2019年11月1日 英語民間試験 延期報道 (東洋経済オンライン)
 
 
 
2020年度から始まる「大学入学共通テスト」で導入される、英語民間試験については、当ブログでも動向を随時お知らせしています。
これまでの記事は、下のインデックスで、チェックしてください。

https://ameblo.jp/pernas/entry-12368854928.html

 

28日の読売新聞朝刊30面には、「東大 英語民間試験活用へという見出しで掲載されていました。
ただ、その「活用」なんですが、上記HPの文章を要約すると、
  ・国立大学協会の指針にそった形での、入試への活用方法を検討する
ということです。
 
その指針への対応とは、現時点では、以前のブログ記事に書いたとおりまだ対応(案)の段階ですが、
 1)国立大学受験生は、2020年度~2023年度 まで、マークシート方式と英語民間試験の両方を受験する
 →これだと、「東大受験生も英語民間試験を受験する必要がある」ということですね
 
  2)英語民間試験の扱いは、各大学・学部が、
  2-1)一定水準以上の成績を出願資格にする
  2-2)マークシート式試験の成績に加点
  2-3)上記2-1,2-2の併用
のどれかを選ぶ。
 →ここで、2-1)の足切り法を選べば、英語民間試験の成績は(あくまで、”出願資格”なので)、加点しないでよい」ということになります。
つまり、これまでのような、合否判定自体は、1次(センター試験)・2次(独自試験)の合計点」方式と、実質同じになるわけです。
 
もともと一般入試で、足切制度がある国立大学 ↓ や、
https://resemom.jp/article/2018/02/08/42785.html
一次(センター)試験が基準点を超えれば、合否判定は2次(個別)試験のみで行う、東工大(前期)などは、 2-1)を選ぶ可能性があると思います。

●首都大学東京は、「学士入学」について、すでに「出願資格」を公表
  
首都大学東京(以下、首都大)は、
  すでに学士の学位をもっている人を対象にした3年次編入入試
について、平成 31 年度から、下表のように、英検2級以上ほか民間試験(英検以外は、過去2年以内のスコア)を「出願資格」にすると公表しています(昨年11月)。↓
すでに、学位をもっている=4年制大学を卒業している レベルで、出願基準が「英検2級相当以上」ということなので、仮に、首都大が「学部一般入試」でも、英語民間試験を「出願資格」にする場合でも、足切りラインは「英検2級以下」(学士入学者より、ハイレベルにはしない)になるはずです。

なお、首都大は公立大学なので、国立大学協会には加盟していません。
そして、公立大学協会の、英語民間試験についてのコメント(2017年12月)は

http://www.kodaikyo.org/wp/wp-content/uploads/2017/11/171205_e_test.pdf

 ・あくまでも、各大学の判断による

 ・(が…、 括弧内は筆者の注)英語試験 は共通テストと英語民間試験 双方を利用することがのぞましい

です。

 

各国立大学については、6月に予定されている国立大学協会の総会後には、動きがあると思います。
モグラ叩きのように、目立った動きがあれば、その都度、記事にしていくという形になります。
 
◎6月3日 追加情報
東京外国語大学(以下、東京外大)が、大学英語入試関係者向けに「英語スピーキング・テスト説明会」を開催しました。
新テストとは、直接関係ありませんが、大学入試に利用可能な、英語スピーキング・テスト「BCT-S / British Council-TUFS Speaking test for Japanese Universities」を、東京外大とBritish Councilとで、共同開発したものです。
東京外大の入試--2019年4月設置予定の国際日本学部の一般入試(前期日程試験)で実際に使用し、さらに、全学の入試での利用や、他大学(国立大学 2次試験等)の利用も想定しているようです。 ↓
 
BGM 鈴木康博:作曲 オフコース・「一億の夜を越えて」
トップ画像提供 Pixabay
 
 
3大メガバンクは新卒採用3割減。主要100社は?
2018年4月21日の読売新聞・朝刊。
トップの「F2戦闘機後継」(防衛省)の話題の陰に隠れるように? 2面に「3大メガバンク 新卒採用3割減」の記事が載っていました。
3月末の「朝日新聞」や、4月中旬の日経などでも報道されてましたが、今回は3行あわせて  昨年・3192人→今年・2300人  
と具体的な数字が出てきましたね。
当ブログでは、2017年10月に、金融(証券・保険業界も含む)関連の人員削減の動きと、それに対して「大学受験生」(とくに文系)はどうすればよいか? の解答として、データサイエンス情報系の学部の紹介をしてきました。

