EP6第5章:湖上のさざなみ/第4話:乙女の吐息は加護の中 | 大福のイルーナ戦記

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 EP6第5章 湖上のさざなみ 

ミッション名:乙女の吐息は籠の中
---聖杯の神殿---

ヨシュカ「あっ!」

メルク「皆さん、お待たせいたしました。」

ヨシュカ「もう身体は平気なんですか?」

少女「はい、もうすっかりよくなりました。これも水の巫女であるメルク様と皆様のおかげです。ご迷惑をおかけしました。」


メイジー「迷惑だなんてね。ね〜、ケルトイ?」



ケルトイ「な、なんで俺に聞くんだよ!やめろ、ニヤニヤすんな!」



サウロ「うんうん。なにはともあれ、元気になったようでなによりだ。」


リヒト「メルクさん、ありがとうございます。助かりました。なんてお礼を言えばいいか…」


メルク「いいえ。皆様のお役に立てたのであれば、これ以上の幸福はありませんわ。さぁ、皆さんで祈りましょう。この世界の平和を祈って…」


ケルトイ「それはそうと、これからの作戦を考えようぜ。」


少女「?作戦というのは?」


サウロ「そのままの意味だよ。彼女のおかげで充分な休息は取れた。次は今後の事を話し合おうってね。」


リヒト「僕とケルトイはまた、各地に存在する神の武器を探したいと思います。僕たちは今までひとつも神の武器を手に入れられていない女神に認められる勇者になる為には、ちゃんと成果を出さないと。そこで、メルクさんとグリフィスさんにお願いがあるんだけど…」


グリフィス「…ん?」


メルク「…はい?なんでしょうか。」


リヒト「その、僕たちと一緒に神の武器を探す旅に出ませんか?」


メルク「わたしが、皆さんと一緒に?」


リヒト「ケルトイと話していたんです。今は世界の一大事こういう時こそ、神の武器を授かった僕たちが協力して災いに立ち向かおうって。」


ケルトイ「俺は止めたんだけどな。こいつは一度こうと決めたら聞かないんだ。」


少女「私も賛成です!ですよね、冒険者様!」


[選択肢]
①とても心強い
②君たちが必要だ


①も②も同じ会話]

冒険者[喜ぶエモート]

少女「どうでしょうメルク様、私たちと共に世界へ外に出てみませんか?」

メルク「あっ……大変喜ばしいお話なのですが、申し訳ございません。わたしは水の神殿の巫女として、ここを動く訳にはいきませんの。」

メイジー「あら、そうなの?残念。」

リヒト「そう、ですか…」

サウロ「彼女には彼女の役割があるんだ。無理強いはよくないよ。」

[地鳴りがする]

ケルトイ「な、なんだ!?」

ヨシュカ「外から聞こえたようですが、今のは一体…!?」

メルク「ミネロお姉さま!?」

ミネロ「う、うぅ…メルク…」

メルク「すぐに傷を癒しますわ!でも、お姉さまがこんな重傷を負うなんて…一体なにがあったのですか?」

ミネロ「侵入者よ白い鎧をまとった兵士たちが現れて多勢に無勢だったわ。」

ケルトイ「白い鎧…オリティウス軍か!!」

メルク「でも、そんなの変ですわ!神殿の周囲には結界が!あれは聖なる力を持つ者以外は通さないはず…!」

セル「神の武器か…」

サウロ「なるほどね。聖なる力… つまり、神の武器の所有者であれば、容易に結界を通る事が出来るのか。それなら、オリティウス軍の中にアインザームという女騎士がいる。恐らく、彼女が軍を率いているのだろう。」

リヒト「女騎士 確か、サウロさんが以前出会ったという神の武器の保持者ですよね。」

ケルトイ「あーもう!ここにいても埒(らち)が明かねえ!いくぞ、リヒト!」

リヒト「ま、待ってよケルトイ!作戦を考えないと…!」

メイジー「待って!これは遊びじゃあないんだよ!」

サウロ「彼らだけじゃあ危険だ。俺たちも加勢しよう!」

冒険者[頷くエモート]

