第一章 席替え(3)
「愛実ちゃん、明日はテスト終わったらすぐに下校しないといけないんだよ。」「う…。そうでした。明後日から頑張ろうね。」愛実は夜、明日からの実力テストの勉強をしながら流れ星に みんなの合格を願おうとしたけれど、星は流れなかった。「愛実ちゃんおはよう。テスト勉強したかい?」「願いごとしてたよ。」「あのさ、ここの式ってこうであってるかな。なんか答えがあわなくて…。」「…麻ちゃん、七かける七は六十三じゃないよ。四十九だよ。」「うわー。わかってるのに。」「ケアレスミスだね。これからは気を付けよう。」「気を付けますとも!」一日目は国語、英語、数字の三教科だった。「愛実ちゃん、数学って引っかけ問題あった?」「三問ぐらいあったよ。ねぇ、昌ちゃん。」東村昌也は学年一の秀才で、愛実と同じ県立浅田高校を目指している。「連立方程式のところでしょ。ちょっとあれは難しいとおもうね。」「だよね。先生私達をいじめてるとしか思えない!」「私も引っ掛かりたかったな。」と章子が言ったら、「多分私達は引っ掛かかってはないと思うよ。」と昌也に言い返されました。「引っ掛かかるべきところに気付きたかったってゆう意味だよー。」愛実は英語のテストが上手くいかなかったので、みんなと別れたあと全速力で家に帰って死ぬ気で理科と社会の勉強をしました。「おはよう愛実ちゃん!テスト勉強した?」「多分百点。」「うそー。凄い。今度勉強方法教えて。」
第一章 席替え(2)
とりあえず愛実にとってとても辛くて苦しくてたまらなかった。もちろんその事を愛実の友達もみんな知っていた。「大丈夫?もうすぐチャイムなるからそろそろ教室もどろっか。」「うん。ありがとう。ごめんね…。」「あやまらないで。愛実ちゃんは何も悪くないよ。」 「校長先生のお話聞いてた?」「全然聞いてない。何話してたの?」「鳴き砂の話だよ。確か。」「うそぉ。知らないよ。」愛実は岩崎章未と田中馨に始業式での校長先生のお話を一生懸命説明していた。愛実本人もしっかりと聞いていなかったので、あやふやだった。愛実はいつも章未、馨と下校を共にしている。(麻子たちの家は愛実たちの家と違う方向にある。)「そういえば、章ちゃんとかおちゃんは確か、梶原専願だったよね。」「そうだよ。梶原の進学だよ。」「かおは美術科。私はみんなみたいに頭良くないし、それに私絵描きたいんだ。」「そっか。あおちゃんは絵、とっても上手だから美術科あってると思うよ。」「そうだよね。前の絵画コンクールでも入賞してたしね。」「でもかおね、梶原の美術科も受かるかどうか怪しいんだよ。梶原の目標偏差値四十五なのに、私の今までの最高って四十三なんだよ。」馨は、中学一年生の頃から私立梶原高校の美術科に行きたいとずっと言っていた。「そうだ。愛実ちゃん、かおちゃんに勉強教えてあげなよ。」「良いの?愛実ちゃん…。」「もちろん良いよ。明日から放課後図書室で勉強会しようよ。」
第一章 席替え(1)
高校受験を控えた愛実達にとって、とても貴重な冬休みが終わった。今日から久々の学校だ。しかも明日から二日間は実力テストが行われる。「 テスト嫌だな。」「そういえば二日目に席替えするんだって。今回は愛実ちゃんの近くの席が良いな。」「そういえば麻ちゃんは高校どこにするの?」「私は梶原の特進併願で受かったら小川受けるつもりだよ。」佐藤愛実と今村麻子は小学校からの親友だ。出来れば一緒の高校に行きたかった。しかし学力が違うため、担任の西垣先生に別々の高校に行くことをすすめられた。「愛実ちゃんは併願松本の選抜特進で本命が浅田高校だよね。あーあ。私もちゃんと勉強してたら一緒の高校行けたかもなのにな。」 「良いじゃん良いじゃん 彩ちゃんと北むーも小川だって言ってたよ。こっちも昌ちゃん浅田受けるって言ってるし大丈夫!」 「愛実ちゃん、一つ言っておくけど私たちまだ受かったって決まってないんだよ。」「うっ…。わかってるよ。とりあえず実力テスト頑張りますよ。」がらがらと引き戸を開ける音がして、福島來未が教室に入ってきた。それと同時に愛実の顔が真っ青になる。「愛実ちゃんトイレ行こう。」「麻ちゃん…。」愛実と來未はいわゆる喧嘩中という状態だ