映画のなかの“狐”たち | S A L O N

 

1944年10月14日、その3ヶ月前(7月17日)に受けた機銃掃射による頭部への傷を癒すため、ヘルリンゲン(ウルム近郊のバーデン=ヴュルテンベルク州にあるブラウシュタイン市の地区)の自宅で静養中のエルヴィン・ロンメル陸軍元帥の元に、総統の使いとしてヴィルヘルム・ブルクドルフ陸軍中将(当時、のち歩兵科大将)とエルンスト・マイゼル陸軍少将(当時、のち陸軍中将)が訪れた。

 

 

要件は、7月20日の総統暗殺未遂事件への関与の嫌疑で、ロンメルに“反逆罪による汚名の死(絞首刑)か、名誉の死(自決)か”の 二者択一を迫るものであった。
ロンメルは「私は軍人であり、最高司令官の命令に従う」とし、家族の身の安全を保証させたうえで、後者を選択した。

午後1時5分、妻(“ルーシー”)と息子(マンフレート)に事情と別れを告げた後、ブルクドルフとマイゼルに伴われ、ロンメルたちを乗せた車が静かに自宅を離れていった。
車は、自宅前の…現在は“エルヴィン・ロンメル坂(Erwin Rommel -Steige)”とされる道路を登り、L1236道ヘと反れる分岐点をルフェンシュタイン通り(Helfensteinweg)へと右に400m程進んだ辺りに停車(※)、ここで用意されたシアン化物(青酸カリ)を服用し亡くなった。
かつて、北アフリカ戦線に於いて“砂漠の狐”と異名を馳せたロンメルの静かな死であった。(享年52歳)

 

因みに、今日10月14日で“砂漠の狐・ロンメル将軍”が亡くなって…ゾロ目の没後77年目。

そして来月11月15日で…切りよく(?)生誕130年目を迎える。
 

 

※自宅のあった場所から1.5㎞程離れたその場所には、ロンメル最期の地として記念石碑(Erwin Rommel-Gedenkstein)が置かれ、街の中心部…オーバーヘルリンガー通りに面したセント・アンドレーアス・ヘリンゲン教区の墓地の一画に、妻のルーシー(1971年9月26日没・享年77歳)とともに葬られている。

 


 

私のミリタリー(軍事、軍装、アクション・フィギュア)というか、ドイツ軍関連に関する興味再燃への切っ掛けとなったのは、今から23年程前のとある深夜に放映されていた『The Desert Fox』…邦題は『砂漠の鬼将軍』という映画をたまたま見たことに因るところが大である。
幼少の頃…男児向け可動フィギュア(米軍兵主流のハズブロ社のG.I.ジョーよりも独軍兵のラインナップもあったタカラのニューG.I.ジョー)やタミヤAFVのプラモデルなどでの興味の対象は、その当時から勿論、ドイツ軍モノにほぼ限ってはいたし、TVで放映されていた『コンバット』やその他、映画のなかで呆気なく、少々間抜けに負けると分かっていてもドイツ軍を贔屓してしまうような、現在に至るような素地は芽生えてはいたものの…

フィギュアはフィギュアでも、ミリタリー物だけでなく、ゴジラやウルトラマンをはじめとする怪獣モノのソフビや、その後は、同タカラから後発で発売になった変身サイボーグ・シリーズへ移行したり…さらに、年頃になって野球(勿論、ミスターG!長島茂雄)、ファッションや音楽、アイドル等々へと興味の対象がシフトするとともに…また、ご多分に漏れず、別の意味での(受験)戦争状態に突入したことなどもあり次第に縁遠くなってしまっていた。

The Desert Fox:(邦題:砂漠の鬼将軍)』(1951年)


 

この映画が制作されたのは1951年(昭和26年)…戦後6年目の、この時期、日本は連合国側とサンフランシスコ講和条約の締結に至り、これで正式に“戦争状態”が終結し、日本の主権が承認…晴れて再び独立国となったが、まだまだ国内は戦後復興の初期段階だった。 
北アフリカ戦線において、英領インド陸軍准将として任官し、ガザラ地区で第10インド旅団の指揮を執っていた際にDAK(ドイツ・アフリカ軍団:Deutsches Afrikakorps)の捕虜となった原作者のデズモンド・ヤングが、英国軍内でも神格化されていた敵将の“砂漠の狐”に、ほんの一瞬といっても過言ではない接点の間に魅了され、戦後に作家、ジャーナリストとなった彼が執筆、1950年出版された「ロンメル将軍(原題:Rommel)」を基に映画化されている。
因みに、劇中では…ロンメルに救われたインド軍先任将校“デズモンド・ヤング中佐”役を自身が演じている。