グリフィス「メルク…」

メルク「ええ、分かっています。グリフィス君も準備をお願いします。」

---新しいミッションが開始されました---
---ザルム湖畔・最深部---

声「全員、後退せよ!」


アインザーム[一振りでアイゼンを倒す]


アインザーム「この程度の攻撃で地に伏せるとは…噂に名高い自然の眷属が聞いて呆れる。」


リヒト「そんな、あの巨大な竜を一撃で倒すなんて…!」


ケルトイ「チッ。」


[ケルトイがアインザームに向かって走る]


サウロ「あっ、こら!」


アインザーム「脅威は討ち取った!残るは水の巫女だけだ。前進せよ!」


声「ちょっと待てぇ!」


アインザーム「!!」


ケルトイ「ここから先は通さないぜ!」


アインザーム「…なるほど。そなたたちが我が軍を掻き乱す神の武器を持つ子供たちか。確かに常人では持ちえぬ力を感じる。しかし、それはあくまで神の武器の力だ。本来なら子どもに武器を向けたくはないのだが…許せ。これも我が軍の光栄の為、オリティウス様の勝利の為だ…」


アインザーム「ん?はは、これは面白い。このような場所で再び相まみえるとは思わなかった。なあ、雇われの戦士よ。」


[サウロが剣を抜く]


リヒト「サウロさん!」


サウロ「…彼女には以前戦った時の借りがあるんだ。俺が相手をするから、君たちは他の兵士たちを頼む。」


[選択肢]
①任せて!
②ここはお願いします!


[①も②も同じ会話]

ケルトイ「分かったぜサウロさん!俺たちに任せてくれよ!」

リヒト「なんとしてもここは死守してみせます!」

[兵士たちと戦う]

---ミッションが更新されました---
ケルトイ「いくら倒してもキリがねえ!リヒト、そっちは!?」

リヒト「僕も、長くは持ちそうにないよ!サウロさんは!?」

声「はあああああぁっ!!」

ケルトイ「くそっ、一体いつになったら終わるんだよ!」

リヒト「このままだと、兵士たちが神殿に押し寄せるのも時間の問題…!冒険者さん、ボクたちが持ちこたえている間に神殿内にいるメイジーさんたちに避難を呼びかけて来てもらえませんか?」

ケルトイ「安心してくれよ。アンタが戻ってくるまで粘ってみせるぜ。」

冒険者[頷くエモート]

ケルトイ「…!リヒト、後ろだ!!」

兵士「くぅ…!」

リヒト[倒れた兵士に剣を振りかぶる]

兵士「まっ、待ってくれ!見逃してくれ!!」

リヒト「その声は…森で倒れていた人の声…もしかして、あなたがこの場所をオリティウス軍に教えたんですか!?」

ケルトイ「なっ、てめえ!リヒトに助けられておいて、自分の都合しか考えてねえのか!」

兵士「し、仕方なかったんだ!風竜の討伐に失敗したからには、別の功績を上げないと…こうするしかなかったんだ!」

リヒト「なんで…」

[リヒトが剣を構えたまま兵士に近づく]

兵士「ひ、ひいいぃ!許してくれ!」

リヒト「なんで、なんでなんで…!!」

ケルトイ「リヒト!」

---ミッションが更新されました---
---聖杯の神殿---

少女「冒険者さん、お怪我はありませんか!?外に出た皆様はご無事なのですか?」


冒険者[頷くエモート]


グリフィス「メルク…準備が終わった、ぞ。」


メルク「…そうですか。グリフィス君、感謝いたしますわ。」


メルク「メイジーさん、危険を承知でお願いしたいのですが、外で戦っている皆様をここへ連れて来て頂けませんか?」


メイジー「わ、わたしは構わないけど、いいの?そんな事したらオリティウス軍の奴らが入ってくるわよ!」


メルク「心配いりませんわ。既にグリフィス君に頼んで、脱出経路を確保して頂きましたの。」


[グリフィスが転移陣を展開する]


