「あーあ。勉強しちゃったよ」
重力の単元を塾生とやりとりしていた時のこと。
二人の会話を聞きながら、
「あの子、出来るようになっちゃったよ」
と。
重力の”N”って、学校でやったけど、よくわからなかった。
あれってなんなの?
っていうところから始めました。
勉強ができるってよく言われる人は、先生に教えてもらったことを、自分の知識に変えることが上手だと思います。
聞いて終わり。
ではなくて、これから自分が問題を解くってなった時に、こうする。
と、自分ごとにするペースが早いのだと思います。
理解するペースは人それぞれなので、集団の授業だと、必ずしも全員が理解しきれているかといえばそうでもなく。
先生が言ったことだけ、手順だけ、とりあえず覚えておけばいいか。
という人もいれば、
何言ってるか理解できなかった・・・。
という人もいます。
どうすれば、自分ができるようになるのか、自分の中で対話して考えて、考えて、自分ものにできる人もいます。
どうやったらできるか
どうしてできなかったか
次はどうするといいか
自分で考えられるようになると、成績ってすぐに伸びていくのですが、一方的に教えてもらうことだけになれていると、自分の知識とするための対話の仕方を知らない人も結構いる。
私は、教えてもらった知識を、自分のものにするための対話の手助けをしています。
教科書や問題集で、さらっと書いてある重要なことを、さらっと文字だけ追わせるのではなく
「それって、つまりどういうことなの?」
と聞きながら、その子に教えてもらうことで、子供たちの思考の整理を手伝います。
教科書の言葉が、自分の言葉になるとき
「ああ、そうだったのか」
と気づくのです。
勝手に教科書などの文章を何度も読み返し始めます。
ぶつぶつ言いながら、あ、そっか。
という場面が出てくるのです。
私が、一人ひとりの語彙力に合わせて、聞きやすい、理解しやすい言葉を使いすぎると、返って子供達の中に残りません。
私が知識を噛み砕くのではなく、子供たちに噛み砕かせる。
そのためには、私は「教える人」よりも「教えてもらう人」である方がうまくいくのです。
教えることの方が、教わることよりも難しい。
教えるためには、自分の言葉になっていないといけないから。
確かに時間はかかりますが、考える時間を積み上げていきたいと思っています。