忘我
私は
渋谷シャンティの100ボーガスープカレー(辛味の指標に”ボーガ”という言葉を使うの)を嗜んだ
想像を絶するスパイシブさによろめき スキップで渋谷道頓堀劇場まで辿り着いた私は
出演掲示板で本日のメインストリッパーを確認し 前のめりに倒れた
朦朧とした意識の中で浮かんだのは
太古から始まり
十字軍遠征
大航海時代
数多の犠牲を乗り越え発展してきた香辛料〜スパイス〜
食文化を豊潤に発展させた功績を称え
主に百均で購入している
目の前をヒアリが横切る
渋谷の真ん中にまで進出していたのか
TBSに連絡しなければ
そして 意識を失った
その時 歴史が止まった
風の中のすばる
砂の中の木村
気がつくと私はある場所にいた
暑い夏の日差しが記憶を想起させる
ここは17年前の関西 兵庫県
出勤の支度をする私の横で
夜勤から帰宅した友人が
買い物袋からパックのキムチ(大)を取り出した
仕事明けにキムチとビールで一杯とは粋である
「ビゐルとキムチ、もしくは巨乳を好まぬは非国民である」
文豪 太宰も言っている
言ってないかもしれない
すると友人は袋からチューブにんにくを取り出し
キムチパックに全全全部絞り出した
もしかして私の息 腐ってる?
出勤して休憩時間を利用し出会い系に精を出すのだけが楽しみな私の脳内は乱れた
しかし分からぬでもない
スパイスならぬ”香味野菜”のにんにく
料理のアクセントしてあまりにも優れ かつ高栄養価
恩恵の代償が口臭だけならば容易い
追いにんにくに敬礼
すると友人は再び袋からもう一本チューブにんにくを取り出し
キムチパックに全全全部絞り出した
もしかしてお前の胃袋 腐ってる?
ふと興味でキムチパックを嗅がせてもらった私は海老反りでぶっ倒れ
しかし森で培った何かを発揮し見事な受け身を見せると
その反動を利用し 出会い系をチェックする為出勤した
※以降の文章には過激な単語が含まれる為
社会的影響を考え、該当語句を『スラムマン』と表記致します
異変は 日勤終了間際に起こった
夜勤者への業務引き継ぎの際
ある区画がざわめいていた
「スラムマンの臭いがする!」
「誰かスラムマン漏らしただろ!」
何を言っているんだ
工業用機器が立林するこのメタルジャングルに
浦安鉄筋家族でもあるまいに
大人はスラムマンなんて漏らさないのだよ
私は落ち着く為 大きく深呼吸した
スラムマンの臭いがする!
こんな不快な深呼吸あるのか?
死んだ肺胞返ってくるのか?
腰を落とし周囲を警戒していた私の目に飛び込んできた発臭源は
友人であった
いや
かつて”友人”と呼んでいた
スラムマンそのものである
徐々に近づくスラムマン
徐々に強まる臭気
私は戦慄し そして確信した
こいつは
スラムマンそのものである
何だこいつヤベェと感じた私は
区画長に速やかに報告
そして区画長から主任に報告
そして主任から総理大臣に報告はされなかった
かくして 松下電器創設以来初であろう
”身体からスラムマンの臭いがするから退社”という命令が発令されたのである
同時に”身体からスラムマンの臭いがする奴は退社”という意味の分からない社訓も発布される事となった
さらに友人 いやスラムマンには”就業期間中のにんにく及び刺激物ほかにんにくとかにんにく禁止令”という人権をモノとも思わぬ業務命令が課される運びとなる
上司命令という名のウォシュレットにより スラムマンは去った
しかし私は二度死ぬだろう
だって奴の家は私はの家だから
ふと気付くと
私は渋谷道頓堀劇場の前に立ち尽くしていた
目の前にはメインストリッパーの出演掲示板
どうやらスパイスの摂り過ぎで 幻覚を見ていたようだ
刺激物にはご注意
すっかり忘我していた
夏の夜の悪夢だったのだろうか
気がつくと 手には何かの入場チケットが握りしめられている
「夏の夜の夢はこれからさ…まずはスラムマンと洒落込むか」
そう呟くと私は笑みを浮かべながら
渋谷道頓堀劇場の奥に姿を消したのだった
