施術のご指定 | 美容皮膚科医の日常ーペルラクリニック神宮前院長 本田淳

美容皮膚科医の日常ーペルラクリニック神宮前院長 本田淳

一美容皮膚科医の想い

東京都渋谷区 原宿 表参道
ペルラクリニック神宮前院長
本田淳のブログ

 初診の患者様の中には、ご予約の際に、「○○の施術をお願いします。」と仰る場合があります。よく知られていて、多くの施設で導入されている治療機器の名前でご指定があることが多いのですが、「まずは診察させて頂かなければ、その施術(機器)が患者様に適切かどうか分かりませんので、初診時はカウンセリングのみになります。」と大抵お話しすることになります。
 
 ほとんどの方は、それはそうだな、と納得して頂けるのですが、時に、「いや、以前他のクリニックで、それをやったことがあるから、理解できている。当日すぐにやって欲しい。」と返される場合があります。
 しかし、その施術を他の施設でお受けになった時点では、もっとも適切な治療だったのかもしれませんが、現在は症状、状況が変化している場合もありますし、医師によって診療に対する考え方が異なることもあります。また、当然ながら、治療手段は、その施設で施術可能な手技に限られますので、保有機器の種類によっては、選択が異なってくることもあります。以上のような、まっとうな(と思いますが)判断の元に、「申し訳ございませんが、それはできません。」とお話しするより他ありません。
 
 はっきり言えば、人員や治療ライン(スペース)に余裕があり、看護師や美容スタッフなどと称する人が施術をするというスタンスの施設なら、そのような患者様の要望に柔軟にお応えすることは可能かもしれません。そのような体制を意に介さなければ、よろしいのではないでしょうか。
 
 他科で行われているようなタイトなお話をしても意味はないと思いますが、例えばの話、初めて受診する病院で、「他の病院で、この薬をもらっていたから、同じものをすぐ出して欲しい。」、「以前、この症状でこんな処置をしてもらった。今回も同じ症状だから、同じ治療をやって欲しい。」と仰ったとして、何の診察も検査もしないで、要望を叶えてくれる医師はいないと思います。逆に、その施設や医師に対して、「お前等の判断は不要だ。私の言う通りにしろ。」と放言しているに等しく・・・

 これは、
患者さん「ちょっと風邪をひいてしまって・・・」
医師「診断は私が決めることだ!!(と、どなり散らす)」
という、医師の傲慢な言動として挙げられる例示とは、別次元の話です。ご理解頂ければ幸いです。