今年の就活も「売り手市場」と言われていますが、読売新聞調査(主要100社へのアンケート ※1)を見ると、大手の場合は技術系の採用数を増やす会社は多かったですが、事務系を増やす会社はあまりみられません。
たとえば、東レは、
  事務系85(94) 技術系365(298)  ※カッコ内は昨年実績
積水ハウスグループは、
  事務系442(440) 技術系268(228) 
などです。
また、伊藤忠商事や楽天は「技術系」ゼロ、さらに事務系と技術系の区別をしない答えも多かったので、社内の「情報システム」関連の採用枠が、「事務系」に入っている企業もけっこうあるのでは?(※2)。
総数減の、
  花王  あわせて279以上(302)
  富士フイルムHD あわせて 600(632)
なども、技術系を削減する理由は思いつかないので、次章で紹介の「AIによる仕事の置き換え(AIリストラ)」を見越した動きの可能性が高いです。
 
 
AIリストラが進みやすい上場企業ランキング
週刊ダイヤモンド2018/02/10号(特集・AI格差 以下、AI特集)で、上場企業の中で、AIリストラが進みやすい、上位240社を紹介しています(49ページ~)。
  1位 トヨタ自動車 2位ソフトバンクG 3位NTT と続きます。
上位10社と、ランキング算定の根拠、記事の概要、などは、
http://diamond.jp/articles/-/158348?page=2
で見られます。※3
記事によれば、先に挙げた、
  花王は123位、富士フイルム87位。
今年の就活生は、まだセーフかもしれませんが、現在、大学・文系1~3年の場合は、少なくとも上記の表に載った240社では、「新卒(事務系)採用減」が、いつ起こってもおかしくないということで、要チェックです。
 
●RPA(事務定型業務のロボット化)を知ってますか?
AI導入よりも先に、日本企業で進行しつつあるのが、RPA(Robotic Process Automation)の導入です。
ロボットといっても、下記URL
http://tech.nikkeibp.co.jp/it/atcl/column/16/110700255/110700001/
で紹介されている、日本生命の、「日生ロボ美ちゃん」(2016年4月 新入社員)をご覧いただくとわかるように、ノートPC上ではたらく「ソフトウェアロボット」です。
人間で1件数分かかる請求データ入力業務を、20秒くらいで処理するスピード。
日本生命では、ロボ美ちゃんの業務範囲を、どんどん拡げる計画のようです。↓
https://www.seminar-info.jp/entry/seminars/view/1/3855
ほかにも、保険会社各社がRPAを導入する事情(特集 43ページ)や、メーカーでの導入増加(46ページ)など、書かれています。
 
●文系・ホワイトカラー志望者は 「AIに勝てる自分の強み」を考えていますか?
前章のRPAなどは、当ブログでよく紹介する工学部生Zくんのアルバイト(確定申告補助)レベル、つまりマニュアルどおりにコツコツ仕事をすればよい=複雑な判断の要らない仕事を代替するものです。
なので、文系・総合職の仕事や新卒採用数が、すぐに減るわけではないと思います。
しかし、現状の日本のホワイトカラ―の仕事の7割(メールによる情報収集や、Excel,パワーポイント加工)は、RPAにより自動化可能(特集61ページ)という予測もあります。
代替されない、残りの3割は、集めてきた情報の分析・予測・意思決定です。
裏返せば、もし、文系就活生のみなさんが、ガクチカ(学生時代に力をいれたこと)や自己PRで、「情報の分析・予測・意思決定」能力がある…とアピールができれば、とても強みになるということです。
理系の場合は、自分の研究が、「情報の分析・予測・意思決定」の結果そのものですので、あとは、文系面接官などにも、分かりやすく説明する努力をするだけです。
※ちょっとしたコツはあります。
↓  『研究を通じて何を思い、どう行動し、何を学んだのか」を素直にしっかりと伝えること』
https://unistyleinc.com/columns/231
 
