おはようございます
今日もいい天気ですね!
別ページで
「スポンジ」※について少しお話したのですがちょっと不十分?
これではレシピを
〈探す事〉
〈見る事〉
のお役に立てていないと思い、工程ごとにその作業の理由などお話したいと思います。
ある程度習得されている人には必要無いページかもしれません。
※以前書いた
「スポンジ生地」焼きますか?←のページ
お菓子作りにまだ慣れていない人に多くあるのですが
レシピ本やネットの
〈説明〉と〈言葉〉
を勘違いしてしまい失敗して折角始めたケーキ作りを諦めてしまう…
そうなって欲しくないなぁと思っています。
既に持っているレシピや今まで
〈漠然〉
としていた事が理解出来るようになるかも?
そうなるように頑張ってみます。
がんばる!
まだ「スポンジ作り」の経験が無い人には少々わかり辛い部分があるかと思います。
難しいと感じたら無理しないで下さい。
いつか参考になれば。
それから製菓学校に通わずパティシエになった若い人には役立つかもしれません。
既にレシピをお持ちの方は照らし合わせて読んで頂けると、本やネットのレシピに書かれている言葉の意味や作業の理由がわかるかも知れません。
「スポンジ作り」は
①卵と砂糖を泡立てる
②小麦粉を混ぜ合わせる
③型に流して焼く
概ねこの3つの行程からなります。
このページでは
《①卵と砂糖を泡立てる》
のお話をします。
※「卵」と「砂糖」については別のページで少しお話した事がありますのでよろしければそちらも読んで頂けるといいかもしれません。
『卵を割り、溶きほぐしたら砂糖を加え、直ぐに泡立て始めます。』
「スポンジ」
のレシピの最初にはこの様に書かれている事が多いと思います。
「卵」は殻を割りそのままにしておくと卵白が空気に触れて変性します。
(タンパク質の立体構造が崩れること)
その為、割卵後直ぐに溶きほぐす必要があります。
※数分なら問題ありません。
更に砂糖を加えたら(又は加えながら)直ぐに混ぜ始めるのは
〈砂糖〉と〈卵黄〉が触れた状態のまま置いておくと浸透圧により固まり
「ダマ」
が出来てしまうからです。
※「黄身ぶし」と書かれている事もあります。
この「ダマ」は熱をつけ攪拌を続けても
消えずに残ります。
(泡立てるとわかりにくくはなります)
つまり焼き上がった後にもこの
「ダマ」はスポンジの中に
黄色い点々
として残り、口にすると粒がわかります。
次に
『かき混ぜながら湯煎で熱を付つけていきます。』
かき混ぜながら熱を付ける理由は、溶けきっていない
〈砂糖と卵黄〉が「ダマ」
になる事を防ぐ事と、湯煎の熱が生地に均一に伝わるようにするためです。
かき混ぜずに湯煎に当てたままにすれば当然外側から凝固し始めます。
※最近はあまり聞かなくなりましたが
「卵がかえる」という人もいます。
家庭では湯煎の温度は40℃~45℃くらいが良いでしょう。
※お風呂の温度くらい
いーいゆっだーなっ♫
卵のタンパク質は50℃くらいから熱変性を始めるからです。
室温にもよりますが生地の温度は40℃くらいが良いと思います。
温度計で測ってもいいですし指を入れてほんのり温かく感じるくらいで丁度いいと思います。
卵の中で指を振る感じにするとわかりやすいです。
どんだけぇ~
一度温度計で測り、指を入れて感じる温度を覚えておくのもありです。
湯煎鍋の底に布巾を敷くのは鍋底とボールが直接触れない様にする為とお湯の熱をボールへ優しく伝える為です。
※より柔らかく熱を伝える為に鍋と布巾の間に網を挟む場合もあります。
街のケーキ屋さんの場合は一度に仕込む量が多いので直火で温めるお店もあります。
間違いではありません。
その場合ボールの一部分だけが高温にならないように
「火加減」
「ボールを回しながら」
「立てたり横に傾けたりしながら」
など工夫をして熱を付けます。
熱を付ける理由は
「卵」の起泡性
を高めるためです。
全卵は卵白だけと違い卵黄の粘りがあり泡立ちが悪くなります。
全体を温めることで
「表面張力」が弱まりコシが切れ泡立ちやすくなります。
一部のレシピでは
「熱は付けずに泡立てた方がきめ細かいスポンジ生地になる」
と書かれているものもあります。
幾つか補足すると、
◎熱を付けてもきめ細かいスポンジ生地は作れます。
◎熱を付けずに泡立てるにはミキサーなど機械が必要です。
※手だけでも可能ですがメッチャ大変
(;^_^A アセアセ・・・)
◎機械を使っても時間が何倍もかかります。
◎慣れないと焼き上がりのボリュームは出しづらいです。
(重いスポンジになりやすい)
◎ミキサーの性能、扱い方によってはかえって大きな気泡が生まれます。
プロの場合
「特別な目的があるスポンジ」
以外は熱を付けてからミキサーにかける事が多いと思います。
泡立ちが早く安定します(作業性が良い)
基本的にボリュームも出るので同じ分量で多くのスポンジが仕込め歩留まりが良くなります。
起泡剤を使う配合は別です。
『しっかり泡立てる』
