タイトルは、集団で共同作業を行うと、人が増えるにつれて、ひとりひとりが手抜きをする割合が増えるという現象のこと。
体育祭でおなじみの綱引き競技で、これを証明した実験が過去にあった。1対1で引き合うと、当然のことながら、人間は100%の力を振り絞って引っ張りあう。ところが、徐々に人数を増やしていき、8対8に達したとき、各人は本来の最大パワーの半分以下の力しか出していなかったという。個人の責任や貢献度が見えないところが最大の原因と考えられている。
これとは逆に、社会的促進という現象もある。
1人で作業するよりも、観察者や同じ作業をする人間が周囲にいる方が、個人の作業量が増加することをいう。ただし、単純な作業、あるいはよく学習されていて練度の高い作業の場合にあてはまる話。数学の難問を解くなど難度の高い作業では、1人の方が、パフォーマンスは高いことがわかっていて、このことは社会的抑制と言われている。
教訓。易きに流れる人間の性質を見極め、あらかじめスチュエーションに応じて、手をうっておくことが必要。