グリフィス「ここから、脱出できる。」


ヨシュカ「い、いつの間にこんなものを…!」


メルク「皆さんが撤退次第、わたしの力で神殿の入口にもう一度結界を張ります。それで脱出の時間を稼ぐ事が出来るはずですわ。」


メイジー「わ、分かった!わたし、皆を呼んで来る!」


少女「あの…メルク様はどうなされるのですか?メルク様も一緒に脱出なされるんですよ、ね?」


グリフィス「……」


【メルクは少女に水花のブローチを渡した!】


少女「メルク様、これは…!?」


メルク「それはお守りですわ。わたしだと思ってお持ちになってくださいませ。」


声「おい!」


[メイジーがケルトイたちを呼んで帰ってきた]


リヒト「…ッ」


少女「リヒト様!その怪我は!?」


ケルトイ「手負いの兵士に油断して負かされた。ったく、馬鹿なやつ。」


サウロ「メイジーから聞いたよ。脱出方法があるんだって?」


メルク「お待ちしておりました。さぁ、そこから脱出してくださいませ!」


ケルトイ「よし、さっさと行こうぜ!」


ヨシュカ「ちょ、ちょっと待って!まだここに入っちゃあダメです!」


ケルトイ「はぁ?なんでだよ。脱出路はそこなんだろう?早く進めよ。後がつかえるだろ」


少女「待ってください、まって!あっ!」


[リヒトとケルトイは先に行ってしまう]


サウロ「さぁ、俺たちも行こう。」


メルク「サウロさん。」


メルク「サウロさん、どうかこれをお受け取りくださいませ。」


メイジー「そ、それって…!」


【サウロはメルクから神の聖杯を譲り受けた】


メルク「このままでは、外にいる兵士たちに奪われてしまいますわ。この聖杯は、あなた方の今後の旅に必ず役立つはず…どうかお持ちになってください。」


サウロ「…あぁ、分かったよ。」


[サウロとメイジーが脱出する]


ヨシュカ「…あなたはどうしてここから逃げようとしないんですか?逃げようと思えば、今からでも!」


メルク「わたしの役目はあなた方に神の聖杯を託す事。そして、この結末はヴァサリア様より告げられし宣託…運命には誰にも逆らえないのですわ。」


メルク[祭壇に向かって座り祈りを捧げる]


ヨシュカ「……」


メルク「皆さんに一緒に旅に出ようと誘われて、とても嬉しかったですの。短い間でしたが出会えて本当によかったですわ。どうかあなた方の旅路に幸あらん事を。」


[記憶の碑石が出現する]


[セルが黙々と収納する]


セル「…行くぞ。」



[選択肢]
①…さようなら
②ありがとうございました


[①の場合]

共通文へ


[②の場合]

冒険者[頷くエモート]


[メルクを残し、冒険者たちは脱出する]

メルク「結局、お姉さまには最後までこの事をお伝えできませんでしたわね…」

メルク「ああ、でも、そうですわね…」

[メルクの背後から剣を持った男が忍び寄る]

[男が剣を突き立てた後、大きく振りかぶる]


メルク「死にたくなんて、ありませんでしたわ。」

[男が剣を振り下ろす]


---ミッションが更新されました---
---天空の方舟---


【見下ろすと、ザルム湖畔の様子がよく見える。神殿がオリティウス軍によって制圧されてしまったようだ。】


ケルトイ「くそっ!俺たちにもっと力があったら…!」


サウロ「……」


声「皆さん、ご無事のようですね。」


ヨシュカ「あ、あなたは…」


ストーミア「私は風を司る女神ストーミア。この船は私が所有する飛行艇です。皆さん、よくぞあの激しい戦線を潜り抜けましたね。やはりあの三人が見込んだだけはあります。」


