紅弦 | 毒を喰らう占い師・紅弦Worldへようこそ

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「人を見る目があるね」

そんな言葉を、ときどき聞く。


この人は信用できる。
この人は危ない。
この人は仕事ができる。
この人は性格がいい。
この人とは付き合わないほうがいい。

そういうことを、早い段階で見抜ける人のことを
「人を見る目がある」と言うらしい。

私は、どうもそれが苦手だ。
人を見る仕事をしているのにどうなんだそれ、である。
人間そのものを評価する、ということが、
私にはどうもよくわからない。

そもそも、そこ評価基準はナンなんだ?

もしかしたら、もしかしなくても、
「善い人」と「悪い人」を分ける物差しを、
私は持っていないのかもしれない。

もちろん、誰かの行動について
「これは困る」「これは好きではない」と
判断することはある。

けれど、それは
その人自身を評価しているわけではない。
その人がした「行動」を見ている。

私は人を見ているとき、
「この人はどんな人なんだろう?」よりも、
「この人には、世界がどう見えているんだろう?」
と考えることのほうが多い。

たとえばね、自分からすると
「どうしてそんなことをするの?」ってことをする人がいる。

そこで、
 「非常識な人だ」
 「性格が悪い」
 「変な人だ」
と結論を出すこともできる。

でも、そこで終わってしまうと、
その人の世界が見えなくなってしまう。

なぜ、その人にはそれが自然だったのか。
何を大切にしているのか。
何を恐れているのか。
どんな経験をしてきたのか。
何を「普通」だと思っているのか。
どんな前提の上に立って、その選択をしたのか。
そちらのほうが、ずっと興味深い。

人間は、同じ世界に住んでいるようで、
実は一人ひとり違う世界を生きている。

同じ出来事を見ても、
まったく違うものとして受け取る。

だから私は、人そのものを判定することより、
その人の住んでいる世界を覗いてみたい。

「あなたは間違っている」と言う前に、
「あなたの世界では、そう見えているのか」
と考えてみる。

そうすると、ときどき
自分の世界にはなかった景色が見える。

これは、人間関係においても、育成においても、
案外大切なことなのではないかと思う。

人を育てるときだって、
「この人はダメだから直そう」
ではなく、
「この人には今、こう見えているんだな」
と考えたほうが、その先に進みやすい。

足りないものを責めるのではなく、
別の見方を一つ増やすのだ。

正解を押しつけるのではなく、
世界に窓を一つ追加する。
人を評価することよりも、
こちらのほうが私には面白い。

なので私は「人を見る目がある」
とは言われないと思う。
人間を採点することに興味がない。
その代わり、
「この人は、どんな世界に住んでいるんだろう」
ということには、とても興味がある。

人を見る目がない。
そう思っていたけれど、もしかすると
違うのかもしれない。

私は人を見ていないのではなく、
その人の向こう側にある世界を見ようとしている。

そして、ときどき思う。
自分が正しい世界に住んでいるとは限らない。
ただ、自分にはそう見えているだけなんだ。
そう考えると、人間という存在は
ずいぶんと面白い。



紅弦9月の予定

【鑑定所】

9月12日(土)静岡PARCO『占いのアリーナ』

9月13日(日)沼津駅アントレ2階『えにし屋』

9月20日(日)沼津駅アントレ2階『えにし屋』

9月27日(日)沼津駅アントレ2階『えにし屋』


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