新シリーズ「就活S」では、今後も、「対AI」(情報系・機電系だと、逆に創る立場になりますが)の話題を中心に、いろいろ紹介の予定です。
※質問や異論・反論などあれば、コメント欄にお書きください(なお就活生は、国公立/私立、理系/文系 を書いてください。でないと、適切な答えができません)。
 
※1 2018年4月17日 朝刊11面 下記、有料記事でよめます
http://premium.yomiuri.co.jp/pc/#!/news_20180416-118-OYTPT50451/list_NEWS%255fMAIN%25240417
※2 『情報システム部門(末端)の実態は「社内サービス(接客)業」』 by当ブログ準レギュラーYさん
※3 指標EBITDA については、別の記事で。
BGM 雨のパレード You&I  (MVのロケ地は、多分、山口県の 一の俣砂防ダム湖:別名 蒼霧鯉池 だと思います)
http://www.mizusagashi.com/entry/2017/03/29/193408
冒頭写真提供 Pixabay
 
 
◎以下、2018年4月時点
前回記事(4月上旬)で、「大学入学共通テスト・英語民間試験」について、5月以降に続報予定と書きましたが、早くも4月13日の読売新聞記事(以下、記事Y※1)で、国立大学協会・入試委員会の(案)が、報道されました。

今月末の理事会、6月の総会をへて正式決定なので、まだまだ変更の可能性はありますが、以下、紹介します。
※CEFR(セファール) については、前回記事で説明しました
※当ブログの、大学入学共通テスト関連ページ(インデックス)
 

●1 報道された国立大学協会の対応案
※番号などは、筆者が説明のために付けたものです

1)国立大学受験生は、2020年度~2023年度 まで、マークシート方式と英語民間試験の両方を受験する
2)英語民間試験の扱いは、各大学・学部が、
2-1)一定水準以上の成績を出願資格にする
2-2)マークシート式試験の成績に加点
2-3)上記2-1,2-2の併用
を選ぶ。
上記2-2,2-3のマークシート式への加点の場合、「マークシート式と合わせた2割以上を配点の目安」とする。
上記、◆の加点方法は、今回の「記事Y」だけだと、分かりにくいので、具体例で考えてみます。
首都圏国公立大・理工系では、2次試験でも英語が受験科目なので、
  農工大・機械システム工学科 前期 

  1450点満点 センター試験・英語配点 200点、2次・英語 100点
の場合は、 2-1)=足切り  たとえば、CEFR A2以上(英検準2級)以上を受験資格とする→受験生への影響ほぼなし(関連記述 ●3)
2-2、2-3)=加点方式 CEFR B1以上(英検2級)以上に
A) 単純加点(消費税の外税のような方式)
  センター試験・200点(前期)に単純に50点を加点する場合は、1次の英語の合計が250点となり、50/250=1/5=ちょうど20%ですね。 
B) 消費税の内税のように配点は200点のまま
  センター試験160点、加点40点(これも20%)
加点B方式の場合は、
  農工大前期 1次・2次あわせて1450点満点のうち、民間試験・加点(案)は40点
となります。
以上は、あくまでも現状の入試からの試算ですが、2020年度入試までに、国立の各大学・学部・学科は、いったいどう決めるのか? とくに、加点方式の場合、いくら加点するのか? 


実は、茨城大学(工学部)が、平成30年度入試から、英語民間試験の「みなし得点制度」を導入したので、●2 で紹介します。

 

●2 茨城大学工学部一般入試(前期・後期)の「みなし得点」制度
http://www.ibaraki.ac.jp/common/pdf/guidance/2018gaibukentei.pdf
茨城大学工学部の一般入試で、2次試験(個別試験)・英語を受験した生徒※3 が、下表の民間試験を受験している場合は、その成績を「みなし得点」として、個別試験の成績より良いばあいは、「みなし得点」の方が採用される…という制度です。

