続・コスト制について、今だから思うこと ~ご近所のコスト事情で考える、再導入のあり方~ | ポコダン モンスター採点図鑑

ポコダン モンスター採点図鑑

ポコロンダンジョンズに登場するモンスターは数多く存在します。その中でも限界突破が可能な星7のキャラを中心として評価、解説していきます。記事内各項目の見方などについては『テーマ』→『はじめに』よりご確認ください。

 自分でもまさか続きを書く気が起きるとは思ってませんでした。まだ足りないのか、と。でも気が向いてしまったからには仕方ありません。やります。


 今回のテーマは“突撃、となりのコスト制”です。前回はアプリ本体を家に、機能改善や追加を増改築に例えました。その中でコスト制の再導入という資源リサイクルによるリフォームを提案したわけです。

 しかし、単にざっくりとした祈願をするだけでは叶いそうもないので、この際近くのモデルルームを見学して参考にしてみよう、という試みになります。

 平たく言えば、他のご長寿アプリのコスト制はどうなっているのか、ちょっと調べてみようかなと。

 リリース当初のコスト制を採用していたポコダンにあった問題点に、よそのアプリはどう対処し、今はどういう問題が起きているのか。どういうところがポコダンに取り入れられそうか。そしてあわよくば提案内容をより具体的なものに出来たら。そんな感じでいくつかのアプリについて見て行こうかなと思います。

 なお、筆者は比較的雑食性のゲーマーなので、それなりに手広くやってきているのですが、流石にそのすべてに詳しい訳ではありません。そのため、これから語っていく他のアプリの現状について誤った認識を持っている可能性があります。その際はご指摘いただくなり、見て見ぬ振りをするなり、そこら辺うまいことよろしくお願いします。


まずは復習
 とりあえず前回のおさらいです。

コスト制を再導入してどうしたいのか
 →使われていないモンスター(低レア層や常設星7の多く)に新たな機会と付加価値を与えたい(上方修正を伴わないでいい)
 →常時制限を設けるのではなく、クエストやアリーナの新たな制限として盛り込んでいくことで、フロアの多様化を模索したい

当初のコスト制は何がマズかったのか
 →編成のすべてにおいてコスト制限がかかり、特に初期段階において編成難がおきていた。引いたのに使えない、は新規の獲得が大切な界隈において、客離れを呼びかねない大きなマイナス。
 →リリース直後で選択肢すら多くない中での更なる制限により、自由度も制限されてしまった。

 →当時実装を考えていた共闘クエストと相性があまり良くなかった(編成は4体分のコストで考えるのに、実際に使うのは1体~3体とゴチャゴチャしてしまう)


 こんな感じの話でした。短くまとめようと思えばそれなりに出来るものですね。たぶん、普段思いついたままに上から書いていってるから悪いんだと思います。改まる気配はありません。

 

 さて、それではここからが今日の本題。今回参考にしていくアプリはパズドラ、サモンズボード、クラッシュフィーバーとなります。どれも非アクション、パーティ編成ありの長寿アプリです。


パズドラの場合
 言わずと知れたスマホゲーム界隈の大御所であり古株。2022年には10周年を迎えるとのこと、ポコダンもあやかりたいものです。そのパズドラは、今現在に至るまでコスト制を貫いています。パーティ編成時にチームコスト以下になるようにする、初期ポコダンと同タイプの仕様です。ですが、何の波風もなく初期のままかというと、どうもそうではないようで。
 パズドラにもコスト制限ダンジョンが存在しました。しかし、これは2015年あたりに実質廃止となったようです。リリースから3年程度経過していましたが、編成するキャラ各自がコスト制限をクリアしていなければならず、制限ダンジョン用のモンスターを多く残しておかなければならなかった点(倉庫圧迫)、必然的に弱いパーティでの周回がめんどくさいなど不評な部分も多かったようです。ここら辺、伝聞なので曖昧ではありますが、廃止に至る経緯としては納得のいくところです。
 その後、コスト制限ダンジョンはなくなったものの、チームコスト制そのものは維持されています。ところが、今度はプレイヤーの高ランク化に伴うチームコストの意義、その希薄化が起きてきます。ある程度のコストがあれば、あとはそれ以上増えても仕方ないのです。
 その事態に、バッチというパーティ単位で設定するアクセサリのような要素で対応をしようとしました。チームコストを下げる代わりにプラスの効果をもたらすようなバッチを登場させたのです。また、同時にチュートリアル系のミッションをクリアすることでチームコスト増加のバッチを入手出来るようにしました。これと定期開催される経験値大量のダンジョンによるランクアップの初速強化の両輪で、開始初期の編成難にも対応したかたちです。
 とはいえ、現在ではそれ以外のコスト要素の利用は見当たりませんでした。一部に名残があるものの、10年の月日の中でだいぶ形骸化してしまっているようです。

