下を参考に、「お金」のことは、スポンサーである親御さんと、まず検討してみてください。
 
工学部Zくんで試算すると
東京で生まれ育った、Zくんの場合(以下、塾代などは、料金を明記しているリンク先のデータを参考にしました。あくまで、例です)。
小学校⇒義務教育。中学受験しなかったので、塾代0円(習い事はしていたようですが)
中学⇒公立(義務教育) 塾代
:1~2年生 月1万8千円、3年生 月3万5千円くらい
3年間で80万円以上かかっています。が、東京の場合、私立高校の学費が、1年間でそれくらいになるので「グループ問題作成高校をめざすのであれば、このくらいの出費は親も覚悟する」と、Zくん。
高校⇒都立(授業料0円、設備費等もなし)。※Zくんの高校時代の数値なので、現状は
  http://高校授業料無償化.net/
などで、みてください。
塾代:高二2月から1年間の「国公立理系受験クラス」。これは、オプションの「○○特訓」などを受けるかどうかで、お値段がかなり違うそうですが、Zくんの場合は、中学3年間の塾代に匹敵する、80万円くらいはかかったそうです。ここでも、親御さんが80万円を素直に? 出したのは、都立高校で授業料負担が3年間なかったことと、大学で“国公立大理工系”に入学した場合の、私立大との“学費差”を考えると、「この出費も想定内」とZくん。
大学⇒国公立大学 ↓ 下に、私立の理工系/文系とも比較できるデータが載っています。
  https://manabi.benesse.ne.jp/parent/okane/02/page2.html
授業料+施設設備費が、2年生以降もかかる「学費」の目安です。上記に基づいて国公立理系と私立理系の学費(概算)を比べると
・国公立6年(院・修士まで)  54×6=324 ※月4.5万円
・私立理工系4年(学士) (104+19)×4=492 ※月約10万円
当ブログで警告している、理工系の“留年”リスクを想定した場合
・国公立7年(院・修士まで)  54×7=378
・私立理工系5年(学士) (104+19)×5=615
となります。
東京の親御さんの場合は、将来(大学・院)の学費の試算から、「国公立理工系受験の場合」は、高3の塾代に数十万円を投下しても良いと、「戦略的に」考えていると思われます。
●「戦略」は本人と家族が決めるしかない
当ブログでは、大学受験について、(長期的)戦略/作戦/戦術 の観点から、情報をお届けしています。
「作戦レベルは、塾・学校に」と繰り返し言っていますが、どの学校や塾(通信制教育も含む)を選ぶか? は、戦略レベルで、本人と親御さんが決めるしかありません。
というのは、上記の出費=お金の問題が深くかかわってくるからです。
学校や塾は、それぞれのご家庭が、将来、学費や仕送りをいくらまで出せるか? という懐(ふところ) 事情には関知しません。ご兄弟がいて、そっちの学費もかかるとか、いや、お祖父さんからの援助も~と、ご家族関係のもろもろが絡むからでもあります。
 
次回もまた『孫子』
孫子のすごいところは、冒頭の名言に続いて、具体的に、「勝算」を計測する5つの尺度を挙げて、説明をしているところです。
次回は、その孫子の「天秤ばかり」計量法について。
 
