浮気願望、始めまし…
アトゥプロダクション所属ナレーター 大江戸よし々のブログです。
※当ブログやSNSでの仕事依頼は、いかなる条件に於いても一切受けておりません。ご了承下さい。


《現在のレギュラー番組》

【NEW】☆白熱ライブビビット(TBS 毎週月~金 8時00分 - 9時55分OA)

【NEW】☆ABChanZOO!(テレビ東京 毎週日曜 11時00分 -11時25分OA )

☆乃木坂工事中(テレビ東京 毎週日曜 0時00分 - 0時30分OA)

☆ファミリーヒストリー(NHK総合 毎週月曜 午後10時~10時50分OA)

☆Rの法則(NHK教育テレビ(Eテレ)毎週月-木18時55分~19時25 OA )

ザ・データマン~スポーツの真実は数字にあり~(隔週日曜 午後9時~9時45分OA)

☆その他


《過去の担当番組》

☆見逃せない瞬間MEGA MAX(CX)
☆グラフクラブ(NTV)
☆日曜芸人(EX)
☆アスリートのチカラ~one secret piece~(BSフジ)
☆ドラクロワ(NHK総合)
☆キカナイト(EX 2011/07 - 2012/03まで)
☆マニュアル劇団(EX)
☆☆ウレロ☆未確認少女(一部ナレ担当 TX)
☆BBC Earth 2010&2011(WOWOW)
☆ドラクロワ(NHK総合)
☆マルさまぁ~ず(TBS)
☆コムダビ(TBS)
☆D-BOYS BE AMBITIOUS(TX)
☆ペット大集合!ポチたま(TX)
☆逆流!シラベルトラベル(TX)
☆Hi!Hey!Say!(TX)
☆健康チャンネルズ(TX)
☆関口宏のザベストセレクション(BS-TBS)
☆アニメロサマーライブ(イベント)
☆ブシロードカードゲームライブ(イベント)

ウォシュレットが無いと生きていけない。
Amebaでブログを始めよう!
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近況の冬

近況を聞かれる事が増えた

 

ー最近どう?生きてるの?ー

 

独り身の老人に電話する民生委員の様だ

 

孤独死対策に余念が無い

 

ー 朝、声が聞こえなくなったからさ。ほら、4チャン ー

 

6チャンだけどまあいいかとLINEをブロックする

 

朝の情報番組を終えて2ヶ月と余り

 

物寂しさは残りつつも 新たな仕事も増え

 

近況と言えば それはそれは実に清しい塩梅である

 

たとえば本日明け方

 

「ヒロくーんヒロくーん」

 

向かいのジジイが猫を呼ぶ声

 

朝6時

 

5年間の朝の早起きがトラディション化したのだろう

 

アラームの鳴る15分前に起床 軽くストレッチ

 

猫なのに妙に生々しい名前にしやがってと半ギレでコーヒーを入れ

 

ネトフリ等で功夫映画を観つつドニーイェンの詠春拳の動きを真似ながら

 

腰をしっかり落とし アラームに向かって突きを入れつつ

 

為替チャートをチェックする

 

その後 こぼれたコーヒー(ドニーイェンのせい)を必死に拭き

 

ウンコフィルハーモニーの音色で鳴く我が家の猫にご飯を投げつけ

 

向かいのジジイが車庫から車を出そうと20分くらい切り返す様子を静観したのち

 

ナレーション収録へ

 

収録後 次の現場までインターバルがあるので喫茶店に行くと

 

「ネズミ溝じゃないよ?」

 

と誠実に訴えるネズミ溝の勧誘が左の席

 

「人肌が恋しいけど人が嫌いなんだよね」

 

という高次元のパラドックスに臨む女子が右の席

 

前の席には一言も話さないでスマホを弄る国際カップル

 

彼氏の海兵隊入隊でも決まったのか?

 

店員が私の札を見つけられずにサンドウィッチをキッチンに持ち帰る

 

待ってくれ とびっきり熱々の状態で食べたいんだ

 

小蝿が自分の周りだけ飛び回り始める

 

なぜだ俺は汚物だというのか

 

俺にも小渕ワインをくれって3年前から言ってんだろ

 

昨日ナレーターさんにミカンお裾分けしたら迷惑そうだったなと物思いに更けつつ

 

今現在 尿意を我慢しながらトイレを睨んでいる

 

そう この物語はここで終わる

 

だが あなたの物語は今始まったばかりなのだ

 

目を凝らしてよく周囲を見回して欲しい

 

心の明美は お前の中にいる

 

 

 

 

 

《巻末コメント》

 

シティヘブンを見た!で50%割引

 

 

 

ロゼッタ秋葉原ストーン

休日の秋葉原

 

歩行者天国だというのに

 

俺だけは地獄にいた

 

ー お客様  期限切れでございます ー

 

おぉ

 

おぉ……

 

上原さんに貰った きずな寿司食べ放題割引券(秋葉原店限定)……

 

ー ここのえんがわ美味しいですよ 山程食べれますよ ー

 

上        原        さ        ~        ん         ?

