6時40分点滴開始。
ここでも血管が細い私は針がなかなか入らず、やり直しとなり、二度も痛い思いをする。
とことんツイてない。
朝食は抜き。
8時25分ドクターの説明。
主人と同意書にサインする。
9時45分、車椅子に乗り、点滴を抱えながら手術室へ。
ああ、ここへ毎年入ってるなぁと思いながら、手術室前で夫に頭をぐちゃぐちゃになでられて、お別れ。
手術室へ入る。
去年と同じ、明るすぎる手術室。
名前やアレルギーの確認中ふと目をやると、手術台に暖房器具が乗ってる。
「暖めておきましたよ」
手足がキンキンに冷えてたのでありがたい。
台に乗ろうとしたとき、またもや私の涙腺は崩壊する。
なんでだろ。もうわかってるけど、涙が出る。
手術室のスタッフ、みんな女性でやさしかった。
ふかふかの布をくれて、涙をふいてくれました。
その中のひとりは、なんと一緒に泣いてくれました。
泣いてなかなか台に乗れない私は、大きな声で言ってみました。
「4回も妊娠したのに、どうして私はひとりも産めないの

心から思っていたことを涙ついでに吐き出してみました。
悲しい、苦しい、ふがいない、やり場のない怒り。
あらゆる感情が、ぶわーーっと沸いて、言葉になったのかな。
これを言ったら、心が決まって、台に乗りました。
いつものドクターも現れました。
酸素マスクがつけられ、麻酔が点滴と一緒に流れてきました。
ぼーっとする中、ラミセルを抜かれたのはわかりましたが、その後すぐに意識がなくなりました。
手術時間は言われてたよりずっと長かったそうです。
夫は術前に、赤ちゃん見れますかと質問していて、見れますよとドクターはおっしゃっていましたが、結局見せられる状態じゃなかったのですぐに検体に出しましたと言われたそうです。
手術時間も長かったし、取り出すのに難儀したのかな。
なかなか麻酔から覚めず、お昼前に夫が仕事に行ってからも、寝てばかりであっという間に夕方になりました。
駅でパンを買ってきてもらい、よく考えたら23時間ぶりに固形物を口にしました。
おいしかった。
外来が終わった先生が病棟に戻られてから最後の診察を受けて、子宮内がきれいになっていることを確かめてもらい、退院となりました。
もうとっぷりと日が暮れて、夜になっていました。
私のおなかに、赤ちゃんはもういないんだ。
なんだか、なにもかもが、空っぽ。
そんな言葉がしっくりくるなぁと思いました。
グッバイ、私のベイビー。
またいつか、会えるかな。