【2016年4月追加】
ベネッセの高1・2生向け学費シミュレーション
 

冒頭の写真は、東京辰巳国際水泳場付近。左にJR京葉線、後ろに湾岸道路が見えます

前回は、現・国公立大1年(まもなく2年生ですか)のZくん=東京の都立・グループ問題作成高校出身者のケースを、ご紹介しました。
「地方の進学高校」(大半の生徒が「大学」進学希望、1~2割が国公立志望=Vくんのケース)ですと、後年、国公立大工学系をめざすくらいの生徒は、ほとんど苦労しないで、高校に合格してしまいます。
 高校入学の時点で、記述式対策を含む「受験勉強」を、3年間してきたZくんたちとでは、見えない「差」がある。その「差」を乗り越えるのが「戦略」であるーーーというのが、前回の主旨でした。
見えない「差」をイメージする手段
 その昔「受験戦争」という言葉があって、当ブログでも‘STRATEGY’の和訳として「戦略」という言葉を使ってはいますが、大学受験は、1対1の戦いではありませんし、大学受験が「ゴール」でもありません!!
 そこで思いついたのが、テレビ番組「逃走中」をヒントにした、「競走中」という‘仮想競技’※1 です。
 「逃走中」は、テーマパークなどの一定エリア内にたくさんの「プレイヤー」が隠れ、さまざまなミッションをクリアしながら、快足の「ハンター」から逃げ切った最後の1人が、賞金をもらえるという競技でした。
 「おにごっこ」・「かくれんぼ」の21世紀版と言っていいでしょう。
 「競走中」では、一定エリア内に快足「ターゲット」(多種・複数)がいて、そのターゲットをつかまえたプレイヤーは、次の「エリア」に行ける。また、ターゲットの種類によっては「体力」ポイントが加算される。
とします。東京のグループ問題作成高校生は、前回説明した理由で、けっこうターゲット加算があると思ってください。
あと、Zくんによれば、入試直前でグループ問題作成高校受験を回避した「予備軍」もけっこう多いそうで、そういう人たちの体力アップの努力も無駄にはならず、大学受験の時に、Vくんとの「差」になるわけです。
例 東京の共通問題高校:武蔵野北高校の進学実績
  http://www.musashinokita-h.metro.tokyo.jp/cms/html/entry/24/7.html
●「競走中」のエリア
実は、小学校~大学院までのコースには、全国を見渡すと、「公立中高一貫校」とか、「高専」とか、「大学院大学」とか、選択肢は他にもありますが、ほとんどの地方では↓
  公立小学校→公立中学校⇒公立高校
  ⇒国公立大学(当ブログは、このエリアのうち「理工系」を目指すみなさんを対象にしています。で、Zくんは今ここで、体力アップアイテム=単位を懸命に集めています ※2)⇒大学院
  ⇒社会人※3

「○○大学入学」を「最終目標」と考えるか、「大事な通過ポイント」と考えるか? も、その後の大学・院6年間&社会人の生活にけっこう影響しますので、中高生のみなさんは、とりあえず、「大学受験」も次の「エリア」に行く「途中」という認識で、しかし、快足ターゲットを捕まえるのが、どれほど大変か? 思い知っていただきながら、「競走中」に、いやおうなく参加してください。
 
次回は「孫子の戦略」から、「かかるお金」 について
当ブログ・アドバイザーのSさんから「孫子」(講談社学術文庫版)をご紹介いただきました。
これまで、まともに読んだことなかったんですが、「万里の長城」より古くから生き残ってきた「古典」というのは、やはり名言とネタの宝庫でした。
次回の「お金」(学費、仕送り)の話のマクラにぴったりの言葉もありましたが、やはり「孫子」は、国対国の戦いがメインですので、それをどう「大学受験」に敷衍(ふえん)するかを考えまして、仮想競技・「競走中」を考えたわけです。「競走中」では、プレイヤーの「体力」アップには、サポーターのサポートがとても重要です。次回、具体的に試算してみましょう。

 

 

※1 これは、‘gamification’ という考え方を応用していますが、ゲームというと不謹慎? という誤解を避けるために、「競技」としています。

※2 理系のみなさんいとって、大学・院は、「前向きに失敗ができる場所」でもあります。
※3 社会人になりますと、今度は自分なりの考えで、「新しい道やエリアを創るのが仕事」だと思ってくださいね。

MAN WITH A MISSION の「Memories」。「道はどこかへ続きーーーそれぞれの日々は颯(はやて)ーーーAll the answers on this road」というところです。ちなみに、この曲のPVの舞台になった「渋谷」のセンター街~公園通り界隈は、地方から受験で上京したら、必ず行くと思いますが、言うまでもなく「試験」後にしましょう。


ブログでレポート(ネタに)してきた、現・国公立大工学部1年のZくんは、高2の2月から、進学塾に通いはじめました。
のんびりしているようにも見えますが、実は、東京の公立中高生の場合、地方とは事情がかなり違います。
当ブログでは、昨年の秋から、国公立大学受験には「戦略」が必要だ という趣旨で、いろいろな記事を書いてきましたが、これも「田舎の進学校」出身の筆者と、Zくんとの違いに驚いたのが、一つのきっかけになっています。
ご本人たちはまったく意識していないと思いますが、東京の中高生は、知らず知らずのあいだに、「いくつかの決断」を経て、国公立大学受験を迎えます。地方のみなさんとの質的な意味での「差」は、インターネットが発達し、「受験サプリ」が利用できる現在でも、あまり縮まっていないと思います。
その「差」を、今回は俯瞰して、今後の当ブログの新シリーズ、「理工系Vくん」の序章にします。