 

あの 頼れる若頭を思わせる「これで寿司でも行ってこい」感

 

懲役前の舎弟への最後の思いやり感

 

何だったのだ

 

なんならちょっと常連っぽい感じで券を出したのも

 

恥辱☆マイハートダメージとなった

 

1ターンで2回の攻撃を受けたというファクト

 

半笑いで応対した男性店員を“はやぶさのケン”と命名し

 

熱中症で視界が朦朧とする中  歩行者天国を進んだ

 

あぁ  しっかり歩かなくては

 

ー お兄ちゃん  メイドカフェに来ませんか ー

 

兄弟違いだ 弟は敬語で話さないしハゲている

 

ーこの際メイドカフェでいいよ俺は ー

 

誰だこいつは 秋葉原はおっかないな 警察呼ぼうかな

 

ーアニメカフェでアフレコ体験しませんかぁ ー

 

名刺くれてやるからアトゥプロダクションに是非お電話下さい

 

そう言い放ち 俺は彼女の谷間に食べ放題券をねじ込んだ

 

呪われし食べ放題券を手放した事で熱中症と頻尿を克服した俺は

 

気付くと カレー屋の前に立っていた

 

ー どうするんだよ ここにするのか ー

 

隣で怒号を散らす男

 

誰だこいつは 秋葉原はおっかないな 警察呼ぼうかな

 

ー お前が寿司奢るっていうから来たんだろうが ー

 

あ  そうだった

 

ー メイドカフェでもいいって言ってんだろ ー

 

あ  さっきのお前だったのか ごめんねぇ

 

焦るな 落ち着け

 

燦燦と照りつける太陽 更にはむせ返るようなこの湿度

 

こんな日にカレーなんて食ってみろ絶命するぞ

 

そう提案し カツカレーのボタンを連打しスキップで着席した

 

すると頭上で轟音が鳴り響いた

 

ー お米の量はどうしますか ー

 

なにっ どういう事だ

 

ー 1キロまでは大盛り無料です ー

 

1キロだと… うまい棒メンタイ味ならおよそ92本分の重さじゃないか

 

こいつイかれてやがる

 

ー 大江戸君 俺1キロで頼むわ ー

 

こいつイかれてやがる

 

勿論 そんな重量級ミサイルを迎撃する地対空能力は無いし

 

合同軍事演習に加わるつもりはない

 

普通盛り外交で平和的解決を模索する

 

ー 普通盛りで大体500gです ー

 

よろしい 制空権はくれてやる

 

しかし日本をなめるな

 

地上戦に切り替え

 

竹槍一本になろうとも武士道を見せてやる

 

小盛りを持ってこい

 

ー 250gですけどぉ~ ー

 

どぉ~じゃないこのドナ◯ドトラ◯プが

 

この圧倒的物量…   米国……   べい……  米が

 

お米がぁっ

 

ー 小盛り半分にしましょうか?こんな人はじめてですけど… ー

 

なんだその“お前の国可哀想だから関税下げてやろうか?”みたいなアレは

 

大統領選前に貿易戦争で民意をがっちりキャッチか?

 

このド………べい……お米がぁっ

 

かくして 俺を挟んでの歴史的首脳会談が開催された

 

しかし“こんな人はぢめてですけど…♡”という

 

カレー屋におけるオーダーバージンを成功させた

 

そう 今はそれで十分だ そう思っている

 

この成就により

 

きずな寿司できずなを失った俺の心には

 

一筋の光と顔のテカリをもたらしたのだった

 

 

 

 

 

~読むだけ無駄fin~

 

アノニマス

小学校三年生

合唱コンクールという忌々しい行事

俺はそんな事をしている場合じゃないんだ

くにおくんのドッヂボールをやり込みたいんだよ

山本の家にある山本のファミコンで

山本の母に出されたジュースを飲みながら

山本をコテンパンにしたいんだよ

しかし 合唱コンクール期間中

練習時間は放課後に割り当てられる

俺のくにおくん返ってくんのか?