個別試験の英語で失敗しても、もし英検準1級(CEFR B2)以上なら。個別試験満点の100点 とみなされるわけです。

   英検2級(CEFR B1)で75点。英検CSE2.0 ※4 2150点以上なら、85点。
など、CEFRよりもきめ細かい配点です。
 
※上図は受験生の利便性のために掲載

もともと、英検2級が「高校卒業程度」
http://www.eiken.or.jp/eiken/exam/about/
なので、当ブログでも、英検2級(CEFR B1)を基準にしているわけですが、上表のように、茨城大・工学部の想定受験層も、英検2級前後でしょうね。
同じ国立大学と言っても、大学・学部・学科で、受験生の学力は違いますが、この茨城大・工学部の、英語民間試験の横並び換算表及び傾斜加点方法は、ひとつの目安になると思います。
 
●3 中高生の英語力の現状 まだ準備不足?
中高生の英語力について、読売新聞4月7日(以下、記事B)や、毎日新聞
https://mainichi.jp/articles/20180407/ddm/012/100/050000c
にデータが掲載されました。
  全国の中3生で、英検3級レベルに到達が、40.7%、
  同 高3生で、英検準2級レベル到達が、39.3%。
県、政令市別で、かなり差があり、福井県は、県全体で
  英検3級レベルに到達が、約63%、
  同 高3生で、英検準2級レベル到達が、52.4%。
これは、福井県の場合、英検受験費を県が補助したり、さらに県立高校入試で、民間試験加点を導入したりという効果では? と報道Bでは分析しています。
 
このように、県や市町村で、民間試験対応に「格差」がある状況で、現高校1年生から新方式での受験で、とくに「高校」の準備が間に合うのか? ※4
今後も、引き続き、成り行きを注目し、記事でお伝えする予定です。
 
※1 東京版の第13版 29面、地方によっては違うかもしれません
※2 いきさつが紹介されているブログ記事 ↓
http://edumama.hatenablog.com/entry/2018/02/22/183934
※3 茨城大学工学部 受験方式 ↓
https://passnavi.evidus.com/search_univ/0150/ippan.html
個別試験(2次)試験を受験した場合、センター試験(1次)のみの換算点と、1次・2次合計得点のうち、高い方が合否判定の対象になります。
なお、茨城大学工学部は、当ブログ記事で注意喚起している、「2年次以降別キャンパス」の学部で、1年次の英語の単位を落とすと、2年への進級ができないことも、背景にあるかもしれません。
https://www.ibaraki.ac.jp/common/pdf/generalinfo/tc_1_ri_eng.pdf
また、茨城大学工学部は2018年度から、改編
 https://www.eng.ibaraki.ac.jp/common/pdf/generalinfo/eng_pamphlet2017b-j.pdf
されていますが、埼玉大学工学部(2018年度改編)や横浜国立大学(同2017年度)なども、紹介できてませんので、その話題はまた。
※4 「英検」への問い合わせ殺到のニュース
https://mainichi.jp/articles/20180409/k00/00e/040/166000c#cxrecs_s
 
BGM Mrs. GREEN APPLE 「Love me, Love you」
冒頭写真提供:Pixabay  https://pixabay.com/ja/photos/
 
当ブログの、これまでの大学入学共通テスト(以下、共通テスト)関連記事へのリンク集です。
2019年11月1日 の、英語民間試験 延期報道をもって、●3 の更新は、STOP。また、記述式については、別途ページを予定しています。
 
●1 共通テスト全般
・大学入学共通テストで何が変わるか?(2017.05)
https://ameblo.jp/pernas/entry-12225283292.html

●2 英数国・記述式
・大学入学テスト プレテスト(2017.11実施)の、主に記述式についてのコメント(2017.12)
https://ameblo.jp/pernas/entry-12338813762.html

・2020年度、新テストからの国立大入試・長文記述の動向(2016.12)
https://ameblo.jp/pernas/entry-12225283292.html

●3 英語・民間試験
・東大・首都大の英語民間試験への対応は? (2018.04.28)

https://ameblo.jp/pernas/entry-12371865897.html

 
・大学入学共通テスト 英語民間試験に対して国立大学は? (2018.04.15)

https://ameblo.jp/pernas/entry-12368859432.html

 

・大学入学共通テスト 英語はどうなるの? (2018.04.01)  …認定試験(受験可能な民間試験)の認定結果公表をうけて
https://ameblo.jp/pernas/entry-12364967378.html

