ヨシュカ「あれからどこを探してもケルトイの姿は見当たらなかったですね。一体どこに行ってしまったのでしょうか…」
冒険者[呆れるエモート]
声「あ、いたいた!おーい、冒険者さーん!
ティリア「ここにいたのね。冒険者さんに知らせたい事があったから、会えてよかったわ。」
冒険者[考えるエモート]
ティリア「実は以前、冒険者さんが探していた柱が、ウーフ平野にあるって伝えたでしょう?しばらくして、別の調査隊が近辺を歩いていたら、今度は赤く輝く石柱を発見したらしいの。」
ヨシュカ「今度はウーフ平野…やはり、僕たちが以前立ち寄った場所に記憶の石柱が現れるようですね。」
冒険者[頷くエモート]
ティリア「ふふ。それじゃあ、石柱の調査は冒険者さんにお願いするわ。それにしても…あの石柱が発見されてから、妙に胸がざわつくのよね。この辺りの草木も元気がないようだし…冒険者さん、なにか知らない?うーん、気のせいかしら。」
---新しいミッションが開始されました---
【ウーフ平野に向かいますか?】
[選択肢]
①ウーフ平野に移動する
②ミシェルヌ平野に戻る
[①の場合]
[②の場合]
冒険者[記憶の柱に触れる]
幻[雪山で白い竜と剣を構えた女戦士が映る]
---ミッションが更新されました---
冒険者[記憶の柱に触れる]
---エピス雪原---
冒険者[エピス雪原に転移する]
冒険者[オロルフールに移動する]
---オロルフール---
ヨシュカ「…以前来た時よりも、村の雰囲気が落ち着いてる…というより、人の気配がしませんね。野盗に荒らされたような形跡もないようですし、一体なにがあったのでしょう?ひとまず、家をひとつひとつ調べてみましょうか。」
[赤髪の女戦士が家から出てくる]
ヨシュカ「! あ、あなたは…。」
冒険者[武器を構える]
女性[待て。私は争うつもりはない。懐かしい顔だな。まさかこんな場所でそなたたちと巡り会うとは。」
ヨシュカ「どうしてあなたがここに…それに、その耳は!」
アインザーム「これか?過去の大戦後、しばらくして生えてきたのだ。獣の耳らしく、聴覚も痛覚もある。恐らく、これは戦後直前に降った光り輝く雨が原因だろう。」
ヨシュカ「そこまで分析していたとは…それで、あなたがここにいる理由は?まさか、この村に住民がいないのと関係しているんですか!?」
アインザーム「…いいや。私がここを訪れた時には、既に住民の半数以上は姿を消していた。私も気になって残った住民に聞いてみたが、元オリティウス軍相手では誰も口を開こうとしてくれなかった。」
ヨシュカ「元…?」
声「あーっ!」
メイジー「なんでここにオリティウス軍がいるのさ!まさかまた物資を奪いに来たの?戦争は終わったんだから、君たちに渡すものはなにもないよ!」
アインザーム「…ここに来たのは怪我の治療の為だ。この村をどうこうしようとは思っていない。それに、私はもう軍の人間ではない。」
メイジー「…どういう事さ。」
アインザーム「数年前、我らが信仰する戦神オリティウス様が天界に昇った後、オリティウス軍は解体された。それ以来、私は神の武器を捨て、この身ひとつで旅をしていたのだ。私は今までオリティウス様の命じられるまま、戦の先陣に立って来た。戦に勝利すれば、兵士や民の苦労も報われると信じて。だが、現実は違った。なにも満たされず、誰も幸せになどならなかった。私は償いたいのだ。戦争で命を散らした兵士たちの分まで、故郷の為に力を尽くしたい。」
メイジー「…今更、調子がいい事を言わないで!オリティウス軍がわたしたちにした事を忘れたとは言わせない。用が済んだら、すぐにこの村から出て行って!」
アインザーム「…無論、そのつもりだ。村に迷惑をかける訳にはいかないからな。」
アインザーム「ひとつ忠告だ。今、ブルーム雪山に近づくのは止めておいた方がいい。」
ヨシュカ「ブルーム雪山?村で信仰されている聖竜が住む山でしたよね。そこになにがあるんですか?」
アインザーム「…とにかく、そなたたちからこの村の住民たちにも伝えてくれ。頼んだぞ。」
メイジー「全く、なんでわたしが…ふんっ!誰が言う通りにしてやるもんか!雪山の怖さはわたしたちが一番よく知ってるんだよ!…と、ゴメンゴメン。つい熱くなっちゃった。それよりも、どうして君たちがここにいるのさ。まさか、君たちも村の様子を見に来たの?」
