第一章 席替え(4)
「まだ百点って決まったわけじゃないけどね。」チャイムがなって先生が教室に入ってきた。「テストはじめるから鞄の中に教科書とかノートなおせー。」先生はそう叫んだが、この中学校に教科書やノートを出して勉強している生徒なんて、多くて半数ぐらいだろう。「テスト用紙配るぞー。早く席座れー。静かにしろー。」愛実はとても緊張してドキドキしていた。今まで覚えていたことが、頭の中てだんだん薄くなって消えていくような感じがした。「よしっ。はじめー。」愛実は、始めの三分間は緊張して解答用紙が真っ白のままだった が、簡単な問題を埋めていくことで、余裕が出できた。そのうちに全ての問題の解答が出きた。時間がたっぷりあまって、逆に暇だったぐらいだ。「鉛筆おけ。後ろの人集めろー。」「やった。やっと終わった。」「愛実ちゃん!次はいよいよ席替えだね。」「あっ、うん…。」「今回こそ近くの席が良いね。」「うん…。」「…愛実ちゃん大丈夫?」愛実は席替えのことなんてすっかり忘れていた。はっきり言って席替えなんてしたくなかったのだ。理由は來未の存在だ。今の愛実の席は廊下側の前から四列目。來未の席は窓側の前列。愛実にとっては今の席はまだ我慢のできる席だ。でも、もしかしたら今回の席替えで、愛実は未来の近くの席になってしまう可能性があるからだ。