 

(西)ドイツでの公開当時のプログラム(パンフレット?)の表紙。
A3サイズの用紙を二つ折りにして見開きとしたチラシ?とも思えるほどの簡単な物。
独題の“Rommel der Wüstenfuchs”とは“砂漠の狐・ロンメル”…原題がそのまま独語に訳されている。
海外では慣習、文盲率などの理由から字幕ではなく吹き替えが主流なのだそうで、劇場公開時には独語吹き替え版で上映されていたのかもしれない。(現在はどうなのだろうか?)
出来れば、独語吹き替え版・日本語字幕のDVDで見返してみたいものである。
もともとの英語版よりも、そちらの方がシックリくるのではないかと思うのは私だけではないと思うのだが…

余談だが、邦題では“砂漠の鬼将軍”としたのはなぜなのだろうか?
ともすると、当時の日本の“狐”に対するイメージが人を化かしたり騙したりといったズル賢いといったマイナスのイメージがあることに加え、そこから勇猛果敢なイメージを投影しにくい等の配慮からか…などと勝手に想像したりもするのだが…?
現代では“砂漠の狐”という言葉自体が認知されているようにも思うので、『砂漠の鬼将軍』ではなく『砂漠の狐』の直訳ですんなり決まるところなのだろうが、現代の感覚と当時の感覚は多少の違いもあり致し方のないことなのかもしれない。
因みに、現代では“将軍様”といわれた方が、どこぞの国の将軍様なども連想させ、人を化かしたり騙したりといったズル賢いマイナスのイメージがあるのかもしれない…(苦笑)
 

 

ストーリー的なことは割愛させていただくが…反ヒトラー派を強調する意味もあってか…まぁ、原作自体が“ロンメル”ファン による著作故に致し方ないのかもしれないが、若干思い入れと思い込みと期待が過ぎる観も無きにしも非ずである。
ただ、ロンメルという存在は…強引な私見で誠に恐縮だが、例えるならば“国民栄誉賞”の授与も為された長嶋茂雄のようなもので…アンチ巨人ではあってもミスター・ファンという方も多いというように、ミスターそしてロンメルの至る至らないなどといった些細な事象に拘ることなく、その存在自体に、ある意味魅了されてしまうところがあるのかもしれない。
斯く云う私も、この両人ともに、どっぷりと魅了された、され続けている、その一人であることは言うまでもないが…
話はだいぶ飛躍してしまったが…それまでのストーリー展開はともかく、1944年10月14日…謂われ無き?“反逆罪”に問われ、家族の身の安全の保証と自らの名誉にかけて、強要された服毒自決を潔く選んだラストへと展開…この騎士道=武士道的な結末が、実際のロンメル像をより一層“英雄”化する一助となっている。

 

主演のロンメル役は、当方的には微妙だが、ロンメル役のハマリ役者と評されているジェームズ・メイスン

もしかすると、戦争映画としては人気の高い…1977年公開のサム・ペキンパー監督による英・西独合作映画の『Cross of Iron(邦題:戦争のはらわた)』 での“ブラント大佐役”と言った方がピンとくる諸氏が多いかもしれない。
メイスンは、“砂漠”二部作的な1953年製作映画『砂漠の鼠(The Desert Rats)』でもロンメル役として出演している。
戦後間もないということもあり、制服や徽章類は実物が使われていたとも言われ…
それも、メイソンの衣装は実際のロンメル着用の服だという実しやかな噂まで伝わっているようなのだが…戦中当時の実物の服であったとしても、仕立て、その他の点から見ても、少なくともロンメル着用のそのものではないものと私は思っている。

 

以下は、ロンメルの登場する映画およびTVドラマなどのタイトルを、“ロンメル”を演じた俳優名とともに年代順に並べてみたものである。(掲載漏れがあった場合は何卒ご了承頂きたい)