冒険者[考えるエモート]
メイジー「君たちとソフィア街で別れた後、サウロと一緒にもう一度シュオール街の様子を見に行ってみたんだよ。そしたら、マルチおじいちゃんの姿は見当たらないし、知り合いが何人も姿を消していたんだって。で、わたしもオロルフールの皆の事が気になって、自分の故郷に戻って来たって訳。」
ヨシュカ「そうだったんですか…あれ?サウロはどこに?一人でここまで来たんですか?」
メイジー「あぁ、彼なら…。」
声「おーい、メイジー。」
メイジー「もう、遅いよ!わたしについて来てって言ったはずだよ!」
サウロ「ご、ごめんごめん。吹雪で姿を見失っちゃって…あ、謝るから暖を取らせてくれないかな?ささ、寒くて身体が凍りそうなんだよ。」
冒険者[喜ぶエモート]
サウロ「や、やあ…久しぶりだね。元気だったかい?」
ヨシュカ「ところで…そちらの方は誰ですか?」
男「…やだなあ。忘れてしまったんですか?私です、リヒトですよ。」
ヨシュカ「……え、えぇ!リ、リヒト?本当にあのリヒトなんですか!?」
メイジー「そうそう、その反応!初めて見たらそりゃあ驚くよね。どういう訳か、しばらく見ない内にこんなにたくましく成長しちゃったのさ。」
リヒト「ははは、ありがとうございます。」
ヨシュカ「一体、なにがあったのですか?」
リヒト「話せば長くなるのですが…神々の戦争終了後、私は神の啓示を受け、各地で世界を脅かす竜たちと戦う為に飛び回っていたのです。強大な敵と戦闘を続けている内に、いつの間にか身体が鍛えられたのだと思います。」
ヨシュカ「世界を脅かす竜…?竜がなにをしたというのですか?」
サウロ「なんだ、君たちは知らないのかい?」
メイジー「噂によると、竜たちは大地に流れる自然の力を吸収して、神の代わりに世界を征服しようとしているんだって。その証拠に、各地で竜が猛(たけ)り狂い、人里に被害が出ているって。」
冒険者[考えるエモート]
ヨシュカ「ありえません!自然と共に生きる竜が、地上を支配するなんて考える訳が…。」
サウロ「…残念だが、実際に人的被害が出ているんだ。彼らは悪戯に人々を襲わない。もし、彼らが俺たちに牙を向けているのなら、本気なんだと思う。」
ヨシュカ「そんな…。」
リヒト「竜は自然の一部…完全に倒す事はできません。ですから、種の女神に力を与えられたこの聖なる剣で、竜を封印するのです。」
ヨシュカ「…封印?その剣で、ですか?」
リヒト「神の名の下に竜をその地に封印する…それが自然を破壊する事なく、暴走を止める唯一の手段。神々に後を託された私が果たすべき最後の啓示なのです。」
サウロ「……」
ヨシュカ「神の加護を補う為に竜を大地に縛り付ける…天竜ウラドゥームの言っていた事は本当だったのですね。」
リヒト「さて、お話はここまでにしましょう。私はこれから雪山に向かいます。」
ヨシュカ「雪山?もしかして、この村の向こうにある雪山の事ですか?」
リヒト「ええ。私たちはあの山にいるという竜の討伐の為にここまで来たのです。」
ヨシュカ「オロルフールには村を守る聖竜がいると以前、聞いた事がありますが…もしかして、その竜も討伐するつもりなのですか!?」
リヒト「例えどんなに風格がある竜だとしても、罪を犯せばそこらにいるモンスターと変わりありません。これ以上被害を出さない為にも、討伐しなければ。」
ヨシュカ「でも…」
リヒト「…ふう。これ以上討論をしても、お互いの納得のいく答えは出るとは思えませんね。では、私はこれで。」
[リヒトが雪山に向かう]
メイジー「大人になった今でも、女神様への愛は健在のようだね。困った子だよ。」
ヨシュカ「…メイジーはこれでよかったんですか?村を守る聖竜がいなくなってしまうんですよ?止めるべきではないんですか?」
メイジー「うーん…村を守る聖竜といっても、わたしはその竜を見た事がないんだよね。討伐とか封印とか言われても、あまり実感がないというか…村に被害が及ばないのなら、それに越した事はないよ。」
サウロ「…神々の加護がなくなって、暴走した竜を討伐するリヒトの姿は、人々に勇気と希望を与えてくれる。今の彼を止める理由は、俺にはないよ。」