溜まりに溜まった5時限分の若い怒りは行き場を失い

やむなく合唱で放出される不満の咆哮は

「大江戸君が1番ハキハキと口を動かしている」という

決して「1番上手に歌えている」とは言われない謎の評価へと変貌し

最前列を獲得するに至った

なんてことをしてくれたんだ

“個の表出“という死刑宣告

ベルマークも

赤い羽根募金も

私は常に左右と比較し 標準化に努めた

特段 人より優れてはいない

だからこそ 均衡に重きを置き

個の並列化に努めた

俺はアノニマスな状態で居たいんだよ

何者にもなりたくないし

何者になるのかも想像出来ないのだ

内発的な怒りは幼稚さを伴って理論化も言語化も出来ず体内を渦巻き

矛盾を抱えた合唱の咆哮は響き渡り続け隣の吹奏楽部から怒られた



合唱コンクール当日

母が用意したのは 柄の入ったクリームカラーのニットセーター

「お母さん、学級のお知らせに書いてあったよね。コンクールはみんな白のカーディガンを着て来なさいって」

「それも白いでしょ。それで行きなさい」

なるほど

俺は今日死ぬ

こんな大雑把な内輪差殺人あるのか

アノニマスの願いは不浄なものとなり

葦の原野を歩く事は最早許されないだろう

だが 生とは闘争である

私は気丈にも楯突き

父に殴られ2秒で玄関を出た

朝の7時に子供をボコボコにする父がどこにあるというのだ

安岡力也だって自分の子供にはホタテのロックンロールを歌い聞かせるぞ

学校に辿り着くと

綺麗に“陳列”された白のカーディガンが

煌々と目に映った

「あれだ!俺はあの中に入り、何者でもない何者かになりたいのだ。それなのに」

俺はアノニマスな状態で居たいんだよ

「大江戸!それ黄ばんでるじゃん!」

「白くないじゃん!」

無邪気な銃弾である

「大江戸君。これ黄ばんでるじゃないの!先生、白って言ったでしょう!?」

俺は今日死んだ

教師にまで言及され

とても嫌な気分だった

集団的かつ共感的という“ノリ”が全ての世界から追放された

黄ばみが会場のライトの黄色味を吸って

白さからさらに遠ざけた




渋谷は華やかだ

人に溢れ活気付いている

彩りを身に纏って人々が往来する

その流れの中にいると

自分も幸せになれているような気分になる

しかし 少し立ち止まって

行き交う人々の顔をジッと見ると

大枠で捉えていた彩りは鳴りを潜め

モノクロへと変わる

大人になるとは

成長とは 喪失なのだろうか

未だ 考えている



忘我

私は

渋谷シャンティの100ボーガスープカレー(辛味の指標に”ボーガ”という言葉を使うの)を嗜んだ

想像を絶するスパイシブさによろめき スキップで渋谷道頓堀劇場まで辿り着いた私は

出演掲示板で本日のメインストリッパーを確認し 前のめりに倒れた

朦朧とした意識の中で浮かんだのは

太古から始まり

十字軍遠征

大航海時代

数多の犠牲を乗り越え発展してきた香辛料〜スパイス〜

食文化を豊潤に発展させた功績を称え

主に百均で購入している

目の前をヒアリが横切る

渋谷の真ん中にまで進出していたのか

TBSに連絡しなければ

そして 意識を失った



その時 歴史が止まった

風の中のすばる

砂の中の木村

気がつくと私はある場所にいた

暑い夏の日差しが記憶を想起させる

ここは17年前の関西 兵庫県

出勤の支度をする私の横で

夜勤から帰宅した友人が

買い物袋からパックのキムチ(大)を取り出した

仕事明けにキムチとビールで一杯とは粋である

「ビゐルとキムチ、もしくは巨乳を好まぬは非国民である」

文豪 太宰も言っている

言ってないかもしれない

すると友人は袋からチューブにんにくを取り出し

キムチパックに全全全部絞り出した

もしかして私の息 腐ってる?

出勤して休憩時間を利用し出会い系に精を出すのだけが楽しみな私の脳内は乱れた

しかし分からぬでもない

スパイスならぬ”香味野菜”のにんにく

料理のアクセントしてあまりにも優れ かつ高栄養価

恩恵の代償が口臭だけならば容易い

追いにんにくに敬礼

すると友人は再び袋からもう一本チューブにんにくを取り出し

キムチパックに全全全部絞り出した

もしかしてお前の胃袋 腐ってる?

ふと興味でキムチパックを嗅がせてもらった私は海老反りでぶっ倒れ

しかし森で培った何かを発揮し見事な受け身を見せると

その反動を利用し 出会い系をチェックする為出勤した


※以降の文章には過激な単語が含まれる為

社会的影響を考え、該当語句を『スラムマン』と表記致します




異変は 日勤終了間際に起こった

夜勤者への業務引き継ぎの際

ある区画がざわめいていた

「スラムマンの臭いがする!」

「誰かスラムマン漏らしただろ!」

何を言っているんだ

工業用機器が立林するこのメタルジャングルに

浦安鉄筋家族でもあるまいに

大人はスラムマンなんて漏らさないのだよ

私は落ち着く為 大きく深呼吸した

スラムマンの臭いがする!

こんな不快な深呼吸あるのか?

死んだ肺胞返ってくるのか?