・新テストの英語で国立大学はマークシート方式と英語を併用(2017.10)
https://ameblo.jp/pernas/entry-12319776470.html
 
【付録1:共通テスト関連のスケジュール】
2017年4月 大学入学共通テスト・実施方針の策定・公表
2017年11月 プレテスト(1回目) 
2018年2月 プレテスト・英語(1回目) 
2018年3月26日 大学入学共通テスト・英語 認定試験(受験可能な民間試験の認定結果)を公表 
2018年11月 プレテスト2回目予定
2019年4月ころ(2019年度初頭) 実施大綱の策定・公表、出題教科・科目の詳細を公表予定
2019年度中 必要に応じて確認プレテストを実施予定
2020年4月ころ 実施要項の策定・公表予定
2021年1月 大学入学共通テストスタート予定 ※英語は2021年1月実施テスト~2024年1月実施テストまでは、今までのマークシート式と民間試験を併用する予定 
2025年1月 大学入学共通テスト・英語が、民間試験に全面移行する予定

【付録2:関連サイトや報道へのリンク】
・大学入試センター・大学入学共通テストページ
  http://www.dnc.ac.jp/daigakunyugakukibousyagakuryokuhyoka_test/index.html
・国立大学協会 http://www.janu.jp/
・英語4技能試験情報サイト http://4skills.jp/

BGM 絢香・コブクロ 「WINDING ROAD」
写真提供:Pixabay  https://pixabay.com/ja/photos/
 
2018年3月14日、「大学入学共通テスト 英語プレテスト」の問題と正解、正答率などが、大学入試センターから公表されて、15日、新聞(◆A 以下、文末資料集に出典をまとめて載せました)報道がありました。
この時点で、記事を書きかけていましたが、続いて、「大学入学共通テスト 英語」の民間試験業者・試験の認定結果が3月27日に報道されたので、あわせて、現状についてコメントします。
 
【参考:大まかなスケジュール】
2017年4月 大学入学共通テスト・実施方針の策定・公表
2017年11月 プレテスト(1回目) 
2018年2月 プレテスト・英語(1回目) ★今回の記事の●1
2018年3月26日 大学入学共通テスト・英語 認定試験(受験可能な民間試験の認定結果)を公表 ●4
2018年11月 プレテスト2回目予定
2019年4月ころ(2019年度初頭) 実施大綱の策定・公表、出題教科・科目の詳細を公表予定
2019年度中 必要に応じて確認プレテストを実施予定
2020年4月ころ 実施要項の策定・公表予定
2021年1月 大学入学共通テストスタート予定 ※英語は2021年1月実施テスト~2024年1月実施テストまでは、今までのマークシート式と民間試験を併用する予定 ●2
2025年1月 大学入学共通テスト・英語が、民間試験に全面移行する予定
 
●1 2018年2月実施の「英語プレテスト」の中身
報道(◆A)によれば、英語プレテストは、2月13日~3月3日にかけて、全国の158高校の2年生、約6300人に対して、60分の筆記試験と、30分のリスニングが行われました。
問題と正解については、大学入試センターの下記ページでみられます(◆B)
http://www.dnc.ac.jp/sp/corporation/daigakunyugakukibousyagakuryokuhyoka_test/pre-test_h29_01.html
細かい内容については下記、日経新聞報道などをご覧ください。
https://mainichi.jp/articles/20180130/k00/00m/040/080000c
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO2811589014032018CR8000/
ポイントとしては、
・設問も英語(筆記)
・単語数が増加(筆記 センター試験より1000語増の5300語)
・グラフ読み取りなど、プレテストの国語・数学と同じ傾向の出題があった
などです。
さらに、今回の「報道」では、「CEFR ヨーロッパ共通参照枠」という言葉が、前面に出てきましたね。
 
●2 そもそも CEFR(セファール)とは? そして、誰もが思う???
CEFRは、「欧州評議会が定める語学レベルを表す国際標準規格」で、下図のようにA1~C2の6段階あります。

