- 小川 一水
- 老ヴォールの惑星
今まさに滅亡を迎えようとしている惑星人たちは、自分たちの知識を遺そうと、別の惑星に向け発信するが。
ギャルナフカの迷宮
政治犯として投獄されたのは、水と食べ物の場所を記された地図だけを与えられ、他の囚人と生存競争を繰り広げなくてはならない迷宮だったが…
幸せになる箱舟
他惑星の生命体とコンタクトをとろうと飛び立ったチームは、信じられないほどの成果を目の当たりにするが、その正体は…
漂った男
未だ地図もなく、一面海で、何ひとつ目印がない惑星に不時着してしまった男の運命とは…
ストレートでとても読みやすい、SFの入り口として熱烈にオススメしたいです。
SFのガシェットに満ちつつ、突飛過ぎないアイデアの中で、遠い未来の人たちだけど、でも、確かに私たちの末裔なのだろうと、そう思わせる人たちがきちんと生きている。
そんな感じがします。
なんだかんだ言っても、登場人物の根っこの部分がみんな優しいですよね。
中でも漂った男は大好き。
ほとんど無理矢理な世界設定の中で、何が何でも生き抜く強い、強い主人公と、それを支える中尉さんのやりとりには号泣もの。
あれこれ何も考えず、主人公と一緒に海を漂うように作品の中で漂いながら、一緒に素直に泣けばいいと思います。
切なくてたまらないのだけど、こんな優しいオチってないと思う。
最後のページ辺りはもう、よせ、やめろ、それ以上何も言うな、そんなことになったら涙が出ちゃうだろうが…!という感じです(分からない?)
本当の最後のオチになる前に、一呼吸が必要なほどでした。
理屈じゃない。感情だ。情に棹さして流されていけばいい。読書くらいそれでいいじゃないか。
無論、他三篇も楽しいです。
自分で想像する余地はあまりないですが、全部きちんとオチて、腑に落ちるお話たちです。




