オペラ歌手くみバードの、ひたすらオペラな人生

オペラ歌手くみバードの、ひたすらオペラな人生

主催している「ありどおろ座」オペラ団の情報や合唱の練習など音楽家としての生活です。

凝りもせずにオペラ鑑賞の旅に出ています。
8本のオペラやらコンサートを無事に鑑賞し終わり、帰国の途につきますが···オペラ等の感想はまた後程という事で本日の騒動をお伝えしたいと思います。
今日、大好きなナポリからローマへとITALO列車に乗りました。ITALOはイタリア鉄道TRENITALIAではなくフェラーリデザインの真っ赤なカッコいい車体です。ナポリからローマまでは約1時間20分、そろそろ着く頃だなあと思っていたら何故か車内が騒がしい。
女性車掌が1人1人お客を回って何か話しています。
なんと私達が降りる駅は止まらず(というかそもそも駅がない?)次のローマティブルティーナ駅に止まるとの事。そこから地下鉄に乗って本来のローマテルミニ駅に行って欲しい、しかも1時間以上遅れます、と。こういう時、イタリア人は何故か大人しく聞き分けがよく誰も文句を言わない。私達も仕方なく大人しく従って1時間半遅れてやっとティブルティーナ駅でチケット機と格闘して地下鉄に乗り込みました。
するとすぐにドア横にこのクソ暑いのに腕にコートをかけてスタンバイしているスリを発見!
あまりにもわかりやすいので笑ってしまいました。
スーツケースを抱えた観光客アジア人の我々は格好の標的だったのでしょうがこちとら慣れてますからねーそう簡単には取られませんよ。
するとほらほら、次がやって来た〜😱
ミラノでも会いましたが今若い女3人組のスリが必ずいるんですよ。大概ポニーテールで背が高くなくてまだ若いんだけど目付きが鋭いからすぐわかる。
それが乗って来たんですねー。前のオバサン達が私達に気をつけろとさかんに合図してくれてました。
そして電車を降りると出口に向かうエレベーターに親切ごかしに、どうぞお乗りなさい、と強烈に勧誘するオババがいました。これもスリの一味です。日本人には見分けつかないだろうなあ、ああ、面倒臭い、と振り切ってやっとホテルに着きました。
最後をローマにしたのは相方のポルタポルテーぜに行きたいとの希望でした。通称どろぼう市です。ここは何回も行ってますが割と行きにくい所で行きも帰りも往生します。
そして何と帰りのバスでバスが壊れたからと全員降ろされてしまいました。まあ地下鉄の駅がすぐだったので良かった~と地下階段を降りたら···
多分またバスの中にいたであろう若い女3人組(前のとは別)をイタリア人家族が取り押さえる騒ぎをしていました。
女達の叫び声が凄くて今でも嫌な気分になります。
イタリアでは泥棒やスリが日常茶飯事で昔は主にジプシーでしたが(今は差別用語なのかな)、今はそれに難民が増えてとても治安が悪そうです。
イタリアは私達にとって大好きなオペラの国ですが、自分の国である日本ほどいい国はないです。
その国を守る事も考えなきゃとイタリアに来るといつも思うのです。
それではまた後程オペラの事書きますネ〜😍
今年は毎月本番です。
熱中症気味なので乗り切れるか不安だわー。

昨晩気になっていた20歳の男子と話し合いました。自分の経験から音楽家としてやっていくにはどうしたらいいかを話し合ったのですが・・・

想像通り全く分かっていなかった様でした。

無理もありません。

私達もそうでしたが親にも親戚にも音楽家がいない未知の世界に飛び込むのですから。

例えば技術のない教師出会う、これは最悪です。

そしてその教師に苛められる。

これは私の経験です。

それから親等回りのサポートがない。

私は幸せな事に親が私に音楽家になって欲しいと思っていたので、十分なサポートはありました。

3歳からピアノを始め、毎週のレッスンと毎月1回の教授レッスン、5歳から桐朋学園の音楽教室、また音楽高校受験にその頃父の転勤でいた九州から、東京レッスンに毎月母と通う、等々。

才能があると言われ確かに全く練習しなくても困る事はなかったのですが、それも学生時代まで。

責任のあるピアニストとしてやっていくにはもっと技術がなければダメだと大学で見た外国人ピアニストのレッスンを見て衝撃を受けました。

それでもまだピアノに情熱があったら私の事だから何とかしていたかもしれませんが、もうピアノをやる気はすっかり失せていました。

他に最大に情熱を捧げられる歌を見つけたからです。

歌は私にとって簡単なものではありませんでした。それでも一応この年になっても演奏家としてやっています。反省すべき点もありますが自分の納得出来る演奏はまだ出来ていると思っています。

さてその彼ですが、相方に言わせるとプロッティの再来とも言える逸材の様です。

私も本物のイタリアバリトンだと思います。

ただ若すぎてハンサムだけど可愛すぎるのと、まだ声に膨らみがなく硬いと言われてしまうのが残念です。日本人は柔らかい声が好きですからね。

音大も全く分かっていませんし。

そういう訳でとにかく潰れない様に、潰されない様に演奏家として育っていく為にまず、分かっていないだろう親に音楽家宣言をしっかりしなさい、と言いました。

そして私達も色々とサポートしていくから、と。

日本の音楽家の宝を潰してしまってはいけないと思います。

心の底からそう思う歳に我々もなったんだなあ、と寂しいより希望に満ちた気持ちになりました。

まずはめざせ!ヴェルディコンクール!ですね‼️






自分で企画して自分で歌うと決めたのに、いざ近くなると嫌な気持ちに追いまくられ、何故こんな大変な事をいつまでもしてるのだろう、と逃げたくなる。
ところがそれがあるタイミングですうっと失せて反対にやる気満々になってくるから本当に不思議だ。
今、数時間前にやっとその状態を迎える事が出来た。霧が晴れた様にさっぱりすっきり。
いつも心穏やかだといいのだがそうはいかない。
何故なら苦しむのが芸術だからだ。
さーっ‼️明日は頑張るぞ~💪
発声講座もう24回目を迎えます💐
新シーズンスカラ座のカルロ役のテノール、発声素晴らしいと思うましたが生では声が小さかったという情報があるらしい。
何故そう聞こえるのかその謎についても解明します‼️