〜劇終〜
渋谷シャンティの100ボーガスープカレー(辛味の指標に”ボーガ”という言葉を使うの)を嗜んだ
想像を絶するスパイシブさによろめき スキップで渋谷道頓堀劇場まで辿り着いた私は
出演掲示板で本日のメインストリッパーを確認し 前のめりに倒れた
朦朧とした意識の中で浮かんだのは
太古から始まり
十字軍遠征
大航海時代
数多の犠牲を乗り越え発展してきた香辛料〜スパイス〜
食文化を豊潤に発展させた功績を称え
主に百均で購入している
目の前をヒアリが横切る
渋谷の真ん中にまで進出していたのか
TBSに連絡しなければ
そして 意識を失った
その時 歴史が止まった
風の中のすばる
砂の中の木村
気がつくと私はある場所にいた
暑い夏の日差しが記憶を想起させる
ここは17年前の関西 兵庫県
出勤の支度をする私の横で
夜勤から帰宅した友人が
買い物袋からパックのキムチ(大)を取り出した
仕事明けにキムチとビールで一杯とは粋である
「ビゐルとキムチ、もしくは巨乳を好まぬは非国民である」
文豪 太宰も言っている
言ってないかもしれない
すると友人は袋からチューブにんにくを取り出し
キムチパックに全全全部絞り出した
もしかして私の息 腐ってる?
出勤して休憩時間を利用し出会い系に精を出すのだけが楽しみな私の脳内は乱れた
しかし分からぬでもない
スパイスならぬ”香味野菜”のにんにく
料理のアクセントしてあまりにも優れ かつ高栄養価
恩恵の代償が口臭だけならば容易い
追いにんにくに敬礼
すると友人は再び袋からもう一本チューブにんにくを取り出し
キムチパックに全全全部絞り出した
もしかしてお前の胃袋 腐ってる?
ふと興味でキムチパックを嗅がせてもらった私は海老反りでぶっ倒れ
しかし森で培った何かを発揮し見事な受け身を見せると
その反動を利用し 出会い系をチェックする為出勤した
※以降の文章には過激な単語が含まれる為
社会的影響を考え、該当語句を『スラムマン』と表記致します
異変は 日勤終了間際に起こった
夜勤者への業務引き継ぎの際
ある区画がざわめいていた
「スラムマンの臭いがする!」
「誰かスラムマン漏らしただろ!」
何を言っているんだ
工業用機器が立林するこのメタルジャングルに
浦安鉄筋家族でもあるまいに
大人はスラムマンなんて漏らさないのだよ
私は落ち着く為 大きく深呼吸した
スラムマンの臭いがする!
こんな不快な深呼吸あるのか?
死んだ肺胞返ってくるのか?
腰を落とし周囲を警戒していた私の目に飛び込んできた発臭源は
友人であった
いや
かつて”友人”と呼んでいた
スラムマンそのものである
徐々に近づくスラムマン
徐々に強まる臭気
私は戦慄し そして確信した
こいつは
スラムマンそのものである
何だこいつヤベェと感じた私は
区画長に速やかに報告
そして区画長から主任に報告
そして主任から総理大臣に報告はされなかった
かくして 松下電器創設以来初であろう
”身体からスラムマンの臭いがするから退社”という命令が発令されたのである
同時に”身体からスラムマンの臭いがする奴は退社”という意味の分からない社訓も発布される事となった
さらに友人 いやスラムマンには”就業期間中のにんにく及び刺激物ほかにんにくとかにんにく禁止令”という人権をモノとも思わぬ業務命令が課される運びとなる
上司命令という名のウォシュレットにより スラムマンは去った
しかし私は二度死ぬだろう
だって奴の家は私はの家だから
ふと気付くと
私は渋谷道頓堀劇場の前に立ち尽くしていた
目の前にはメインストリッパーの出演掲示板
どうやらスパイスの摂り過ぎで 幻覚を見ていたようだ
刺激物にはご注意
すっかり忘我していた
夏の夜の悪夢だったのだろうか
気がつくと 手には何かの入場チケットが握りしめられている
「夏の夜の夢はこれからさ…まずはスラムマンと洒落込むか」
そう呟くと私は笑みを浮かべながら
渋谷道頓堀劇場の奥に姿を消したのだった
〜劇終〜