2017年11月24日の特許庁HPのお知らせに「第23回特許制度小委員会 配付資料を掲載しました」のアナウンスがあった。
http://www.jpo.go.jp/shiryou/toushin/shingikai/newtokkyo_shiryou23.htm


 配布資料「資料3 法改正検討事項について」には、
 法改正検討事項として
 1.証拠収集手続の強化
 2.グレースピリオドの拡充
 3.中小企業の特許料金の一律半減制度の導入
 4.その他の法改正検討事項
  .判定における営業秘密の保護
  .クレジットカードを利用した特許料等及び手数料納付制度の導入
などが挙げられており、その中で「判定における営業秘密の保護」

 判定における営業秘密の保護(特許法第186条)
 現状、判定に係る書類は、閲覧請求や公報等の形で外部に公開されており、営業秘密を保護するための措置は講じられていないが、昨今、産業界から、判定において営業秘密を非公表とすべきとの声が寄せられている。
 そこで、判定に関する書類に営業秘密が記載されている場合については、当事者の申出により、当該書類の閲覧等の請求を認めないこととする。

に注目した。

 

 何故かというと、当ブログの「特許庁への判定請求か弁理士による特許鑑定か? 2014-08-20」 https://ameblo.jp/patanze/entry-11912599492.html で、
 判定請求すると、相手方(特許権者)がある場合、判定請求書の副本が被請求人である相手方に送付され、指定された期間内に答弁書を提出する機会が与えられ(特許法第71条第3項で準用する特許法第134条第1項)、判定対象であるイ号物件(例えば企画・研究開発中の新製品)の内容が知られてしまうと、注意喚起をしてきたからであり、

 

 また、「判定公報について 2014-08-21」 https://ameblo.jp/patanze/entry-11912996032.html で、
 判定公報が発行されると、判定対象であるイ号物件(例えば企画・研究開発中の新製品)の内容が、当事者(特許権者等)以外の第三者にも知られてしまうと、注意喚起をしてきたからである。


 でもね、「判定に関する書類に営業秘密が記載されている場合については、当事者の申出により、当該書類の閲覧等の請求を認めない」としても、第三者に対しては秘密保持が可能であるが、判定請求の被請求人(特許権者)側には知られてしまうよね。

 

 法改正で、判定における営業秘密が保護されるといっても、全て保護されるわけではないことに留意する必要はある。

 

 まあぶっちゃけた話、判定で営業秘密が保護されるといっても完全ではないので、秘密裡にコトを進める、すなわち「新製品が特許発明の技術的範囲に属するか?」を判断するには、弁理士、弁護士による鑑定が必要だよね。