サモンズボードの場合

 次の訪問先は、同じくガンホーのサモンズボード。ポコダンとほぼ同期で来年8周年になるアプリになります。モンスターにコストがあり、4体以内かつチームコスト内で編成。将棋的なコマの移動など独特のシステムが楽しいアプリで、爆発的人気とはなってないですが、細く長く続いています。そこら辺も似てると言えば似てますね。ただ、インフレのペースはポコダンより速いです。上方修正もそれだけ多いので構わないですが。


 話がそれました。ではサモンズにおけるコスト制の利用状況を見てみましょう。まず、コスト制限ダンジョンですが、少なくとも私の知ってる5年以内に開催された記憶はありません。レア度による制限フロアはタワーの恒例になってたりしますが。では、パズドラのように空気になっているのかと言われるとそうでもありません。

 特に近年、同じようにチームコストの意味が薄れてきたことへの危惧からか、色々と仕掛けてくるようになりました。


 まず、ポコダンで言えば初代タワーボスのフィンブルにあたるキャラに極幻進化が追加、しかも性能は極絶トール並かそれ以上、といった修正が入ります。しかし、そのコストは500。いわゆる限定勢が60とかそこらの世界において突然現れた規格外。少々ランクを上げたくらいでは、彼を含めた全力のパーティは編成できない、なんていうことが起きたのです。ドロップ産で正直入手難度は低い、でも性能はすこぶる高い。だから使いたい、でも使うにはハードルが…といういい具合の葛藤を生み、ランク上げのモチベーションのひとつともなりました。実際自分ももうすぐ編成出来そうで、楽しみにしているところです(ランク900前後)。


 また、それ以外にもコストに対するアプローチは増えました。通常の攻略とは別、ミッションとしてのコスト制限の導入です。それまでも○○のクエストを△△タイプ4体でクリアする、みたいなミッションはあったのですが、ここに○○のクエストをコスト合計200以内でクリアする、などといったタイプが増えました。大抵の場合、数日おきにハードルをあげ、複数回のミッションとして提示されています。数を絞るか質を絞るかの選択肢を残しつつ開催されるわけです。また、これらのミッションは復刻イベントに付与されることが多いです。季節もののダンジョンは翌年やることがなくなってしまいがち。そこが各種ミッションの宝庫となり、良く言えば今年もやることがある、悪く言えば全部やるのは手間、といった感じになっています。


クラッシュフィーバーの場合
 3つ目は、ワンダープラネットという会社のアプリ、クラッシュフィーバーです。こちらはこの夏に6周年を迎えたアプリで、タップすることでパネルがバンバン割れていく爽快感がたまりません。あと、ステータスの水準を突然変えたり画面デザインを総とっかえしたり、大がかりな仕様変更が大好きな運営です。いい加減落ち着いて欲しいものです。

 こちらも長らくチームコスト制を取っています。コスト制限クエストはランキングクエスト、ポコダンでいえばアリーナの簡易版みたいなものに採用されたりくらいの軽い感じで、一般のイベントクエストには確か採用されていないはずです。

 他にこれといったコスト利用の攻略コンテンツがある訳でもないクラッシュフィーバー。では、なぜこのアプリを取り上げたのかというと、他のアプリにはないコストの立場が生まれているからです。

 クラッシュフィーバーにおいて、ガチャ産星6(最高)ならコストは55、60、65。ドロップや交換キャラは53や58、69などいくつかの層があるものの実に多種多様に分かれています。同一レア度の中で細かすぎる状態です。

 さらにこんなアイテムもあります。
(クラッシュフィーバー内より引用)

 ヌルポン。ポコダンでいうところのラキポみたいなものです。バグ99≒運気25。コスト制限のあるラキポがこれまた多種多様に実装され、対象範囲も58以下、58のみ、55以下、53のみなど狭かったり広かったりバラバラ。しかもこれ、大きめのイベント(年末年始や周年絡み)ではザクザク掘り続けられます。わけがわからなくなるし、倉庫圧迫がヒドい。

 こんな感じで同一のレア度の中にもコストによる格差が生まれ、星6だけ見ても65、60、55ではまるで扱いが違う状態になりました。その上性能差も顕著。コスト65はポコダンならギャラクシーやセツナ、そのレベルのラッシュ限。コスト55はこの図鑑でいえば1.5点とか1.0点とかそこらになりそうなキャラたち(参考までに森バハムートで2.0です)。ただしコスト制限つきイベントがあるため、存在価値0ではありません。

 しかし、そうなると自ずとコスト65以外はいらないだのなんだのという話が起こりやすくなり、しまいにはガチャ演出の変更まで起きてしまいました。本来ならレア度で区分していた(というか一般的にはそれが普通)卵の色での演出、なんとコスト依存で決まる事態に。それがこちら。
コストがレア度の意味を消し去ってしまい、自身が新たな枠に成り代わっていったのです。よその話とはいえ、こうなってしまうのも考え物なのではないでしょうか。