出典:https://www.coe.int/en/web/common-european-framework-reference-languages/
【日本語でのくわしい説明:ケンブリッジ大学英語検定機構】
http://cambridgecentre.jp/exams/cefr/
【NHKによる、分かりやすい解説ページ】
http://www.nhk.or.jp/kaisetsu-blog/400/278834.html
 
●2-1 2017年7月の資料に、すでに出ていました
大学入試センターの資料(◆C)  「新テスト(大学入学共通テスト)の実施等に向けた当センターの取り組みについて」の50ページ目以降に、新テスト・英語のベースになる、「英語4技能」(読む・聞く・話す・書く)について、くわしく書かれています。
新テスト・英語の目玉?は、「話す」・「書く(記述式)」能力をはかるために、「民間試験」を活用するという点ですが、「複数の民間試験の共通のものさしとして、CEFRの段階別表示を使う構想」が、◆Cの51ページに明記されています。
つまり、上図の6段階をものさしにして、
  英検準1級=TOEIC(聞く・読む)785点以上=CEFR B2
   (◆A掲載の比較表の場合:あくまでも参考値)
などと、異なる民間テストの結果を横並びにして、比較ができる…という構想のようですが、そもそも「英語能力」をわずか、6段階の輪切りにするの? と、誰しも思いますよね? 
TOEIC(聞く・読む)だと、スコア550~784が、同じ「B1」になります。
 
●3 国立大学の反応(3月中旬まで) は?
2017年11月に、国立大学協会は、新テストについての基本方針を発表し(◆D)しました。
英語については
『国立大学としては、 新テストの枠組みにおける5教科7科目の位置づけとして認定試験(筆者注:センターが認定する民間試験)を「一般選抜」の全受験生に課すとともに、平成35年度までは、センターの新テストにおいて 実施される英語試験を併せて課すこととし、それらの結果を入学者選抜に活用する。』
つまり、2024年1月実施の試験まで、センター試験(新テスト)・英語と民間試験の両方を、国立大・受験生は受験します。
もう少しくわしい指針、たとえば、
(案1)CEFRの6段階評価で一定水準を満たしていることを各大学の出願資格とする
(案2)CEFRの6段階評価を点数化し、マークシート式の英語試験の得点に加算して合否判定に活用する
などは、今後、5月までに「2次試験に活用する際の指針」を、まとめる予定のようですが、東大は、「入試の合否判定には使わない」と、先日、明言したという報道もありました。

一方で、国立大学協会が、「民間試験の配点1割以下」(例 ◆E)という新聞報道に、公式ページで抗議の声明を掲載する(◆F)など、3月末時点では、情報が錯綜(さくそう)しています(●5でまた触れます)。
 
●4 発表された民間8試験(7団体)
3月26日に公表されたのは、以下の民間8試験(順不同 説明のため、1~8の番号をつけました)です。
(1)英検
(2)ケンブリッジ英語検定
(3)TOEFL
(4)TOEIC
(5)GTEC  
(6)TEAP ※下記
(7)TEAP CBT
(8)IELTS 

実は、●2-1で触れた資料C「新テスト(大学入学共通テスト)の実施等に向けた当センターの取り組みについて」の65ページの「活用事例(下図)」には、1~8のうち、(7)を除く、7試験(ただし、表現が若干違います)が、すでに載っていました。
(7)も、(6)のTEAPの「発展形」
https://www.eiken.or.jp/teap/cbt/about/
なので、『実質、2017年7月以前からの「想定の範囲」の「最大値」に、着地したな』ーーーというのが、筆者の感想です。
たとえば、TEAPは、上智大学の一般入試に「TEAP利用型」があるため、当ブログでも注目していましたが、
https://www.sophia.ac.jp/static/teap/
ミッション系の有名私立大学(立教、明治学院、関西学院)や筑波大学の公募推薦などにも採用されていますね。
http://www.eiken.or.jp/teap/group/list.html
このように、選ばれた民間英語試験は、それなりの実績のある試験なんですが、問題は、8試験の中から、どれかを選ぶ労力を、「受験する側に、丸投げした」という点でしょう。

