臨床獣医師をやっていると、色々な医療従事者の人が飼い主さんとして来院します。
YouTubeで「患者さんが医療従事者とわかる時」みたいな医師目線の動画を見た事があるけど、あんな感じ。
病気の説明をしている時に、質問に専門用語が入ってくるんでピンときます。
医療従事者って色々な職種があるんだけど、今回は医者、歯科医師、獣医師、看護師、動物看護師の5つの医療従事者について話します。
獣医師の僕が診察をする時に、どの医療従事者が一番ストレスがかかると思います?
まず、獣医師が飼い主というのは意外かもしれないけど、実はあります。獣医学生も患者さんとして来るけど、それは除外して、同業の臨床獣医師が患者さんとして来院します。
これはモロに同業者。卒業大学に関わらず年齢的には後輩になるから、臨床的なコツとかの説明が長時間になるだけで特にストレスはないです。
動物専門学校で看護学生を教える延長線上だから、意外に楽しい。
でもって人間の医師もいるんだけど、疾患や診断の話は細部に渡って専門的になるし、質問も多くなります。
でも超音波とかレントゲンの画像は医師と一緒に見ながらポイントだけ説明するだで、すぐに理解してくれるから楽です。
動物は人間と違う病態生理があるから、処置も個々の動物の解剖学を知らないといけないので、先生ご自身で処置をする時には、必要に応じてマニアックなテクニックも説明したりします。
薬の処方は、動物薬でも薬剤名を言えば分かるから話が早いし、人間ならどういう処方をするのかを逆に質問したりもするんで意見交換みたいで楽しい。
そして、歯科医師も多いけど、動物の病気に関しては専門外の分野になるみたいだから、細かく話すけど、理解が早いので説明はしやすいです。
さらに、人間の看護師さんも結構いるんだけど、質問内容は意外に細かいので、丁寧に説明します。どの科の看護師さんでも理解が早いので治療内容が伝わりやすいので楽です。
看護師さんは、人間の病院の裏側を治療に交えてあれこれ話してくれる人もいるんで、楽しいかな。
でもって、僕が一番ストレスがかかる苦手な医療従事者は、動物看護師が患者さんの場合。
何が嫌かって、動物看護師は現に他の動物病院に勤務していて、その動物看護師が僕の病院に来る時には、それなりの理由がある訳で。
自分の勤めている動物病院の院長の腕を信用してないとか、治らなくて不信感があって来るから、他の獣医師の治療が間違っていれば否定しないといけない状況になっちゃう。
僕は他の獣医師の治療の批判はせずにフォローするんだけど、現役の動物看護師達にはそういうフォローが通用しません。
同業者だからこそ、フォローもできない板挟み状態で変なストレスがかかって胃が痛くなりながら治療してます。
こういう色々な医療従事者をみていて思うんだけど、
医療従事者は医療知識があるが故に、ビジネス獣医師や利益に誘導するような獣医師にかかると、一発で見抜いて転院してきます。
治療や診断について正直に丁寧に話さないといけないし、不必要な治療や過剰な治療にはシビアだからね。
獣医師としての力量以前に人間性も問われるかもしれない。
だからSNSの口コミ評価よりも、医療従事者が来院してくれるというのが一番の嬉しい評価かな。
特に動物看護師ね(笑)