俳句は季節のインデックスです。
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花びらのつきしままなる室苺
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絵:山口珠瑛
【俳句の季語】室苺(むろいちご)
梅 桜 黄梅 木瓜などを土蔵造りの室に入れて、
炉火を用いて温め、
現代では温室やビニールハウスなどの簡易温室が普及し、
正月用の梅はもとより、菜の花、桜草、洋種の草花などが
多く作成されるようになった。
音して咲かせた不時の花を眺めて楽しむのも、
冬の無聊を慰めるものの1つである。
室の花 室の梅 室苺
(ホトトギス新歳時記)
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【俳句の風景】
室苺とは、温室栽培の苺のこと。
露地物の苺の旬は本当は初夏なんですが、
温室栽培の苺なら年中見かけますね。
この俳句は、新年のお食事会のデザートに
出された苺を見て作りました。
大振りの瑞々しい苺でしたが、
よく見るとへたのところに花びらがついています。
まるで今採りたての苺のように
フレッシュな花びらがついていたのです。
採ったばかりの苺なのかしらと
苺好きの気持ちが急に盛り上がり、
嬉しいデザートタイムになりました。
冬の寒い時期に暖かい部屋で、
フレッシュな瑞々しい苺を頂くことは贅沢なことです。
以前、ホテルのバイキングで、
苺や色々なベリー類がいっぱい出ていたことがあって、
無類の苺好きの私にとって天国みたいな
苺タイムを堪能したことがあります。
今回は、食べ放題の苺ではありませんでしたが、
花びらのついた苺のやって来た経路に
想いを馳せることで、苺好きの気持ちが満足できて、
なんだかほっこりした感覚になりました。
苺好きの私としては、
山盛りいっぱいの苺も嬉しいのですが、
ちょこっとの苺でも、そこに想いがのると
幸せ感が味わえるのだなあと改めて実感した次第です。