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        弁理士歴21年目に入った付記弁理士の山本 真一こと
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 平成30年改正の知的財産権法の中核は不正競争防止法の改正点にありますが、発明、考案、及び意匠に関する特許法、実用新案法、及び意匠法の改正法に於いても、実務上の観点から重要な改正事項があります。それは、新規性喪失の例外規定の適用を受けるための例外期間(グレースピリオド(grace period))の延長化が挙げられます。即ち、新規性喪失の例外期間が、従前の6か月から1年に延長となりました。このグレースピリオドの延長化は、特許法、実用新案法及び意匠法の各々の新規性喪失の例外の規定に共通しております。意匠法に関してみれば、意匠法第4条第1項及び第2項に定める例外期間の改正となります(6か月⇒1年)。

 

 今回の法改正による意匠法等の「グレースピリオドの延長化」は遅きに失したと言える面があります。それは、世界の主要国の多くが、新規性喪失の例外を受け得る例外期間を既に1年間と定めているためであります。世界で最初に特許制度を法定した米国の特許法(意匠特許を含む。)は、従前からグレースピリオドは1年間であると規定しておりますし、日本国の特許法の影響を受けている台湾の専利法に於いても昨年の改正によりグレースピリオドが6か月から1年間に延長されております。その意味では、我が国の平成30年改正の意匠法第4条、特許法第30条等の改正は、グレースピリオドの期間に関する世界の特許法及び意匠法(専利法)の潮流に従ったものであると言えます。良い意味では、本件改正法は、我が国の特許制度及び意匠制度等の「国際的調和化」を漸く実現化し得たものとして、評価に値し得ます。

 ⇒ そのため、平成30年改正の意匠法第4条、特許法第30条等の施行期間は本年6月9日と定められており、改正法の両院可決(成立)日が本年5月23日であって、当該改正法の公布日(本年5月30日)から起算して短い期間に定められております。この様に、グレースピリオドに関して我が国の特許法・意匠法等が世界各国の法律と早期に同様の規定となる様に、本件改正法の可決から急いて本件改正法を公布し、急いで本件改正法を特許出願及び意匠登録出願等に対して適用可能とした点が、表れております。

 

 ここで、「新規性喪失の例外適用」とは、発明者・考案者・意匠の創作者が自己の創作に係る発明・考案・意匠を自己の意思に反して公開されたこと或いは自己の意思によって公開したことにより一旦新規性を失って出願の申請を行えなくなったとしても、その公開日が出願日から遡って法律が定める例外期間内にあるならば、その様な公開された発明・考案・意匠は新規性を失っていないと擬制される結果、特許出願・実用新案登録出願・意匠登録出願の申請を行うことが可能となり、その様な出願の審査においては公開された発明・考案・意匠は拒絶理由の引用対象から外されることとなる制度を、言います。要は、救済制度であると言えます。

 

 この様な「新規性喪失の例外適用」の出願人による主張は、意匠登録出願の申請に於いて多く見られます。それは、意匠の本質に起因していると思われます。即ち、発明・考案の対象は自然法則を利用した技術的な「アイディア」であって、現実に物が無くても「アイデア」として成立し得、しかも、その「アイデア」は一般的に直接的に視認され難いものであるのに対して、意匠の対象は物品のデザイン、即ち、「物品の美的な外観」であるので、通常は、創作されたデザインが施された物品が、その形態(外観)が視認し得る状態で、創作完了時に存在し得ます。そのため、デザイナー(意匠の創作者)は、出来上がった試作品等の物品を直ぐにHP上に公開したり、或いは、市場調査のために(実際に売れるか否かを見るために)物品を展示・販売したりして営業活動を行い、意匠の新規性を自ら失わせてしまう行為を行い易いからであります。この様な意匠創作者の心理・取引実情を踏まえて、救済規定である、「新規性喪失の例外適用」を定める意匠法第4条第2項の規定が存在するのであり、当該法規は実務面から見て本当に有難い規定であるのです。その規定で定める例外期間が、6か月からその2倍の1年間に延長されたという改正法の規定は、実に重要であり、出願人にとってフレンドリーであって、より利用し易い規定になったと言えます。

                                                                            <続く>

 

 

 


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 平成30年の通常国会に於いて不正競争防止法、特許法等の産業財産権法が改正されました。

 この内、商標法の改正点は、分割出願の要件を強化(要件追加)することで、商標登録出願の手続を適正化するというものであります。

 ここで、「商標登録出願の分割」とは、既に申請している商標登録出願(親出願と言います。)の願書に記載した複数の指定商品又は指定役務の内の一部を補正により削除する一方で、親出願に於いて削除対象となった指定商品又は指定役務を指定商品又は指定役務とする新たな商標登録出願(子出願と言います。)を上記補正書の提出と同時に申請する手続行為を言います。

