小説メインでいくつもり。 -2ページ目

第一章 席替え(6)

前村の後ろの席になったのは小林元彦君。小林は元軽音楽部で、とても音楽好きな人だ。小林の後ろの席は三木和子さん。和子も元軽音楽部で、とても音楽好きの女の子。確か私立梶原高校音楽科専願だったっけ。和子の隣で私の後ろの席の人は、北村高雄君だ。北村は元陸上部で、麻子や彩加と同じ県立小川高校を目指している人だ。ちなみに五十メートル走の記録は最高で八秒二らしい…。この五人が愛実の班のメンバーらしい。愛実逹の通っている中学校での班活動は、放課後の掃除をすることはもちろんのことだが一緒に昼食をとることも義務づけられていたり、他にもとても色々な活動がある。愛実は班のメンバーに特別仲の良い人がいないため、少し不安になった。そこまではまだ良かった。問題はこんなに軽いことではなかったのだ。残念なことになってしまった。愛実の左隣の席になった人は、運悪く福島來未だった。おもわず愛実は麻子逹の方を見た。麻子逹は愛実のことなど忘れたかのように楽しそうにはしゃいでいた。愛実は心の中で呟いた。「私この席で一ヶ月も学校生活おくれるのかな…。」また愛実は胸が苦しくなった。

第一章 席替え(5)

「そうだね。近くの席になれると良いね。」愛実は正直、來未の近く以外はどこの席になっても良いと思っていた。未来は、一番前の席のせいで、先生にくじを作らされていた。來未の書いた数字を見ないといけないと考えるとそれだけで愛実は胸が苦しくなった。チャイムがなってしばらくすると、教室に先生が入ってきた。「西垣先生くじできました。」「どうも。」愛実は來未の声を久々に聞いてより一層苦しさが増した。「みんな席付けー。席替えするぞ。福島からじゅんばんにとりにこいよ。待ってる時間もったいないから今から配る数学の課題でもやっとけー。」待つこと四分。自分の分のくじを引いた。「十六番か。」西垣先生は黒板に席順を書いていた。クラス全員がくじを引き終えた。「じゃーこの席に移動せー。」移動しようとしたとき、麻子が聞いてきた。「愛実ちゃん席何番だった?」「えっ、私?十六番だよ。」「愛実ちゃんまた席遠いよー。何よこれ。そうだ。きっと新種のいじめか何かだよ。」「でも章ちゃんの隣みたいだよ。」「本当!良かった。」愛実は新しい自分の席に向かった。「後ろの席愛実ちゃんか。よろしくね。」上田加奈が言った。加奈ちゃんは文武両道という言葉がぴったり合う元バレーボール部の女の子だ。「加奈ちゃんよろしくね。」加奈ちゃんの右隣は前村俊哉、なぜかいつも遅刻してくる人だ。

第一章 席替え(4)

「まだ百点って決まったわけじゃないけどね。」チャイムがなって先生が教室に入ってきた。「テストはじめるから鞄の中に教科書とかノートなおせー。」先生はそう叫んだが、この中学校に教科書やノートを出して勉強している生徒なんて、多くて半数ぐらいだろう。「テスト用紙配るぞー。早く席座れー。静かにしろー。」愛実はとても緊張してドキドキしていた。今まで覚えていたことが、頭の中てだんだん薄くなって消えていくような感じがした。「よしっ。はじめー。」愛実は、始めの三分間は緊張して解答用紙が真っ白のままだったが、簡単な問題を埋めていくことで、余裕が出できた。そのうちに全ての問題の解答が出きた。時間がたっぷりあまって、逆に暇だったぐらいだ。「鉛筆おけ。後ろの人集めろー。」「やった。やっと終わった。」「愛実ちゃん!次はいよいよ席替えだね。」「あっ、うん…。」「今回こそ近くの席が良いね。」「うん…。」「…愛実ちゃん大丈夫?」愛実は席替えのことなんてすっかり忘れていた。はっきり言って席替えなんてしたくなかったのだ。理由は來未の存在だ。今の愛実の席は廊下側の前から四列目。來未の席は窓側の前列。愛実にとっては今の席はまだ我慢のできる席だ。でも、もしかしたら今回の席替えで、愛実は未来の近くの席になってしまう可能性があるからだ。