第一章 席替え(5) | 小説メインでいくつもり。

第一章 席替え(5)

「そうだね。近くの席になれると良いね。」愛実は正直、來未の近く以外はどこの席になっても良いと思っていた。未来は、一番前の席のせいで、先生にくじを作らされていた。來未の書いた数字を見ないといけないと考えるとそれだけで愛実は胸が苦しくなった。チャイムがなってしばらくすると、教室に先生が入ってきた。「西垣先生くじできました。」「どうも。」愛実は來未の声を久々に聞いてより一層苦しさが増した。「みんな席付けー。席替えするぞ。福島からじゅんばんにとりにこいよ。待ってる時間もったいないから今から配る数学の課題でもやっとけー。」待つこと四分。自分の分のくじを引いた。「十六番か。」西垣先生は黒板に席順を書いていた。クラス全員がくじを引き終えた。「じゃーこの席に移動せー。」移動しようとしたとき、麻子が聞いてきた。「愛実ちゃん席何番だった?」「えっ、私?十六番だよ。」「愛実ちゃんまた席遠いよー。何よこれ。そうだ。きっと新種のいじめか何かだよ。」「でも章ちゃんの隣みたいだよ。」「本当!良かった。」愛実は新しい自分の席に向かった。「後ろの席愛実ちゃんか。よろしくね。」上田加奈が言った。加奈ちゃんは文武両道という言葉がぴったり合う元バレーボール部の女の子だ。「加奈ちゃんよろしくね。」加奈ちゃんの右隣は前村俊哉、なぜかいつも遅刻してくる人だ。