ケルトイ「…?おい、一人足りねえぞ?あの水の巫女は?一緒じゃなかったのかよ。」


サウロ「…彼女は俺に、俺たちに神の聖杯を託して、水の神殿に残ったよ。」


リヒト「…!!」


ケルトイ「はぁ!?な、なんで!?」


ストーミア「今回、オリティウス軍が水の神殿を襲撃したのは、神の聖杯を入手する為でした。無造作に湧き出る治癒の水…彼らはそれを切り札にしようと考えていたのでしょう。」


サウロ「確かに…神の聖杯を使えば、どんなに重傷を負っても治してしまう。倒した兵士たちを復活させる事によって、敵の意表を突こうとしたのか。」


ストーミア「あなたたちのおかげで、神の聖杯はオリティウス軍の手に渡らずに済みました。ですが、水の神殿に存在するはずの水の聖杯と、それを守る巫女…どちらも外へ出たのであれば、今度はオリティウス側だけではなく、その噂を聞きつけた様々な集団に狙われてしまいます。彼女はあの場所に残る事で、神の聖杯を守る巫女としての役目を全うしたのです。」


ケルトイ「役目を守る事がそんなに大事かよ…死んだらなんの意味もないだろ!」


ストーミア「…それが彼女に与えられた運命なのです。わたしたちはそれを傍観するしかできません。落ち込んでいる暇は、残念ながらありません。状況は刻一刻と変化しています。」


ヨシュカ「…というと?」


グリフィス「オリティウス軍が、義の民に宣戦布告をした。」


ケルトイ「!?」


ストーミア「オリティウス軍は少数精鋭で各地に部隊を派遣し、必要な物資、戦力を蓄え既に戦争の準備を整えていたのです。幸いにも神の聖杯は奪われずにすみましたが、それでも宣戦布告をしたという事は…」


メイジー「もう時間がないって事だよね。」


リヒト「そんな、僕たちはまだなにも…戦争が始まったら僕たちじゃあどうする事もできないよ…」


ケルトイ「諦めんな!その剣にかけて…女神に誓ったんだろう!俺たちの手で平和を取り戻すって、お前が言い出した事だろう!今更怖気づきやがったのか!」


リヒト「ケルトイ…でも、僕がなにかした所でいい事なんてひとつも…ッ!」


ケルトイ[リヒトに掴みかかる]


ケルトイ「女神に認められる勇者になるって決めたのはお前だろう!俺はなあ、無茶だと知った上でお前の夢物語に乗ってやったんだ!ひとつやふたつの挫折で、お前が諦めるんじゃあねえ!!」


少女「…そうですよ、リヒト様。諦めるにはまだ早い…戦争を回避する手段は残っています。」


少女「私の力を使えば、きっとこの戦争を止める事ができます!どうか私の力を、お二人の為…そして平和の為に使わせてください。」


ケルトイ「立てよ。これからが俺たちの大逆転劇の始まりだ!」



リヒト「ありがとう…2人共。」


サウロ「冒険者…またしばらくの間、リヒトたちの傍にいてやってくれないか?その戦争は恐らく、もう止まらない。もしかするともっと酷い事が起こるかもしれない気がしてならない…そうなる前に、一刻も早く、主神アルマスを見つけたいんだ。イルーナ 12神を統括する主神ならきっとこの状況を打破してくれるはず。」


[選択肢]
①1人で行くの?
②あてはあるのか?


[①の場合]
サウロ「うん、一度故郷に戻ろうと思うんだ。元々、主神アルマスを見つけるのは俺が頼まれた仕事だし…リヒトたちが頑張るのなら俺も頑張らないと。」

[②の場合]
サウロ「一度、故郷に戻ってみようと思うんだ。灯台下暗し、という事もあるかもしれないし。それに、故郷の近くにはサチュルと出会った大地の民の里もあるんだ。そこにも立ち寄ろうと思う。」

メイジー「ちょっと、なにをコソコソ話してるのかな〜?わたしも仲間に入れてよ。」

サウロ「もしかして、ついて来るつもりかい?」

メイジー「当たり前でしょ!君はわたしの雇われボディーガードなんだから!それにちょっと間違ってるよ。わたしが君について行くんじゃあない。君がわたしについて来るの。オーケー?」

---ミッションが終了しました---