腰を落とし周囲を警戒していた私の目に飛び込んできた発臭源は

友人であった

いや

かつて”友人”と呼んでいた

スラムマンそのものである

徐々に近づくスラムマン

徐々に強まる臭気

私は戦慄し そして確信した

こいつは

スラムマンそのものである

何だこいつヤベェと感じた私は

区画長に速やかに報告

そして区画長から主任に報告

そして主任から総理大臣に報告はされなかった

かくして 松下電器創設以来初であろう

”身体からスラムマンの臭いがするから退社”という命令が発令されたのである

同時に”身体からスラムマンの臭いがする奴は退社”という意味の分からない社訓も発布される事となった

さらに友人 いやスラムマンには”就業期間中のにんにく及び刺激物ほかにんにくとかにんにく禁止令”という人権をモノとも思わぬ業務命令が課される運びとなる

上司命令という名のウォシュレットにより スラムマンは去った

しかし私は二度死ぬだろう

だって奴の家は私はの家だから

ふと気付くと

私は渋谷道頓堀劇場の前に立ち尽くしていた

目の前にはメインストリッパーの出演掲示板

どうやらスパイスの摂り過ぎで 幻覚を見ていたようだ

刺激物にはご注意

すっかり忘我していた

夏の夜の悪夢だったのだろうか

気がつくと 手には何かの入場チケットが握りしめられている

「夏の夜の夢はこれからさ…まずはスラムマンと洒落込むか」

そう呟くと私は笑みを浮かべながら

渋谷道頓堀劇場の奥に姿を消したのだった




〜劇終〜

呼ばれない夏の服

精彩もキレも失ったこのブログは

もはや埃と蜘蛛の巣にまみれ

終の瞬間をただ待つのみ

アウトプットとしての役割はSNSに奪われ

その意義は「いいね!」に始まる俊敏性についていくことは叶わず

多様性の中で真価を失った

代わりに残ったのはある種の骨董的な側面だけだといえる

我輩はパンツ一丁である

替えは無い

攻める猛暑によるシャワー&シャワーの日々は

ファストファッションクオリティのパンツを慈悲もなく根絶やしにし

この第二次パンツ危機問題は

下げ止まらぬファストファッション界と私のパンツに大きな風穴を開けると共に 放屁が容易となった

多様性の具現とも言える洋服とは実に面倒なものだ

願わくば 肌色の全身タイツでうるう年までキッチリ366日過ごしたい所存

オオエド100%と呼ばれるのもまた一興である

念の為銀座伊勢丹に赴き 股間が隠れるサイズのお盆が入るバッグを探してみたがどうにも見当たらない

漆器売り場の売り子に「貴殿でしたらご飯茶碗で十分では?」と的確なアドバイスを受ける

銀座伊勢丹には二度と行かないと心に誓った

多様性の中で独自に枝葉を広げ

進化を続けるファッション

人と違う事が優性であり個性であるとは一言

しかしその本懐は 着る本人に依存せず見る他人にこそ宿ると言える

印象操作は ファッションが合理的だ

時間をかけ弁を述べ文を書き理解を促すのに比べ

少額の投資で実に劇的な効果を発揮する

パンツとてバカにはできない

菅田将暉モデル装着による菅田将暉感は ”これで俺も菅田将暉だ!”という自信を与えてくれると同時に

概ねがモッコリ勘違いである

モッコリ違いについてはXYZを参照願いたい

我々の様な”普段は表に出ない”業態こそ ファッションには重きをおくべきだろう

耳を澄まし注視する必要がある

特に我々プレイヤー間では恒常的にディスカッションを行い

お互いを侵害せず 理を得られるファッションを模索すべきだ




















だが被った

この確率 宝くじよりナウロマンティック

案ずるな 人間には誤りを犯す事で成長するという稀有な特性がある

スタッフのニヤつきは 私にさらなる成長の確信と殺意を招いた

私は強く生きる

































そしてすぐさま死にたいと思った

何ニヤついてんだこの野郎◯っ殺すぞと言いたいシーンの到来である

向夏の候

スタッフの微笑みに

私は夏の到来と幽遊白書のOPを感じた






〜続く〜

ジャパネット岡田

昼過ぎ

諸用で北千住に出向いた俺は

用事を済ませ 荒川の河川敷高架下にいた

高架を走る電車

喧々たる野球少年達

川辺で法螺貝を吹く人

ご婦人を散歩させる犬

その光景を眺める

何かがおかしい

俺は身を屈め もう一度注意深く周囲を見回した

川辺で法螺貝を吹く人

川辺で法螺貝を吹く人

川辺で法螺貝を吹く人

トランペットかな?