Five Graves to Cairo』 (1943): Erich von Stroheim
The Desert Fox/The Story of Rommel』 (1951):James Mason
『The Desert Rats』 (1953):James Mason
『Rommel ruft Kairo』 (1959):Paul Klinger
『Foxhole in Cairo』 (1960):Albert Lieve
『Hitler/Women of Nazi Germany』 (1962):Gregory Gaye
The Longest Day』 (1962):Werner Hinz
『The Night of the Generals』 (1967):Christopher Plumme
La battaglia di El Alamein/The Battle of Elalamein』 (1969):Robert Hossein
『Hora cero:Operación Rommel』 (1969):Manuel Collado
Patton』 (1970):Karl Michael Vogler
『Consigna: matar al comandante en jefe』 (1970):Piero Lulli
『Agnostos polemos』 (1971/TV):Giorgos Kyritsis
『Raid on Rommel』 (1971):Wolfgang Preiss
『Operation Walküre』 (1971/TV):Friedrich Siemers
『The Key to Rebecca』 (1985):Robert Culp
War and Remembrance』 (1989/TV):Hardy Krüger
The Plot to Kill Hitler』 (1990/TV):Helmut Griem
『Night of the Fox』 (1990):Michael York
『Normandy/The Great Crusade』 (1994/TV):Peter Kybart
『Triunghiul mortii/The Death Triangle』 (1999):Radu Banzaru
『D-Day 6.6.1944』 (2004/TV):Albert Welling
『D-Day to Berlin』 (2005/V):Weodzimierz Matuszak
『Rommel and the Plot Against Hitler』 (2006):Steve Phillips
『Red Rose of Normandy/Normandy』 (2011/V):Buck Brown
Rommel』 (2012/TV):Ulrich Tukur
 

Five Graves to Cairo(邦題:熱砂の秘密)』 (1943年)

 

第二次世界大戦の戦時中…それも北アフリカ戦線が真っ最中の1943年に製作された、あの名匠ビリー・ワイルダー監督作品『Five Graves to Cairo(邦題:熱砂の秘密)』におけるエリッヒ・フォン・シュトロハイム演じるロンメルを筆頭に、上記のように、これまで数多くの俳優たちが“ロンメル”役を演じている。

 


私の“ロンメル”とのファースト・コンタクトは…確か、小学生の頃にTVで観た1969年製作の伊仏合作映画『La battaglia di El Alamein』…邦題「砂漠の戦場 エル・アラメン」 だったと記憶している。 

 

La Battaglia di El Alamein(英題:The Battle of El Alamein/邦題:砂漠の戦場エル・アラメン)』(1969年)

 

当時は勿論、実在の人物としての“ロンメル”という捉え方ではなく、あくまでも映画のなかでの一ドイ ツ軍人(将軍=偉い人)という捉え方ではあったものの…ロベール・オッセン演じるロンメ ルの登場シーンでは、 ロンメルだけが、制帽(そのうえゴーグル(※)を装用)を被り、上衣はフィールドグレーの詰襟タイプ、そして赤い側線の入った乗馬パンツに黒の長靴という、当方のなかでの“三種の神器?”に適っていたこともあり、子供心に鮮烈・鮮明な印象・記憶として残り、その後の原体験となったものと思う。


 

※ロンメルのトレードマークともなったそのゴーグルは、実はイギリス製の捕獲品(?)で…正式名称はAnti-Gas Eye Shield “Mk.II.”といい、北アフリカでの砂塵に対するものではなく、毒ガスの空中散布から目を保護する目的(効果については疑問であるが…)のもの。

 

 

少々、重箱の隅をつつくような話をすると、ロンメルはこのMk.II.を北アフリカ戦線から装用しはじめたとする記述も多いのだが、フランスのシェルブールにおける1940年6月19日の下の写真を見ると、この時すでにMk.II.を制帽につけている。

 

 

その一週間ほど前の6月12日…サン・ヴァレリー・アン・コーで撮られた写真までは、Mk.II.をつけている姿は確認されておらず、ライツ社製のゴーグルのみを使用していたものと思われるので、この間に何らかのかたち(戦利品?)で入手したものと推測される。

