愛猫“Myu”の突然の死 | S A L O N

8月20日午後11時45分、17歳4ヵ月22日(人年齢推定86歳)の、猫としてはおそらく長寿を全うしての猫生を終えた愛猫「Myu」(ベンガル:♀)。

 

8月9日、亡くなる11日前に撮影した生前最後の写真。

勿論、普段と変わらぬ、餌をおねだりする愛眼のポーズなのですが、最後に、まるでお顔をよく見せてくれるかのように…ちゃんと、それもとてもMyuちゃんっぽい表情の写真を撮らせてくれたのでした。

 

22日午前11時50分から、火葬。

50分程して、お骨上げ、骨壷に納骨も無事終わりました。

頭(頭蓋骨)は、しっかり形をとどめていてくれました。

 

亡くなる数時間前…今思えば、その頃の歩き方が何となく頼りなさ気な、おぼつかない感じの歩き方のようにも思えたのですが…

餌をねだり、それを食べ…水飲み器としている鍋のあるレンジ台に飛び乗り、水を飲み…ごく普段とさして変わらぬ習慣をこなしておりました。

ただ、たまに御法座の下の戸棚をこじ開けて、その中に入り込んだりするのですが…その仕草をしたり…

最近は、怒られた時くらいしかしなかった…ベッドの下にもぐり込んで隠れたりと、妙に身を隠す…今となってみれば、死に場所を探していたのではないかと思わせるような行動をとっていたのです。

更に、この一か月程だったのですが、玄関の…それもタイルの上で寝るようになり…

最初は、ひんやり感を求めて、家のなかで一番涼しい?ところを見つけたのかなぁ~くらいにしか思ってはいなかったのですが…

地べたに直では汚いので、ひんやりシートなどを買って敷いてみたのですが、あまりお気に召さなかったようで、結局、段ボール板を敷いてあげましたところ、それには納得してくれたようです。

その頃から死期を感じて、狭い我がマンションの一室で、なるべくその身を見せないで済む、この部屋のはじっこのところにいたのかもしれません。

 

Myuは、実質、我が家にきてから17年3ヶ月程の間…

生後5ヵ月位の折に、去勢の手術をして以来、このかた一度も動物病院のお世話になったことがありません。

そのうえ、状態が悪くなったような仕草を一度も見たことがないというくらいです。

それは、以前に飼っていたエキゾチック・レオパードという猫種(猫種としては確立しなかったようです)の雄猫…J君の時も同様だったのですが、我が家の猫たちは本当に飼い主思いの猫たちなのです。

とはいっても、もう高齢の猫ですから、一回に食べる量は以前に比べれば多少は少なくはなってきていておりましたが…

それでも、食欲の低下も、少なくとも亡くなるその日の夕方頃までは普段通りにおねだりしてきて、しっかりそれを食べておりました。

 

ただ、ゴールデンウィーク明け頃だったでしょうか、そんなMyuが日に二度、吐き戻しをするようになりました。

ただ、吐いた後は、すっきりするのか逆に餌をねだり、あげると、しっかりそれを食べていました。

元々、主食として“15歳以上用”の缶(小さめフレークのウェットフード)を与えておりましたが、併用してカラカラ(乾燥餌)も与えておりましたが、吐き戻しが頻発するようになってからは、高齢なこともあり、消化機能が少し低下してきているのかもと思い、その後は、ウェットフードのみに切り替え、そのおかげもあってか、この一週間くらいは吐き戻しもなくなっており一安心していたところでした。

ウェットフードは、私が仕事で留守の場合は、仕方なくほぼ完食しておりましたが、休日など在宅の場合は、食べ残して乾燥してしまっている餌は頑として食べないという徹底ぶりなこともあり、一回に与える量を食べきれる分だけにしたこともあり、認知症の人に見られる兆候にもある…食べたの忘れたの?的に頻繁に餌のおねだりがみられ、その頃は、ボケが来てしまったのではということを心配していたくらいでした。

 

そんなMyuに突然、後ろ足の自由が利かなくなったようで、自立できなくなって倒れてしまう症状が出始めたのが(20日)午後11時頃。

これは大動脈血栓塞栓症(ATE)などで見られる症状で、猫の場合、後ろ足の根元の血管(大動脈の両足への分岐部)に血栓が詰まることが多く、これによって後ろ足への血流が遮断されて、麻痺症状が起こるのだとか。

大元しては、心筋症…猫の場合、肥大型、拡張型、拘束型のうち肥大型が多いようですが、肥厚した心筋によって心腔内の容積が低下して血流が低下して停留したり、流れがスムーズにいかなくなって乱流が起こったりして血栓ができやすくなり、その血栓が血流に乗って飛び、患部に詰まる。

猫の場合、心筋症は心臓マーカー(NT-proBNP)の値を検査しないとわからないようで、通常の定期検診だと難しようで…

吐き戻しが続いてた時に、病院行ってたとしても、消化器系の、それも消化機能低下による消化不良で吐き戻しが頻発するんじゃないかくらいにしか思ってなかったので、お腹に変な影はないかの検査はしてもらっても、心臓はノーマークだったと思います。

心筋症による突然死は、予兆なく…文字の如く“突然死”に至ることも多いようで…

Myuの場合、もうだいぶ歳で、しかも我が家の狭い空間だから、走り回るとかも、もうなかったが、これまで息が荒くなっているとか、口開けて呼吸しているとかも見たことなかったので、全く心筋症…というより心肺に問題があるとは思ってもいませんでした。

 

後は、もう横たわった姿勢から全く動くことなく…

最後に「うぅ~」っと小さくつぶやいたのが、絶命の合図でした。

我が家にきてから17年3ヶ月も一緒にいて、最後の1時間も無い間に、あっという間にそのまま逝ってしまった。

いくつかの要因があってのことと思いますが、心不全による突然死(急死)ということなのでしょう。

目は開いていて、勿論、白目でもなく、そのまま、まるで生きているときのような表情で亡くなりました。

長い闘病生活の末というのも、確かに、猫本人にとっても辛く大変ではあるでしょうが…

あまりに、あっという間の突然過ぎて、今は心の整理がつきません。

 

 

先日、私は誕生日をむかえ、母が亡くなったのと同じ年齢にまで達してしまいました。

34年前に母を亡くした時、私は23歳。

若さの強み故か、医学部に籍を置きながら死に対する意識の薄さ故か…

あんなに好きだった母の死でも、涙は流さなかったと思います。

それが、今回は…ある意味、あの頃よりシンドイ。

齢57を過ぎ、生い先の目途が限られていることを否が応にも感じぜらるを得ない昨今…

自分自身が弱っている今は尚更、“ペットロス”は身に…何よりココロに堪えるのです。