指紋が無くなるほど指で目をこすったが

法螺貝

その時だった

「おにーちゃんはなに?美容師さん?金髪いいねー」

草むらから突然おっさんが飛び出してきた

ポケモンかと思い臨戦態勢をとる

「なに、法螺貝は初めて?」

勇気を出して初めて行ったエッチな店のオネーサンみたいな事を言いながら

おっさんが無音で近づく

日頃の怒りを込めた握りこぶし一個分くらいの距離感

臨戦態勢の俺に隙は無かった筈

このポケモン 只者ではない

「おにーちゃん名前は?」

「大江戸です」

「変わった名前だなぁ。でも覚えやすくていい名前だねぇ」

警戒しすぎだろうか

気さくな近所のおっさんなのかもしれない

「俺の名前なぁジャパネットタカタの岡田。ジャパネット岡田」

0.1秒で脱出の体制に入る

しかし俺はハッとした

何故今まで気が付かなかった

ここは

足立区

身ぐるみはサロンパス一枚まで全て剥ぎ取られ

区のフリーペーパーではオレオレ詐欺の求人が掲載され

アスファルトは吸殻で見えなくなり

ブラジル人が早朝からパチ屋の抽選券配りに並び

川沿いに法螺貝を吹く謎の人物が現れ

ジャパネット岡田に遭遇する

常在戦場の地だ

俺はどうにも収まらない後悔と失意に駆られたが

西麻布のフレンチで杏に告白されるという妄想を0.5秒で再生し

冷静さを取り戻した

しかしその間にもおっさんは大江戸の精神領域を侵犯してくる

若い頃にハーバードに行こうと考えていたというおっさん

もし卒業してたら世界を動かすアイビーリーガーですね と応答すると

野球じゃねえよハーバードだよニイチャン と力強く言い放つのだ

絶対ショー◯Kの経歴詐称問題をワイドショーで見て覚えただけだなという

確信すら追いつくことは叶わず

絶対おっさん時空域 すなわち

『ユア・タイム』が形成されつつあった

相原くん目黒さんおめでとうございます!

おっさんは留まるところを知らない

なんか面白い事を言おうとする度に

高架橋に電車が通り

ただの口パクおっさんと化す

「@○×△☆♯♭●□▲★※!!」

おいおいゼンマイ人形みてーじゃねーかどうなってんだ

もはや話す内容など超越している

法螺貝が遠くに聞こえ

ジャパネット岡田が現れ

話のヤマで電車が通過し

短いスパンでむせるおっさん

もはや現実では無いのではないか

ここから虚構空間が侵食し

世界はバラエティに染まるのか

俺はこの状況を打開すべく

ていうか杏って既婚者じゃねーかざけんな!という怒りを原動力に

荒川河川敷を脱出

満身創痍の身のまま公用車に乗り

湯河原へと向かったのだった













~完~

山上さんのかごんまブロッサム

なにから話せばいいのか…

そうだな まぁ…

唐突だった

それは収録中

担当の収録を終えた俺は

待機所のソファに深く腰掛け…

バハマのグレイクリフに火をつけ深く吸い込んだ

勿論片手にはビンテージワイン

もう片手にもビンテージワイン

両足のつま先にもビンテージワイン

といういじめの真っ最中だった

その時だ

「山上さんから鹿児島のお土産を頂いたの」

俺にはすぐ分かったね

心地良く響くこの凜乎とした声ぁ

ナレーターよしいよしこさんだと

Naturalかつスター性を秘めたその声

ラララーラーラー”Nスター”だとな

しかしお土産だって?

嘘だろ?俺は思わず

向かいに座る ナレーターのトビー上原さんを見た

「Que llamamos de nuevo más tarde. adiós(あとでかけ直す。じゃあな)」

コスタリカの友人と何かの粉の取引中だったトビーさんは商談の電話を切り

懐の膨らみに手を忍ばせた

そして

ドスの効いた低音の声で眼光鋭く言い放った

「ここの日本語 間違ってますね…」

懐から取り出したペンで原稿を直し始めた

おいおい聞いてないぜ

こいつはヤバいと思ったよ

「で よしいさん。西郷隆盛の死こそが、武士の時代の幕引きだった…という事ですが 本当ですか?」

「私が預かっているわ」

「そいつぁありがたいな なんせいつも大江戸からゴミばかり貰いますからね」

何はともあれ

あの山上さんのお土産だ

お宝に違いないと確信したよ

さてよしいさんへのお土産のお披露目だ





さすがは山上さん

桜島といえば

活火山 桜島御岳

溶岩に模したシュガーとはシャレが効いているな

朝の一杯に

桜島の息吹はいかがですか

乙女の心を理解した紳士なダンナだぜ

さて俺のは




さすがは山上さん

山上さん

山上さーん!

よく見ろ

この雄大な桜島噴火の写真と解説文

を差し置いて

「高性能パラボラマイクの大迫力」

大事な事なので赤文字で書きやがったか?

映像を映すカメラにはうぶ毛ほども触れずに

「高性能パラボラマイクの大迫力」

お客様お待たせいたしました

こちら本日のメイン

桜島活火山~パラボラマイクの性能の良さを添えて~

フランス料理かコラ

「高性能パラボラマイクの大迫力」

しかしメッセージは伝わった

俺たちは音の職人だ

これでジオグラフィックなサウンドを感じろ!って事だな

フッ さつま揚げの様にウマイ事を言うダンナだぜ

さて

最後はトビー上原さんのだ

俺たちの胸は高鳴った

仕事を忘れ 包装を破り取ったよ

そしてそいつは姿を現した


























































「360°どうみても溶岩ですね」








~fin~

3万円でどう?