 

そして、北アフリカ戦線赴任直後と思われる下の写真では、今度はMk.II.ではなくライツ社製のゴーグルをまた装用しているのが確認されているが、その後はほぼMk.II.のみに切り替えている。

 

 

因みに、実際の“ロンメル”といえば…このようなスタンダードな勤務服の着用姿というのも勿論であるが、北アフリカ戦線などにみる開襟タイプの熱帯用上衣(フィールドグレー、カーキ、白地など)のイメージが強いのかもしれない。

 


ロンメル自身、そのスタイルを好んでいたと言われるだけに、ドイツに戻っても、上質な生地で仕立てられた開襟タイプの上衣を度々着用している。(先に掲載した、納棺時の服装もこのタイプ)
ただ映画やドラマが、北アフリカ後の“公務”における“公式”な詰襟タイプ着用での登場が多く見受けられる’44年…晩年の設定では、わざわざ“開襟”と“詰襟”の衣装を併用するまでの拘りはもってはもらえないようである。

 

 

映画のなかでは、ゴーグルの他、“砂漠の狐”のもう一つのトレードマークともいえるチェック柄のマフラーは、なぜかシャツの襟元にのぞく スカーフに変えられて、少々派手好みで、二枚目ぶった敵将ロンメル像というスタイルを採った時期もあった。
それが、まさに『砂漠の戦場 エル・アラメン』でのヒョウ柄スカーフを巻いたオッセン・ロンメルである。

 

The Plot to Kill Hitler(邦題:殺しのプロット/独裁者を消せ!)』(1990年)

 

シュタウフェンベルクらによるヒトラー暗殺未遂事件を描いた1990年製作のTV映画『The Plot to Kill Hitlerヘルムート・グリームが演じたロンメルも、スカーフを巻いたキザな二枚目ロンメルといった風である。

 

 

Patton(邦題:パットン大戦車軍団』(1970年)

 

Patton(邦題:パットン大戦車軍団)』では、カール・ミヒャエル・フォーグラーがロンメル役を演じている。
北アフリカの前線と作戦司令部でのほんの数分程のシーンの登場となる。

 


 

ドイツ出身ではあるが…昔流行った言い方をすれば、“ソース顔”なフォーグラーは、ロンメルというよりは、イタリアの将官といった方が納得できるのではないだろうか?
それは、さておき…舞台セットとなる、作戦司令部のガラス張りの執務室…ミッドセンチュリーの設定ではないのだから、もう少し時代考証というものも重要視して頂きたいものである。

 

 

Raid on Rommel(邦題:ロンメル軍団を叩け)』(1971年)

 

“ロンメル”がタイトルにまで冠されている割には登場場面も少なく、その内容自体もお粗末な観の否めない『Raid on Rommel(邦題:ロンメル軍団を叩け)』だが…ロンメル役は、元祖ミスター・ドイツ軍人俳優と言っても過言はないヴォルフガング・プライスが演じている。
プライスは、戦時中(1942年)の独映画『Die große Liebe』で、主人公の親友の空軍中尉役でデビューし、その後も『Der 20. Juli』(1955年)でシュタウフェンベルク役…メジャーな作品では、『A Bridge Too Far(邦題:遠すぎた橋)』(1977年)でのルントシュテット役、『The Longest Day(邦題:史上最大の作戦)』でもマックス・ペムゼル中将役…そうそう、『Is Paris Burning?(邦題:パリは燃えているか?)』でもエーベルナッハ大尉役で出演するなど…数えればキリがないほど、その出演作でUボート艦長、独将校・将官役などを演じている。

なかでも私的には、映画自体もなかなかに面白い、ヘーレン少佐役として出演している『The Train(邦題:大列車作戦)』(1964年)での印象が強い。

 

 

The Longest Day(邦題:史上最大の作戦)』(1962年)

 

他に印象に残っている“ロンメル”登場作品といえば、やはり大作である、この作品でのヴェルナー・ヒンツという方も多いかもしれない。

言わずと知れた、この『史上最大の作戦』は…20世紀FOXが威信をかけ、巨費(1,200万ドル)と、そしてジョン・ウェインを筆頭に、米英仏独から豪華な俳優陣を迎えて製作された。
“ノルマンディー上陸作戦”を描いた作品であり、ヒンツ演じるロンメルも、その多くの登場人物のうちの一人であり、ほんの数分程の出演となる。
勿論、設定的に“砂漠の狐”としてのロンメル役ではない。