ひとまずまとめ
 さて、ここまで3つ見てきましたが、いかがでしたか。コスト制の光と闇と言いますか、世の中色んなことが起きるもんだなという感じがしています。

 ここまでの話を参考にしつつ、ひとまずいくつかのポイントにまとめてみましょう。

コスト制限をつけたダンジョンは周回と相性が悪い


 パズドラなどでもそうでしたが、例えば新超絶などにコスト制限を導入すると、周回のしにくさが際だってしまい、利用されにくくなってしまいそうです。普段使われないキャラに光が当たるというより、それらで不便な周回をする苦痛のせいで使用キャラやボス、ひいては運営へのヘイトが集まってしまいそうです。どうやらサモンズのような復刻クエストへの動機としての採用、あるいはミッション形式やタワー、ミラーなど一回クリアできればオッケーというコンテンツにスポット利用するのが良さそうです。


チームコスト制そのものは悪くない


 これまで紹介してきたアプリはすべてチームコスト制を維持しています。初期の編成難問題に対しては、パズドラのような経験値ダンジョンがポコダンにもあり、定期的にクエスト経験値が増えるキャンペーンも行っているため、再導入してもかつてほどの弊害は生まれないでしょう。


 また、現在ではポコダン内のキャラクターも増加しており、コストの再設定において、ひとつのコスト帯に含まれるキャラの数もそれなりに確保出来そうな雰囲気です。そうすれば、昔のような編成自由度の低下も緩和されたものとなるでしょう。制限として利用する以上、完全自由にならないのは当然なのですし。


 こうやってみていくと、どうやらコスト制再導入の際にチームコスト制の復活だけを否定するというのも、それはそれで筋違いなのかもしれません。


過ぎたるは及ばざるがごとし


 なんにせよ行き過ぎは良くないものです。正直、クラッシュフィーバーほどの価値をコストという要素に与えてしまってはいけないような気がします。埋もれた層の掘り起こしではなく新たな層の設定になってしまっていて、本末転倒になりかねないのです。

 あの現象は同一レア度内の過度な性能差が要因のひとつになっています。限定は強く、というのは否定しませんが、時折の上方修正などを挟み、適度な底上げをしておくのは必要なのかも知れません。幸い、インフレ速度はこれらのアプリと比較しても圧倒的に緩やかなので、よそと比べれば、まだ対応しやすい方なのではないでしょうか。


ちょっと寄り道
 ところで、埋没勢の掘り起こしや環境刺激のために、という話でしたが、コスト制を採用してこなかったアプリではキャラの埋没化をどうやって防いできたのでしょう。ちょっと寄り道になりますが、ついでにモンストも見ていきます。

 モンストは8周年を迎える、ポコダンと同期に近いとは思えぬほどの超大手。このアプリではコスト制は取られていません。では増え続けるキャラの個性をどのように保っているのでしょうか。

 その役割を果たしているのがアビリティになります。ダンジョンにはギミックが複数あり、それにカチっと対応したアビリティがあればクリアに近づく、ないと厳しい。そんなバランスで成立しています。キャラが持つアビリティセットが違うから他の要素が似ていても活用の場が確保される、というわけです。

 このようなアビリティによる差別化は、個性立てとしては優れているものの、対応していなければクエスト参加権がない、という方向に先鋭化していきやすいわけで。それはガチャとその結果への依存比重が高まるような状態にも繋がっているようです。


 ポコダンは世間のアプリと比べてもキャラ追加が少なく、近年では常設キャラなど年に数体増えれば良い方、アリーナかタワーがあればそれに対応した特効性の高い限定が追加される、という状態です。

 つまり、アビリティ制の導入による改善を図ろうとしても、回し煽りになればなるほどキャラ被りが起きやすく、それが失望感へと繋がっていきます。周回に使わない大多数のキャラにとって運気に価値など無いのですから。ヒスイやマーズなどの特効性が高かったキャラによる回し煽りだけでもそれなりに荒れてしまったことは運営さんも覚えていることと思います。天井設置を何度も、明確に拒否している以上、こちらの方面に向かうのはやはり得策ではないようです。


さいごに
 長々とやってまいりましたが、その中でコスト制の様々な状況が伝わっていれば幸いです。
 また、当然のことではありますが、コスト制の再導入だけがリソースの再活用や埋没キャラの発掘に繋がる一手ではないと思います。他にももちろんやり方はあるでしょう。しかし、それらの道を取るにせよ、再導入に傾くにせよ、周囲の状況から学ぶべきものはまだまだあるように思います。
 良きものを吸い上げ、好ましくないものは反面教師としながら、いずれかの形で今は使われていないあれやこれやのキャラやアイテムを再利用していって欲しいなと、そう思うところです。

 P.S.光闇は早く解体統合しましょ。