経営者として「先の先」を読むために大切な3つの事(後編) | 目の付け所から広報まで一気通貫で考えるPRコンサルタント 堀 美和子のブログ

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大切なのは「売り込む」のではなく「欲しくなってもらう」仕掛け。
だって人は、心が動かなければ行動しませんもの。
それはB to CでもB to Bでも同じ。
人間心理からストーリーマーケティング、新聞記者の経験もプラスして、あなたのビジネスを応援します。

昨日に引き続き、
ポイントの2つ目と3つ目いっちゃいます。(^_^)/

何かご参考になれば嬉しいです。


今日も広報ジャーナリスト・堀美和子のブログにお越しくださり、
ありがとうございます。あなたに感謝ですっ!







2)「なかったら作ったらええやん」な精神

「先の先を読む経営」のために
ちゅうちょしてはならないのは、

「『今世の中にない?』、『前例がない?』、
 それがどやねん!」とヘーゼンと考えちゃうこと。




天与のセンスで時代の先を行った故・石橋信夫氏は、

「モータリゼーションの到来」と呼ばれた時代の少し前、
郊外に延びる道路、車の売れ行きを見、

「これからは車社会がくる」と、
郊外型店舗の開発・営業に傾注していきました。



(貨物輸送におけるモータリゼーションの進展
 経産省「平成12年度運輸白書」より)



その時、人事部長を呼んで一言。

「流通店舗事業部を作ってくれ」


「流通店舗?初めて聞く名前やなぁ。。。」と
思った人事部長は辞書を引いて

「『流通店舗』という熟語はなかったので、
 恐らく商業店舗のことだろうと思い、
 『商業建築事業部』という名称にしました」と戻ってきた。


すると、氏は
「『流通店舗事業部を作ってくれ』と言うたはずや。
 熟語がない?なかったら作ったらええねん」と。

 

今では普通名詞になっている「流通店舗」は、
「先の先を読む経営」の代名詞やったんですね。

(複合型商業施設の例)





3)「誰々のために」こそが力になる

故・石橋氏はもちろん戦争を経験した世代。

中国戦線で負傷し現地の病院で
生死の境をさまよいました。

回復したものの、まだ松葉杖が離せない氏を見て
医師は傷病兵として帰国を勧めます。

しかし、「部下を残したままでは帰れない」と
戦線に復帰。僅か2週間後に終戦、シベリア抑留。



収容所でも部下を守るために待遇改善を要求し、
叶えられなければ切腹する、とソ連側に迫りました。

(凍てつくシベリアの大地 NAVERまとめより拝借)




そんなある日、一人の部下が脱走を企てるも失敗。

発見され連れ戻されるや否や、
氏は何も言わずむちゃくちゃに殴りかかったそうです。

殴る蹴るの暴行は、
思わずソ連兵も止めに入る程だったとか。





終戦から大分経って、樋口武男会長が
福岡支店長をしていた時、
年配の男性が訪ねてきました。

「私は石橋さんに命を救われた者です。
 シベリアで脱走し、石橋さんにめちゃくちゃ殴られました。

 あの時は『どうして?』と恨みましたが、
 もし殴り倒してもらってなかったら、
 私は間違いなく銃殺になっていた。

 演技だと分かれば私も石橋さんも銃殺刑になる。
 だから本気で殴ってくれた。

 殴ってもらったからこそ、今こうして生きている。

 とても自分の口から感謝を言えません。
 せめて部下のあなたから伝えて下さい」と。




その時の石橋氏の心境を読んだことがあります。

「あの時ほど殴る拳の痛かったことはない。
 憎くて殴ってるんやない、お前の命を救うためや。
 許してくれ、許してくれ、と心で泣きながら殴ったんや」





人は己のためでなく、誰かのため、と想ったとき、
自らの命さえかけられる。



それを体現した人を目の前に見続けた樋口会長は、
ロボットスーツHALを説明しに来られた
筑波大学の山海教授に、一言、こう問うたそうです。

(山海 嘉之教授)


「何のためにやっておられるんですか?」

「研究を通じて、世の中の多くの人の役に立ちたい。
 喜んでもらいたいからです」

「それこそ、故・オーナーが言うておられたことです」




ロボットスーツHALを開発製造するサイバーダイン(株)は、
苦節10年超の歳月を経て、花開きました。
(医療機器認定&株式上場&経済産業大臣賞受賞)


これからどんどん老年者が増えていく世界にあって、
想定以上の役に立っていくでしょう。

(霧島記念病院HPより拝借
 HALを使った歩行訓練)



利己だけでなく、
利他を考えられるかどうか。



そこが、≪結果的に≫
事業を成功に導くか否かだと痛感しました。






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