「3万円でどう?」




ほう

興味深い

この言葉は今しがた

道で通りすがったスーツのお姉さんが

電話しながら放った言葉だ

聞いた瞬間

レベル1億のテトリスぐらい早く喫茶店に入り

アメブロにアクセスした

さて議題は

何が3万円なのか?である

この問題に関してはG8各国首脳とて

北朝鮮への制裁決議を一時中断し

取り組まざるをえない

しかし首脳陣らは言葉を濁す

なぜなら

性交渉の文句

と連想してしまっているからである

しかしその連想は安易ではありませんか議長

ここは新橋である

そして彼女は品の良いスーツの美人

ここがデトロイドシティもしくは中南米で

80年代のシンディローパーの様な出で立ちなら

その連想も致し方ありま記念

何かの事象に対して

「知っているか」「知らないか」

その違いは

時に致命傷になりうる

それだけで有利不利が変わる

「知る」事で得る知識や情報は

自らを武装する武器であり防具なのだ

ただ

「知らない」事で得られる副産物もある

それは

想像である

創造には遥か及ばないが

イメージする事で幸福を得られる場合もある

人間の面白いところだ

「もしもしお母さん?私私、私だけど、そうサチコ。会社の金を(省略)は?年齢?ゴタゴタうるせーなークソババアぶっ◯すぞ分かった分かったもういいから3万でどう?」

交渉ごとに於いては

何事も辛抱強さが重要だと感じる

「私の紹介だから市販されてないオーガニックで高品質の商品が手に入るし、それを売る権利もあるの!本当は5万円分の商品が3万なの!それにお金じゃないの!この思想がこの値段って考えればすごくない?税抜きでいいから、◯◯ウェイの商品、3万でどう?」

