一攫千金の主婦発明の先駆け | 英語の極意  弁理士 奥田百子

英語の極意  弁理士 奥田百子

英検1級、弁理士
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小中学生の発明を紹介してきましたが、主婦の発明も多いです。

 

 
 

 

 

 

日々の家事には工夫が必要な点は主婦が一番よく知っているからです。


主婦発明の先駆けともいわれるべき、笹沼喜美賀さんの

 

「電気洗濯機の水中に浮く糸屑自動除去具」

 

この発明は幼い頃から知っていました。昔は洗濯機に糸くず除去手段が付いておらず、母も使っていたからです。

 

昭和43年に特許出願と実用新案の出願がされており、6000万個以上販売され、ロイヤリティは3億円とも言われています。
 

洗濯機に入れて浮かべるだけで、糸くずや綿くずを捕集してくれます。
 

当初は吸着盤の付いたネットの発明でしたが、これを洗濯機の内壁に取り付けるのは一苦労であり、洗濯中に外れてしまうこともあるので、小さなボール(気球)をネットに取り付けたものを実用新案出願し、登録されました。

 

 

・気球の浮上力で、洗濯物にたとえ巻き込まれても、これを振り切って浮上し、袋よりも環(下図で2)が常に上位にある、

 

・逆流支弁(下図で9)も付いているので、ゴミの逆流を防ぐ
 

という特徴があります。

 

そして、糸くずが袋の先端に溜まっていきます。

 

 

 

実用新案登録 1004095号

(J-PlatPat(特許庁、INPIT)よりダウンロード)

 

 

「特許で一攫千金」は誰しもが夢見ることですが、なかなか実現しません。

 

日々の家事からこのような一攫千金が生まれることもあります。

現在では、洗濯機に糸くずやゴミ取りが最初から付いているので、あまりこの発明が使用されることもありませんが・・・