 

 

映画として第二次世界大戦を題材に扱ったものの多くは、やはり映画として成立させるということで致し方がないのかもしれないが、どうしてもフィクション性が色濃くなりがちである。
フィクション性がないというわけではないが、最近はTVドラマとして制作されるドキュメンタリー・ドラマ…いわゆる“ドキュドラ”というような作りのモノがなかなかに面白い。
様々な層を対象とし、興業ということを考えざるを得ない映画に対して、ドキュドラは、ある程度限定的な…極端にいえばマニア向けに制作されている と言えなくもない。
従って、資料や史実に基づいて構成していこうとする制作側の意図がある程度窺えて…まぁ、捉え方、取り扱われ方に偏向性はどうしてもあるのだが…自ずと内容もフィクション性よりもノンフィクション性が強調されることとなる。

 


War and Remembrance(邦題:戦争と追憶』(1988年)


War and Remembrance(邦題:戦争と追憶』は、1988年~1989年にかけて全12話(各話1時間50分) が放送された米国ABC製作のTV映画で、1983年に放送された全7話からなる『The Winds of War(邦題:戦争の嵐)』の続編として制作されたドラマ・シリーズで…1941年12月∼1945年8月までの、ヘンリー家とジャストロウ家の人間模様を描いた話がメインとはなるのだが…
各時期における軍事、政情なども、“ドキュドラ”的要素を色濃く盛り込んだ描かれ方で見応えがある。
ヒトラーを中心としたドイツの問題なども、その舞台設定なども含め、なかなか忠実に描かれているように思う。

 

 

その後半の3話ほどに登場するロンメルは、ハーディ・クリューガーが演じている。
クリューガーというと、『遠すぎた橋』でのカール・ルートヴィヒSS少将の印象が強く…という以前に、この作品では“ロンメル”と言われなければ、ロンメルとはわからないかもしれない。
これは、私だけでなく…ここまで見てくれば、何方もお感じになることとは思うが…“ロンメル役はロンメルに非ず”と思った方がいい。
確かに、似ているからと言って演技が良いとは限らないが…
インパクトはあるが、ほんのちょい役的にしか登場しないのであれば、有名どころ?の俳優を選ぶのもいいが、もう少し実在の人物像に近い配役をしてもいいのではないだろうか?

(まぁ、先に挙げたヴェルナー・ヒンツは似ていなくもないが…)
これは、歴史を題材にしたドラマでは避けて通れない問題で、歴史的人物であればあるほど、なかなか上手い落としどころというものは難しいのかもしれないが…
因みにヴォルフガング・プライスは、前作『The Winds of War』 に引き続きヴァルター・フォン・ブラウヒッチュ元帥役として出演している。

 

 

Rommel(邦題:ロンメル/第3帝国最後の英雄)』(2012年)

 

“ロンメル”をメインにフィーチャーした映画『砂漠の鬼将軍』以来…そうした“ロンメル”物が制作されていなかったのが逆に不思議なくらいだが…60年を経て、ようやくTV映画として独・仏・墺合作で製作。

 


1944年3月からロンメルの最期の時までを、B軍集団参謀長ハンス・シュパイデル陸軍中将、そして西方軍司令官(ロンメル負傷後はB軍集団司令官も兼務)ギュンター・フォン・クルーゲ陸軍元帥、他の登場人物などとの関わりのなかから、反ヒトラー活動への関与、そして自決に追い込まれるまでの経緯について時系列的に描かれていく。

 


 

ドイツの制作会社よる120分にわたるTV映画ということで、台詞は勿論…全編ドイツ語であり、ロンメル役もドイツを代表する俳優の一人と されるウルリッヒ・トゥクールが演じている。

 


若干、大柄?な観もあることや…私が人一倍、衣装や徽章に目が行ってしまう質なこともあり、この作品においても処々諸々気になるところはあるものの…ドラマが進むにつれトゥクール・ロンメルも、それはそれで、それなりにはロンメル然として見えてくる。