知り合いのその知り合いの部屋は

◯◯◯ェイの在庫で座る場所が無いらしく

今日も熱心に渋谷の喫茶店でネゴシエートしているそうだ

余談ではあるが

私はナレーターの他に

渋谷の局の前にある◯◯◯ェ◯ビルに入っていく人の服装をくまなくチェックする

ファッション評論家

通称アムラーという顔も持っている

やたらと白系が多いのが特徴だ

こんなのはどうだろうか

「テンプル大学で学位を取得し、ハーバードでMBA。低音の声を生かしナレーションなどもし、コメンテーターとして様々な」

おっとコンサルタントの時間だ

ここで失礼する

ボイスオーバー

大江戸だ

知らない方も多いと思うが

実は俺は

ナレーターだ

刑務服を見に纏い

日夜せっせせっせと桐ダンスを作る

簡単なお仕事です

しかし

時にこんな事がある

「大江戸さんVOお願いします」

きたな

VO(ボイスオーバー)とは

対象人物に声をアテる作業

外国人や被告や裁判官や政治家

安倍内閣の今回の騒動に、永田町関係者は…「◯◯◯◯◯◯」

大江戸容疑者は裁判官の質問に対し…「◯◯◯◯◯◯」

外国人にアテる場合は

吹き替え映画をイメージしてほしい

本業以外と侮るなかれ

VOの醸し出すパワーは想像以上に烈しい

侮れば

死 あるのみ

さて

現場の性質上

対象人物の映像を見れない場合が多々ある

その場合は必要最低限の条件

『人種・年齢・外見的特徴』

この3つがあれば

あとは自作のネタ帳を見て

即興でバリエーションは組み立てられる

もし何も情報が無い場合は

覚悟を決め

全員えなりかずきの声でやるしかない

「諦念せよ さすれば開悟せん」と

ヘルマン・ヘッセも言っている

嘘だ言っていない

無性に幸楽のラーメンを食べたくなったが続ける

どこまで話したか…

そう

最低限の3つの情報だけでは

やはり奥行きが出ない

出す為の決定的な情報が2つ欠けている

『本人の状態・状況』

これがないと

事故で瀕死の大怪我を負った人が

超元気にインタビューに答えるという

奇妙な光景が発生する事になる

こいつ不死身か?ってなる

放送的には大丈夫かもしれないが

我々の精神的には放送事故

慚愧に堪えぬ思いだ

しかしまだ地獄の一丁目である

これ以上に難を要するのが

映像無しでの連続VO

「ナレーションの流れでA・B・Cが言い争うVOもいいすか?」

くっ 馬鹿なっ

声質に置いて匹夫な大江戸は

差別化に非常に苦慮する

なにもかも投げ出して

全員えなりでやりきりたい気持ちをグッと堪え

バリエーションを練る

よし決まった

ナレーションはフラットだから

A:ジャッキー・チェン

B:アムロ・レイ

C:サモ・ハン

で色付けていこう

まず

注意力も働いているからだろうが

ジャッキーからアムロへの流れはスムーズだ

そう

ガンダムに酔拳を伝授する事に成功し

ブライト艦長のビンタにカウンターを入れ

一年戦争の勝利も目前である

あとは中国産偽ガンダムが昇竜進化し

ゴールデン・ハーベスト社からハリウッドへと巣立つだけである

しかしどうだろう

ハリウッド進出を機にサモ・ハンと改名した彼の前に

かつての朋友が立ちはだかる事となる

彼の名は

ジャッキー・チェン

そう

C:サモハンのVOになぜかA:ジャッキー成分が入り

七福星以来の共演が叶ってしまうのである

おーいみんなぁ 俺だぁジャッキーだぁ

やあ サモだよ なんだよジャッキー もうナレーションパートに戻っちゃうよ

おっ みんなぁナレーションもぉ聞いてくれよなぁーー

全ては原初に還る

昭然たるイメージが無ければ

いとも簡単に崩れ去るのだ

別パターンとして

Bをスネイプ先生でやった場合に

Cもスネイプ先生になる危険性があり

気がつくとすごくしゃくれている

3人目はかなりの鬼門だ

くそっ

映像さえ…

映像さえあれば……








ーTo be continuedー

ババアの時間は

2015年9月4日

 

昼過ぎの収録を終えた時点で

 

社長からの電話がなった

 

「夜の録りバラシになったから」

 

「イエス マイロード」

 

「あとで事務所寄って。精神病院に紹介状書いてあげるから」

 

紹介状を胸ポケットにそっとしまい

 

空を見上げた

 

9月か

 

そうか…

 

夏も終わる…

 

32℃か

 

そうか…

 

わりかし夏…

 

絶好調だったわ…

 

ミンミンミンミン

 

うるせーんだよ

 

餃子屋じゃねーんだぞ

 

ニチレイの冷凍技術なめんなよ

 

二人前に白米…

 

いや白米は駄目だな冷奴にして

 

ザーサイも欲しいな

 

と脳内餃子スパーリングで額から肉汁を流し

 

東京駅から新幹線で岩手県の新花巻駅

 

 

新花巻駅前の日本レンタカー

 

「こんにちわタイヤが四ついてて走ったブゥゥゥゥンンだけガソリン入れて返さなきゃいけない面倒くさい鉄クズ一台貸してください」

 

「クレカ払いです」

 

「この俺を360°彩り豊かにガン見しやがれ。クレカなんて持ってる風にみえんのか?」

 

「現金前払いでいいすけど、担保が必要です」

 

「担保でも◯◯ぽでも置いてってやるわちょっと待ってろ」

 

軒先にひっそりと

 

しかし強く美しく咲いたタンポポ

 

をブチ抜き担保にし

 

俺は鉄クズに乗って釜石市へと向かった

 

 

これは年に一回の恒例来訪

 

京都 観光古都

 

北海道 でっかいどう

 

釜石市 なんにもねえよ

 

鉄鋼産業での栄枯盛衰を経て

 

今 岩手県釜石市に何よりも強く残るのは

 

被災地という側面だ

 

それ以外は 今は何もねえよ

 

こう言っては釜石住民に叱責を賜りそうだが

 

俺もかつては釜石住民だった

 

許してくれ

 

 

釜石新道を抜け

 

釜石駅前に着き 適当なホテルにチェックイン

 

用件は明日だ

 

付近でも散歩でもしようか

 

昔住んでいた地域周辺にでも行ってみようか

 

いや

 

昔の記憶が無駄に蘇っちまう

 

その今昔の比較が

 

気分に影を落とすだろう

 

多分

 

その影ってのは

 

東日本大震災とかではなく

 

ただの郷愁の念であって

 

「むかしはよかった」とかいう類の

 

大人の中二病

 

正直

 

東日本大震災に関しては

 

未だ実感は無く

 

大きな揺れの後

 

周囲の変化

 

情報の錯綜

 

住んだことのある街2つが波に飲まれる

 

それらを横目で追っているうちに

 

なんとなく実感した程度だ

 

東日本大震災の体験は

 

被災者にしか語れない

 

「明日は来るよ!」

 

「がんばれ!」

 

”家に帰ればベッドもご飯も仕事もある人達の言葉は響かない”

 

被災した知り合いの弁

 

なんだか考えるのも疲れた

 

夜飯はどうしようか

 

 

 

 

 

気がつけば21時

 

少し寝ちまった

 

なんでパンツ一丁なんだ

 

おっとなめんなよ

 

俺だってドリフ世代

 

KATO・CHAばりの弁えはあるつもりだ

 

やっとくか

 

へぇーーーっ  くしっ!