ヨシュカ「そんな…冒険者さん!」
[選択肢]
①サウロ達について行こう
②様子を見よう
[①も②も同じ会話]
ヨシュカ「…分かりました。見定めましょう。竜たちを、そしてリヒトの行いを。」
アインザーム「はあ、はあ…くっ!」
竜「ふふふ、もう息が上がっているようだな。今日はこれで終いか?」
アインザーム「まだ、だ。まだ私は負けていない!」
サウロ「あそこにいるのは…アインザーム!?」
メイジー「あいつ…!」
竜「そうそう、そうでなくては…これだから戦いは止められない!」
サウロ「アインザーム!」
サウロ[アインザームの様子を確かめる]
サウロ「大丈夫、気絶しているだけのようだ。攻撃の派手さと反して、威力は抑えられていたのかも。」
竜「フフ。加減したのだから、当たり前だろう。」
ヨシュカ「あなたがこの雪山に住んでいる竜なのですか?…とても白くて綺麗だ。」
竜「我が名はリューディア。この身体は大地の息吹より創造されし姿。この地が汚されぬ限り、我が純白はあり続ける。ところで、貴公らは何者だ?もしや、そやつの仲間か?」
サウロ「仲間というか、知り合い…いや、敵の方が正しいのかな?」
リューディア「ハハハハハ!おもしろい!援軍と思えば、敵陣が現れるとは!それで?貴公らはそやつをどうするつもりだ?気絶している女をいたぶるか?」
メイジー「そ、そんな事しないよ!」
リューディア「…フフ。ならいい。せっかくの玩具を、みすみす壊されては契約が台無しだからな。」
ヨシュカ「お、玩具…?契約…?」
リューディア「そやつは我の退屈しのぎを買って出たのだ。我の相手をしている間、人々の生活を脅かさぬように、とな。」
メイジー「アインザームがそんな事を…!?」
リューディア「自分よりも、民草の安全を優先する…なんとも献身的で愛らしいだろう?もっとも、我は人間を襲うつもりは最初からなかったがな。」
ヨシュカ「え?それは一体どういう…」
リューディア「逃げ惑う弱者などに興味はない。我が求めるのは命がけの闘い!それ以外に我の心を高鳴らすものはない!」
サウロ「なるほど、生粋の戦闘狂なのか。」
リューディア「ふむ。貴公らも見たところ、戦い慣れしているようだな。よし、そやつが起きるまでの暇つぶしに付き合ってもらおうか!!」
メイジー「…え、えぇ!ちょっと待って!なんで私たちが!?」
サウロ「メイジー、ヨシュカ、下がって!!」
[リューディアと闘う]
サウロ「くっ…!なんて強さだ!こんな強力な竜とアインザームは一人で戦っていたのか!」
リューディア「ハハハ!どうした!貴公らの力はこの程度か!これでは暇つぶしにもなりはしないぞ!どぉれ、もう一発……!」
リューディア[急に無言にり、その場に座る]
ヨシュカ「? どうかしたんですか?」
リューディア「…フン。いいところで邪魔が入ってしまった。」
竜「雪竜リューディア、我ラノ同胞ニナレ。」
竜「今コソ我ラ竜ノ威ヲ示サネバ。」
リューディア「また来たか。戦える者は構えろ。そうでない者は物陰に隠れておけ。」
冒険者とサウロ[武器を構える]
サウロ「メイジー、アインザームとヨシュカくんを頼む!」
メイジー「もう!なんなのさ!」
竜「何故、人間ガココニイル!?」
竜「殲滅セヨ!殲滅セヨ!人間ハ滅ボセ!」
[2体の小さい竜を倒す]
[2体の小さい竜は逃げ出す]
サウロ「ふぅ…こんなものかな。」
ヨシュカ「見た事がない竜でしたね。なんだったのでしょう?」
サウロ「もしかして、山に入った俺たちを襲いに来たのか?」
リューディア「いいや。あやつらの狙いは我だ。ああやって我の前に現れては、仲間に引き入れようとしてくるのだ。まったく煩わしい。せっかくのいい気分が、台無しだ。」
[選択肢]
①彼らに命令しているボスがいる?
②なにかを企んでいる?
[①も②も同じ会話]
リューディア「フフフ、そうだ。ブルーム雪山に住む雷竜ブリッツがあやつらを差し向けているのだ。恐らく我が首を縦に振るまで、この襲撃は止まらないだろう。」
[選択肢]
①な、なんでしょう?
②なにかついていますか?
[①も②も同じ会話]
冒険者[考えるエモート]