湯煎で熱を付けた後✋
手でホイッパーを使い泡立てるなら
ボールと作業台の間に濡れ布巾などを敷きボールが滑らないようにするとホイッパーの力が伝わりやすくなるのでお勧めします。
邪魔に感じる人は気にしないで下さい。
ボールは少し傾け時々回しホイッパーの当たる位置を変え、深い場所を泡立てます。
意識としてはホイッパーを潜らせるような感じで多くの空気を送り込むイメージです。
途中ボールの内側をゴムべらで払い混ぜ込みながら泡立てると生地のムラがなく泡立てる事が出来ます。
※この作業はミキサーを使う場合も同じです。
冬場など室温が低く直ぐに生地温が冷めてしまう時は途中まで湯煎に当てながら泡立てます。
※一度湯煎から外した後でも途中で冷めてしまい泡立ちにくくなったと感じたら、もう一度湯煎にかけながら泡立てると再び良く泡立ち始めます。
泡立てるホイッパーの手を止めるタイミングは
「生地がしっかりホイッパーにまとわり」
「ホイッパーを持ち上げた時に絡め取った生地が太い帯状(リボン状)に落ちる状態」
が良いとされています。
※一般的なレシピでは生地を垂らしながらゆっくり
「八の字」が書けるのが目安。
などと表現されています。
しかし配合によっても少し感覚が違う事があるので注意が必要です。
ふかふかに泡立てると
「軽いスポンジ」
が出来そうですが泡立て過ぎた生地は焼き落ちが大きくなりやすいので、結果として
「ベチャッ」
としたり
「落ちた部分が硬い感じ」
になりやすいので泡立て過ぎには注意しましょう。
ミキサーを使う時は特に気を付けて下さい。
ソコまで泡立てなくても上手な粉の混ぜ方が出来て上手に焼ければ美味しい
「スポンジ」になります。
しっかりと泡立ったらボールを平らにしてホイッパーを
大きくゆっくりと1分間くらい回します。
この作業をする事で生地の中に含まれている大きな気泡が切れ
細かく揃える事が出来ます。
この時点で熱は取れている事が大事です。
気泡の大きさがバラついていると焼成中に大きな気泡が小さな気泡を吸収し更に大きな気泡となり、目の粗いスポンジ生地になってしまいます。
ここ大事です。
ちなみに全卵3~4個までの配合なら手で泡立てる事が出来ます。
でもやっぱり手で泡立てるのは大変です!
ハンドミキサーを使って泡立てる場合でも熱を付けるまでの工程は手で行うことをお勧めします。
理由は
ミキサーボールとホイッパーの間には多少隙間が生じるので、その部分の卵と砂糖が混ざらずに残り
「ダマ」
になる事があります。
ボールに接触している部分の生地の温度が上がり過ぎるリスクもあります。
手を使ってボールの底全体にホイッパーが当たるようにしながら熱を付けるほうがいいと思います。
生地に熱が付き泡立てる段階になったら手からミキサーに変えてしっかり高速で泡立てましょう。
※中速から中高速で泡立てることもあります。
※ミキサーは手が疲れないので泡立て過ぎに注意して下さい。
しっかりと泡立ったら再びホイッパーに持ち替えゆっくりと生地を回し調えます。
※この作業は手で泡立てるのと一緒です。
ミキサーの機種によっては低速が
”それ程遅くなかったり”
ミキサーのホイッパーの形状によっては細かく揃った気泡になりにくい事があります。
「卓上ミキサー」
を使う場合も熱を付けるまでは
手で行います。
しかし卓上ミキサーのボールは
「底の部分」
で本体と固定する機種も多いのでその場合、普通のボールで熱を付けてからミキサーボールに移す方が良いでしょう。
ボールの側面で固定するタイプの場合はミキサーボールのまま熱を付けても大丈夫ですが途中何度かボールの底をゴムベラで払った方がいいです。
「卓上ミキサー」の場合途中で熱をつけ直す事が出来ないのでつける熱を少しだけ高めにした方がいいと思います。
50℃以下。
途中ガスバーナーを使って温める方法などありますが家庭ではお勧めしません。
◎どの位の温度になっているのかがわかりにくい事。
◎ガスバーナーの扱いが危険な事。
◎直接ボールを炙るので一カ所だけ高温になり生地の一部分だけ凝固したり焦がしたりする事が多い。
からです。
卓上ミキサーは機種にもよるかもしれませんが低速が出来ない物は見た事が無いので、高速で泡立てた後、低速にして一分位回しましょう。
※理由は手で泡立てるのと同じです。
いかがでしょう?
「スポンジ作り」だけで
(まだ途中ですが)
これだけの事を、もし
〈家庭向けレシピ本〉
に書けばほとんど読まれないでしょうし、スゴいページ数になってしまいきっと出版物としては成り立ちません。
そんな事もあり出版社の編集の方は大きな写真と出来るだけ短い文章でレシピ本を構成しているんだと思います。
このページが
一般向けにシンプルに書かれているレシピ本をより理解出来る様になるのに役立てればいいなと思っています。
《②小麦粉を混ぜ合わせる》
《③型に流して焼く》
についてお話したいなぁと思っています。
いつも長くなってスイマセン。
それでは皆さん!
愛ある一日を!