下記、毎日新聞・社説(2018・3・27)が、「混乱必至」として、問題点をあげています。
 
●5 首都圏・国公立大学 理工系をめざす受験生への影響は?
●3に書いたように、まだ、国立大学の対応が不確定なため、2021年1月以降に受験する生徒と親御さんは、心配かもしれません。
テスト対策自体は、全大学受験生ではなく、当ブログがよく紹介している、首都圏・国公立大 理工系学部の受験生に限定すると、あまり神経質にならなくても良いと、思っています(後述する、別の問題はありますが…)。
 
●5-1 もし、CEFER尺度 B1を基準にすると
というのは、当ブログでは、昔の記事で、「2次試験で高度な英語の記述式を課す、国公立大学の学部・学科は、新テスト・英語(民間試験の方の結果)の配点をひくくする可能性がある」と書きました。
しかし、CEFR B1(=英検2級)を基準にすると、都立トップレベル進学高校の合格者は、高校入学時点ですでに、そのレベルです。
たとえばCEFR B1(=英検2級)以上に、一律◎◎点を加点する、という方式の場合は、首都圏国公立大学・理工系受験生なら、高2までに、いずれかの試験でB1レベルをとれるはずですから、合格圏の受験生のほぼ全員◎◎点が加算されることになり、たとえ配点が5点でも20点でも、差はつきません
 ・足切りに使う(基準点以下は× 出願先を変えましょう)
 ・加点(基準点以上なら一律加点)
 ・合否判定に含めない(東大 今年、出題ミス事件がなければ、京大・阪大あたりも、同じように強気にでたかもしれません)
のいずれでも、実質、合格レベルの受験生への影響はないわけです。
 
●5-2 このままだと、みんな(受験生・先生・親御さん)が大変なんですが…
ただし、このままでは、民間試験対策(どれを選ぶか? も含め)のために、親御さんのお金の負担が増えることは確実です。
さらに、新高校1年生が、8つの試験の中から、ひとつを選んで、高3の4月(~12月)に民間英語試験を受けるペースで、間に合いますか? 
少なくとも、「2年延期」くらいは、してほしいところですよね。

5月以降の、国立大学協会の「2次試験に活用する際の指針」の発表後に、この「お金(民間試験受験日)」や実施時期・方法の問題。
さらに、”そもそも国公立大学・理工系の「入試段階」で、スピーキング能力判定は必要か? ※2” などについて書く予定です。

【資料集・出典】
A: 2018年3月14日づけの読売新聞報道(英語・プレテスト 問題と正解)
B:大学入試センター 平成29・30年度試行調査(プレテスト)
http://www.dnc.ac.jp/sp/corporation/daigakunyugakukibousyagakuryokuhyoka_test/pre-test.html
C:大学入試センター 「新テスト(大学入学共通テスト)の実施等に向けた当センターの取り組みについて」2017年7月(PDF)
  http://www.dnc.ac.jp/  より探してください(リンクが変わる可能性があるため)
D: 「平成32年度以降の国立大学の入学者選抜制度―国立大学協会の基本方針―」の公表及び「平成32年度以降の国立大学の入学者選抜制度―国立大学協会の基本方針―」の策定に当たって(会長談話)の発表について
http://www.janu.jp/news/teigen/20171110-wnew-nyushi.html
E:日経新聞 報道(2018年2月17日 電子版) 「英語、民間試験配点わずか 大学入学新テストで検討 国立大学協会」
  https://www.nikkei.com/article/DGXMZO27046890X10C18A2CC1000/
F: 国立大学協会 声明「英語民間試験の活用に関する国立大学協会の検討状況についての 再度の報道について 」
http://www.janu.jp/news/files/20180221-wnew-comment.pdf
G: 4skills 新テスト・英語民間4技能試験対策サイト
   http://www.fourskills.jp/
※1 筑波大学の公募推薦では、医学部を除く全学部でTEAP420点以上の場合、「合否判定の参考とする」。なお、医学部は、TEAP800点以上。
※2 スピーキング能力が不要とは言ってません。逆に、3年、4年から、英語で授業、研究プレゼンなども、珍しくありません ↓ 公立会津大学の例。
http://www.u-aizu.ac.jp/campus/faq/
BGM:「This is Me」 映画「グレイテスト・ショーマン」より
冒頭写真提供:Pixabay