●中学生Zくん、まずは「グループ作成問題高校」をめざす
東京某地域の公立小の小学生は、Zくんの小学生時点で、クラスの3割くらい、今は半分くらいが、中学受験(公立一貫校もあります)をするそうです。
⇒Zくんは、ここで第一の決断=中学受験はしない を選択しました。この時点でも、将来はばくぜんと「ロボットとか」ものづくりをする大学に行きたいと考えていたようです。
代わりに、公立中学に入ってすぐに、高校受験のための進学塾に通いはじめました。
東京の都立高校は、大きくわけて、共通テスト問題で入試を行う高校と、独自の問題を出題してきた高校(15校)の2パターンあります。2014年から制度がかわり、15校が3グループにくくられて、グループ作成問題 (詳細はα ↓ )
  http://benesse.jp/juken/201401/20140129-4.html
になりましたが、これらの独自問題と、共通問題の質的な違いは、大学入試の2次(記述)と、センター試験(マークシート)を思い浮かべてもらうと、良いでしょう。
  参考 ↓
 http://allabout.co.jp/gm/gc/439254/
⇒Zくんは、ここで第二の決断=大学進学をみすえて、グループ作成問題高校を受ける を選択しました。
すると、東京の場合は、学校の授業の補習塾ではなく、「グループ作成問題高校に進学するための塾」に通うのがセオリーだそうです。
当ブログでは、学校や塾などを、戦略/作戦/戦術のうち、「作戦」レベルに位置付けていますが、東京の場合は、すでに塾選びの段階で、「戦略にもとづく作戦」を考えているわけです。
ちなみに、公立高校の受験問題が2段階というのは、現在ですと、
北海道 や岡山県とかにもあるようですね。
で、下記の札幌の塾の方のご意見
  http://aporia.jp/koukou.html
 「独自問題対策が、大学受験対策に直結している」
が、東京にも(あと、他の府県でも実施されていれば)当てはまると思います。※ついでに言えば、国語の記述式対策は、のちのち「論文」作成のときに役立つと思いますよ、

グループ作成問題高校生Zくん、校内でペースを計る
無事、グループ作成問題高校に入ったZくん。この段階で、すでに、将来は首都圏の国公立大学工学系を目指すことを考えていましたが、1、2年のうちは、大学受験対策塾には通わず、学校の授業と宿題、予復習(必要があれば)だけで過ごしたそうです。
その秘密は、「東京のグループ作成問題高校」というしくみ自体にあります。
15校の入学時の難易度は、県レベル(政令指定都市はのぞく)の1,2位校とたぶん同じくらいだと思いますが、入学後さらに、東京都の教育委員会が上記15校について、進学塾をしのぐ国公立大学受験に向けた「重点指導体制」をとっているためです。(例 ↓ 新宿高校)
  http://blog.jyukeho.jp/entry/shinjyuku
入学した高校の、過去の進学実績を見れば、「校内の何位くらいなら、このレベルの大学に入れる」と、ほぼ推測できますので、Zくん、まずは定期テストでの校内順位を目安にしたそうです。
あと、クラスメートとの会話。自慢でも謙遜でもなく、事実として「1日の勉強時間は何時間くらい」と言ってくれるので、これも目安になったそうで。
そして、クラスメートの目の色が変わってきたな? と思ったのが、2年生の文化祭終了後から。2学期の定期テストの順位が下がったのをみて、理系大学受験塾を探しはじめたそうです。
Zくんはここで、第三の決断=戦闘態勢(大学受験モード)に一気に切り替える
をしました。

理工系Vくん
Zくんの場合は、クラスメートもみんな、グループ作成問題高校受験の修羅場をくぐり抜けてきた面々なので、「周囲の様子見作戦」で、ペース配分を決めて良かったわけですが、田舎の「進学校」の場合は、見比べる周囲も、たよるべき先生(高校・塾)にもばらつき(はっきり言えば、当たりはずれ)があります。
地方のみなさんが、首都圏の大学を受ける場合、このようなハンデがある事実は、意外と話題になってこなかったと思います。
これから、当ブログでは、地方の公立進学校の生徒Vくん(中学で上位20位以内、高校受験で苦労はしなかった。理工系志望。親は地元の国立大学を勧めるが、本人は東京に行ってみたいと思っている)を、ペルソナ-モデルとして設定しまして、Vくんのとりうる「戦略」を考えていく予定です。

まずは、視点を拡げよう
で、今回記事の頭に、謎の写真がありますが、これは「東京・夢の島植物園」周辺の一部を切り取ったものです。※下記写真をクリックすると拡大
下にはヨットハーバーもあります。
新高3生の方も、今ならまだ調べる時間とチャンスはありますので、現在の「大学」の状況を、WEBページ(某掲示板はあまり参考にしないように)、とくに大学公式ページを見比べるだけで、けっこう情報は得られますので、その「見方」を次回は記事にしますか。