 

腹へった

 

駅前の商店街に向かう

 

 

釜石はまゆり飲食店街「呑ん兵衛横丁」

 

津波で本チャンは全部流されちまったからよ

 

今でも仮設店舗

 

外からフラッと覗いてみると

 

常連らしき作業服姿のおいちゃんらが点々

 

ちょっと入りづらいな

 

気不味いな

 

オレ ヒトミリシ

 

ミセ ハイラナイ

 

とネイティブアメリカンの吹き替えでその場を立ち去った

 

ちなみにこの時点ではパンツ一丁ではない

 

ちゃんとブラも着けている

 

ふう

 

少し早いがしょうがない

 

スナック瀬里奈へ行くしかあるまい

 

スナック瀬里奈

 

『こんばんわ♡戦後生まれの17歳♡』のご挨拶でお馴染み

 

キャストはほぼ大江戸の年齢×2という

 

最高のナイトスポットだ

 

「おらだらから見だら、おにーちゃんなんか精子だよ精子」

 

名言製造マシーン『ホタテのトミ子』60代

 

何故このピチピチギャルがホタテのトミ子かと言うと

 

ホタテを送ってくるからだ

 

店に来ただけの客に住所を聞いて

 

いきなりホタテを送りつけるのだ

 

「この住所でよく届いたな!」という

 

東京区 六本木区 (以下記載無し) みたいな

 

謎の住所で力強く送ってくる

 

クロネコテレフォンバンバン鳴ったわ

 

「ホタテありがとね!でも住所!名刺渡したろ見ろよババア!」

 

と言うと

 

「だってー、おらさ東京の住所よぐわがんねがらー♪」

 

ならしょうがない

 

待て

 

断っておくが

 

ババアと呼ぶのに許可は貰っている

 

能力者達はうすうす感づいているかもしれないが

 

 

この世の中は既に

 

ババア・ゾーンのインサイドにある

 

正確にはBBAではない

 

 

次世代型単式蒸留酒自動瓶類保持マシーン

 

~ V V A ~ だ

 

客のボトルを勝手に呑むという精密作業を

 

超ハイスピードで行う

 

一杯しか呑んでないのに半分無くなってる理由はここにある

 

地方のスナックには振り幅がある

 

「大江戸さん 最終的にはスナックなんですよ」

 

かの有名な殺し屋&ナレーターであるトビー上原氏の弁である

 

カウンターで静かに佇んでも良し=BAR

 

そこでカウンターのおねーちゃん(VVA)と談笑しても良し=ガールズBAR

 

ソファ座っておねーちゃん(VVA)と呑んでも良し(おねーちゃんは座らないけど)=キャバクラ・クラブ

 

出てくる軽食(たまに本気飯)を食べても良し=居酒屋・飯屋

 

カラオケを歌ってもよし=カラオケ屋

 

大江戸よし々

 

しかしこの店

 

お世辞にも活気があるとは言えないが

 

キャスト一人一人のテンションが高く

 

笑いに包まれている

 

妙なぎこちなさもないし

 

振り切っている感がある

 

居心地がいいのだ

 

流石は年の功といったところだろうか

 

俺はどうだ?

 

多種多様な経験を経て維持も拘りも削ぎ落ち

 

奔放に生きられるのだろうか

 

VVAを見ていると 自分もそうなりたいと思う

 

「あんたいくつだっけ?」

 

「平成生まれの34歳だよいい加減覚えろババア」

 

「ウチの子と同じだー 千葉の大学行ってたんだ」

 

「前に聞いたわ こっち帰ってきたんだっけ」

 

「うんだ 結婚してこっちさ帰ってきてたんだー」

 

「あーそうだそうだ」

 

「子供も産んでさー」

 

「前にも聞いたっつの!」

 

「んだっけがー?」

 

時刻は0時前

 

「ほんじゃ帰るわ また来年来るからボトル残しておいてよ」

 

「まだホタテっこ送ろが?」

 

「住所だけ本気で頼む!東京区なんて無いから!近未来の住所だからそれ!」

 

店を出る

 

 

 

ママは小学4年生

 

いや

 

ババアの娘は同い年

 

 

 

 

正確には

 

現在38・39歳

 

同い年で止まった

 

旦那も

 

孫も

 

ババアの家族全員が海に飲まれ

 

娘が同い年だった頃から歳をとっていない

 

この店のキャストのほとんどが

 

自分だけ歳を取り続けている

 

 

 

 

 

 

 

 

ババアは笑っている

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

翌日

 

 

諸用を済ませ

 

昔住んでいた場所の近所を歩いてみた

 

毎日通った駄菓子屋も もう無い

 

家の裏のゲートボール場も埋め立てられた

 

街はただただ風化していくばかりだ

 

郷愁の念は強まるが

 

今から20年経ったら

 

今現在そのものに郷愁を抱くのだろう

 

同じ事を繰り返す

 

至極個人的で他愛ない想いだ

 

 

 

 

 

 

 

ババアは笑っている

 

ずっと笑っているという

 

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