 

 そのメリット、即ち、その法律効果は、子出願の出願日が親出願日の出願日に遡及する点にあり、その結果、親出願の出願日を基準に子出願の登録要件(実体要件)の具備の有無に関する特許庁に於ける審査が成されることになります。

 

 この分割出願の申請が成される、通常の乃至は典型的な場面としては、特許庁に於ける最初の審査結果が一部の指定商品又は指定役務について拒絶理由があると指摘する「拒絶理由通知書」である場合であります。

 ⇒この場合には、斯かる拒絶理由を回避しつつ拒絶理由に該当しないと判断された残りの指定商品又は指定役務に関して商標権を発生させ、他方で、拒絶理由の対象となった指定商品又は指定役務については、その権利化を図るべく、分割出願として新たな商標登録出願を申請することで、手続的には「仕切り直し」とすることとなります。この様な中間応答事件に於いて、手続遂行のテクニックとして、商標の分割出願が利用される場合が多いと、言えます。

 

 公布後、間もない本年6月9日より早期に施行される改正商標法第10条第1項は、従来の要件に加えて、遡及効という法律効果を得るためには、

 分割出願の申請時に親出願に関して既に出願手数料が納付されていることを、

追加の要件として規定しております。

 その趣旨とするところは、「分割の子出願が親出願の出願日にまで遡る」というメリットを子出願が得られる以上、その前提となる親出願に関してその出願手数料が既に特許庁に納付されていることという当然の要件を満足しておくのは手続の公平・適正化の観点から見て当然のことである、という考え方に根差している点にあると、思料致します。

 

 とは言え、この追加の要件の規定は、一見、変に感じます。上記の通り、分割出願が利用される典型的なケースは、親出願について実体要件に関する審査結果である拒絶理由が出願人に通知された際の応答のstrategy(戦略)として成される場合であります。この場合には、審査官の実体審査が親出願について行われている以上、親出願についてその出願手数料が納付されていることという方式的要件は既に満足されているからであります。若し、親出願について出願料が未納付ならば、その前に親出願に対して特許庁より「手続補正命令」が出される筈であり、その場合の応答が必要となるからであります。

 

 思うに、本件の改正事項(分割出願の追加の要件)は、数年前から生じている、一部の不適切な出願人による分割出願の濫用を防止する政策的観点から導入された法律要件ではないかと、思えます。その様な一部の不適切な出願人は、親出願を申請しておきながら、その出願手数料を払うことなく、分割出願の申請を乱発しているのです。これにより、特許行政は大いに乱され、且つ、適切な後願の出願人の商標登録出願の申請に対して不利益をもたらしております。

 

 尚、分割の子出願の出願日が施行日である本年6月9日以降である限り、親出願の出願日がその前の日であろうとも、子出願に関して本改正商標法第10条第1項が適用されることとなります。

 

                                                                          <以上>

 

 

 

 


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② 審査期間の長期化の要因の第2点としては、

昨年、特許庁が適用開始を行った、商標登録出願の早期審査請求の申出の要件を

緩和した点が挙げられます。

 

 ここで、「早期審査の申出」はあくまでも特許庁の行政裁量で行われている行政

サービスの1つであり、法令により規定されている制度ではありませんが、特許庁は

商標登録出願制度の利用者に対するフレンドリーサービスの向上の1つとして、

より容易に早期審査を適用してもらえる様に、早期審査請求の適用可能なケースを

追加致しました。この追加されたケースでは、従前のその他のケースと比較して、より

容易に早期審査を受けられる様に、その要件が緩和されております。勿論、そのために

予め商標登録出願の願書の記載に配慮しておく必要性はありますが。

 

→ この早期審査の申出が認められれば、審査官は、手元の審査案件を放り出して、

申出が認められた出願の方に対して優先的に審査を行うべき義務が生じます。

その結果、早期審査の申出が認められた場合には、出願申請から約1か月~1か月半

程で、審査結果が送信されてきます。やたらと、早いですよね!

この点は、現状の審査期間と比較すれば、魅力的であります。

 

 そのため、早期審査の申出が増加しているのではないかと思われ、そのために、商標

登録出願の審査全体に於いて平均的な審査期間の長期化が生じているのではないかと、

思料致す次第です。

 

又、別の機会で、商標登録出願の早期審査申出の緩和された要件について触れたいと

思います。

 

<以上>

 

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