この数年の間に遠い所に旅立つ知人が多くなって来た。先日も大学でお世話になった独語の師が旅立った。優秀な人なのにとても気さくで友達の様に気軽に話し合えた。本当は東大に招かれてたけど芸大に来たよ、って笑い話みたいだったなあ。卒業時にリートのコンサートに来てくれて、私のヴォルフの歌曲を聴いたら具合が悪くなったよ、との感想に、そんなに酷かった?と言ったら、いやー、おどろおどろしくてさ、びっくりしたよ、との事。実は私も何か変なものを感じてたから伝わったのかなーと実感。それ以来ドイツリートはあまり歌ってなかった。
日曜日の会で久しぶりに彼へのオマージュとしてリヒャルト・シュトラウスの万霊節を歌ってみる。相方からはこれからも歌ったらと言われ、今度は何歌おうかなあ、と行き着いたのが何故かリートではなく昔から好きだったサロメ!そこでニルソンを初めてじっくり聴いたが素晴らしい。
まだこんなの歌えるかなあ。
頑張ってみようかな?
そうだ、まず楽譜を探さなきゃネ😍




2023年最後の日、12月31日の今日、暇なのでyoutubeでコレを一気見しました。
この主役のテノール、実は今まで一番嫌いでした。何故かというと発声の技術が最低だしだから声が下品だし。ところが最初の一声は予想通り笑っちゃう位酷かったけれど、その後からはあの伝説のスカラ座でのカレラスに驚く程似ていました。まるで瓜二つです。きっと勉強の為か覚える為か1日中聞いていたんだろうなあ。そして多分自分でも気づかないだろうけど技術をそっくり真似していました。技術を真似出来るって実は凄いです。普通は真似出来ない。真似する気もない。何故なら人はアペルトが好きだから。今回のこのテノールの演奏を良くなくなったと思う人は・・・間違ってますよ、ふふふ😁
それに比べてソプラノはこの役にあっていないと言うよりはっきり言ってこの先がないという演奏でした。メゾソプラノはいつもより抜けていたけれど3重唱からは復活しアリアはとても良かった。
バリトンはいつもの安定した発声の良さで素晴らしい。あんまり楽勝なのでつまらないと思うのは贅沢ですね。いやー勉強になりました。
さて、次は何を見ようかな~😍

先日ボローニャ歌劇場が来日し私の大好きなテノール、アルヴァレス氏がマウリツィオを歌いました。

ところが、私は体調が良くなく行けなかったのです。残念無念!

そこでどうだったか行った人に感想を聞いたのですが・・・

うん?なんか違うなあ~

私がおかしいのかと思ったのですが相方も私と全く同じ意見でした。

どうしてこういうことになったのか?

発声や舞台上の考えも同じ方向を向いていると思っていたのに?

まず、アルヴァレスはレジェンドです。出て頂けるだけでおんの字な存在です。

またこの年でマウリツィオを歌うなんてとてつもなく大変なのです。何が大変かと言うとブレスにとって大事な肺が動くのに時間がかかるからです。

その為に最初アペルトで歌って大量に息を通したり(これは結構危険でわかってないとダメ)、1オクターブ下げてケチったり(器用な人間しか出来ない)、懸命に微調整しながら歌っていく訳です。

まあ彼は昔からやってましたけどね。これは彼の敬愛するディ・ステファノと同じ手法です。

今の歌手、特にイタリア人じゃない歌手は何でもいいから高音は出す、音楽的じゃないけどとりあえずきっちり歌うのが多いから四苦八苦して何とか身体をならしている姿に違和感を覚えるのかな。

またオケもきっちりなんか合いません。微妙にズレズレです。むしろきっちり合ったら気持ち悪いです。その代わり人間的なドラマがあります。一見バラバラのに同じ方向に向かっている。

私にはそれが非常に面白くまるでスリルとサスペンスの様にワクワクします。

私の友人のTさんはこのトスカの感想が私達とほとんど同じでした。流石に外国で沢山オペラを見られていて確かな耳を養われたのだなと思いました。

私達はアスリートと同じです。舞台上で格闘しています。どう格闘しているかわかったらもっと楽しめるし真実が見えるでしょうにね。



昨日は二宮氏主演のファルスタッフに行きました😍この役を素晴らしく演じられるのは彼とマエストリくらいじゃないかな?・・・誉めすぎ?
いやいや、それほど素晴らしい演奏でした。
何がいいかって持ち声があるのは当然ですが、メソードに忠実なのです。技術を確立するのは時間がかかるし地味な積み重ねが必要です。ほとんどは我慢が出来なくてただ派手に歌うだけになってしまい声を失って行くのです。
これからが楽しみ‼️
私もまだまだ頑張るぞ‼️と勇気を貰いました😍


お見舞いに行った時の写真♥️マエストロ di stefanoは強盗にあって奥様をかばい頭を打ってしまいした。今は素敵な奥様も亡くなったとの事。寂しいです😭