「トゥーランドット」英国ロイヤル・オペラ2024年日本公演 | サーシャのひとり言

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2024年6月29日

「トゥーランドット」

東京文化会館


以下ネタバレを含みます。



トゥーランドットはキャスト変更、しかもダブルキャスト。


ティムールのジョン・レリエさん、素敵な声とルックス照れ、どこかで聞いた気がする、と思ってたら、「悪魔のロベール」のDVDに出てくる素敵なベルトランでした!


先週のリゴレットに続き、トゥーランドット。

自席は2階L1列目。


とにかく美術と演出が素晴らしいの一言。

仮面を多用して表情が見えないのが非常に不気味、

血生臭くて残酷で粗暴な雰囲気が、きれいなようで綺麗事ではない世界観を良く表していました。

合唱、舞踏メンバーも入れるとかなりの人数のキャストだったと思います。

「オペラを観た!」という満足感いっぱいにしてくれる舞台でした。


第1幕は、何となく全体的に音も動きもわちゃわちゃして(私見です💦)加えて少しカラフとリューが抑えめ?と感じましたが、

第2幕からは本当に言う事なし。

特に第2幕、トゥーランドットのロウ・リン姫の歌からは舞台の空気が変わった気がしました。

ここからの音楽の凝縮度半端なし。

キャス変のプウォンカさん、実に素晴らしかった、完璧なトゥーランドットだったと思います。


第2幕以降はジェイドさんのカラフもよく伸びる輝かしい声でラブでした。


↓このあと、カラフがティムールの杖を奪って銅鑼を叩きます。目の不自由な父親に何たる仕打ち、親不孝もの!


↓天井からアルトゥム皇帝が吊り下げられてきてびっくり!かなりの高さですよ。

そして歌う以外は寝ているみたいな演技も面白かったウインク。歌う場面も手がプルプル震えるリアリティ溢れる演技。


ちなみにリューの亡くなる場面もただ倒れるのではなくて目付きからして迫真の演技でした。

さすがシェイクスピアの国?だからでしょうか。

細かいところまで作り込まれた感じに一瞬も舞台から目が離せず。


コメディアン的な扱いのピン・ポン・パンも舞台狭しと動き回ってこれまで見たことのない存在感でした。


この人の名前は・・・でカラフがナイフを取り出し自死を試みる、「その名は愛!」でニッコリ手を下ろす演出も初めてみました。良いかもウインク


ラスト、幸せな2人の前をリューの亡骸の乗った車を引くティムールが通り過ぎる演出も◯。

この単細胞で能天気な男性(カラフ)には、自分の幸せが人の犠牲の上に立ってることを忘れて欲しくないですものね。


演奏会形式も良いけど、やはり作り込まれた舞台を見ると満足感が違う、と改めて実感した半日でした。








肺の手術から一年半ほど経ってこちらは完治したこともあってすっかり忘れかけてましたが、今度は心エコーで心臓弁膜症が見つかってしまいちょっとガッカリ。

いやはや歳を取ると色々出てくるものですね。(ギリ50台)

ホントに元気なうちに舞台でも旅行でも何でもしておかなくちゃと改めて。

次の旅行は7月に須磨周辺敦盛様紀行の予定です。