昨日のブログで特許庁への判定請求について触れ、そこで判定請求をすると、相手方がいる場合、相手方に判定対象であるイ号物件(例えば現在企画・研究開発中の製品)の情報が知られてしまう旨を書きました。


 実はそれ以外に留意しなければならないことがあります。


 それは判定請求を途中で取り下げしない限り判定公報が発行されて今度は当事者以外の第三者の目にも触れてしまうことがあり、判定請求をする際にはこの点についても留意しておく必要性があることです。


 例えば、判定請求人が製造・販売を予定している製品の技術情報が判定公報を通して公開されてしまします。


 これは本来秘密にすべきものです。


 でも第三者に目を転じるならば、第三者にとっては適法に競業者の秘密情報を入手することができます。


 判定公報は、当事者にとって秘密にしておきたい情報が公開されてしまう問題がある一方で、第三者にとっては競業者の動向を探る際に貴重な情報源になります。


 なお、判定公報の発行による当事者の問題については、例えばパテント誌 Vol.65,No.5,2012に掲載された寺岡秀幸弁理士の論文:「特許権侵害被疑製品又は侵害被疑方法の特定が困難な場合の判定制度の利用」に言及されておりますので、ぜひ参照してください。


 判定公報は特許電子図書館の経過情報検索のページで入手することが出来ますので時々チェックしてみてはいかがでしょうか。