「含む」という言葉の注意点 | 英語の極意  弁理士 奥田百子

英語の極意  弁理士 奥田百子

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今日はいきなり和訳からです。

 

A container that includes a pouch".   注)pouch = 小袋、ポーチ

 

このような文章を訳すとき、いつも注意していることがあります。

 

「ポーチを含む入れ物」 ではなく、

 

「ポーチを含んでいる入れ物」

あるいは

「ポーチが入っている入れ物」

 

と訳すようにしています。理由はおわかりだと思います。

 

「含む」と訳すと、「コンテナ(入れ物)という範疇の中にポーチが一つの要素として入っている」

と意味することになるからです。

 

バナナを含む果物

 

と同じような言い回しになります。

 

痛バッグを持つ人のイラスト

 

「含む」には、①内容物として実際に入っていること、②要素として範疇の中に入っている

 

意味があります。

 

"includes"とあるからといって、

「ポーチを含む入れ物」と訳すと、

誤解を与える日本語になってしまいます。

 

「ポーチが入っている入れ物」

 

と訳すと、全く誤解を与えない日本語になります。

 

"a container that includes ..."

は、thatが主格の関係代名詞です。

 

including という単語もあり、これとの区別も必要です。

この点は次回のお楽しみに!