茜は部屋に戻り布団に入るがなかなか眠気がやってこない

「……………………………………(はぁ〜)」

諦めて出ると窓際に移動して外を見る

心地良い風が頬をなぜる

「私………どうすれば良かったんだろう」

あのまま夢枕について行っても…………

あの七人組には勝てる要素がない

茜は昔を思い出していた






鬼頭家の中を逃げる茜を村雨が追い掛けていた

「ちょっと待ちなさい茜!」

「嫌だ!待ちなさいと言って待つやつはいないよ」

「ちゃんと修行しなさい!強くなりたいんでしょう」  

「嫌だ!修行は辛いから、村雨お姉さんは怖いから嫌だ!」

「茜が言う事を聞かないからよ」

そこに前方から雷が歩いて来たから

「雷お姉さん、茜を捕まえてください」
 
「いひぃいひぃ…………何悪さした茜……」

雷は茜の前に立ち塞がったから、茜は諦めて止まった

「茜が修行を嫌がり逃げているのよ」

「ねぇ雷お姉さん……村雨お姉さんがいじめるよ、助けて欲しいな」

「雷お姉さん、早く茜を捕まえてください」

雷はゆっくりと腰を下ろすと茜を睨みながら

「茜はどうしてほしい?」

「このまま逃してほしい」

だが前方に雷

後方に村雨

逃げ場は無い

「いひぃ……そんなに修行は嫌か」

「はい!嫌です!強くなっても何も役に立たないから」

雷は何か考えながら

「いひぃいひぃ面白い、いいよ、修行なんてしなくても、強いやつは修行しなくても強い、弱い奴はいくら修行しても弱い、因みにあたしは強いから」

「 雷お姉さん……あまり茜に変な事教えないで下さい」

その直後背後から村雨に捕まり

「さあ修行行くわよ、雷お姉さん邪魔しないで欲しい」

「いひぃいひぃ、わかったよ、茜せいぜい頑張れよ」

そのまま引きずられながら

「私は絶対に修行はしないから」

後にした



その後どうなったかははっきりと覚えてない

そう言えば村雨お姉さんがかなり怒っていたのはなんとなく覚えている

「もっとしっかりと修行していたら良かったな……今言っても遅いか」

無事にアデルを人間界に送り届けたら村雨お姉さんか雷お姉さんに修行してもらおうかな


「もう遅いから寝るか」

茜は再び布団に潜り込むと、前回とは違い直ぐに眠気が襲ってきた



こうして各々の思いが交差しながら夜が更けていった




次回第二章完結の予定






夢枕が出たのを確認して

「アギレラ、いるんだろ」

ゾーサラスは闇に向かって話すと

「…………ばれてましたか」
  
闇からアギレラが姿を現した

「…………まあいいか、血祭はどうしている」

「 大人しくしていますが………そんな事を聞くために呼んだんですか」

「…………手は打ってあるんだよな」

「夢枕の件ですか、勿論打ってあります」

「そうか、でアレの反応は」

「 大丈夫です、拒否権はありません」

「……………そうか、下がっていい」

アギレラは一礼をして退室したのを確認して窓に、外を見ながら大きな溜息をついた



ナナツとアデルは応接室にいた

因みに茜は眠いからと言って早々に自室に帰っている

「ナナツ、何処にあるんだ人間界行ける場所は」

「アデル、私がどうやって人間界来たか忘れたのか」

「確か、独房の中から…って……まさか」

「そうよ、場所は刑務所の中よ」

刑務所の中………そこに侵入するのか

「違う場所はないのか」

「あるわよ」

良かった……刑務所で捕まったらそのままぶち込まれかねない

「確か、天空島にあるらしいけど…………」

確かに空を見るとたまに見えるあれか

「行き方がわからないや」

わからないのか

空を飛べたらいいが………飛べないよね

「他にないの」

「後は………地下帝国にあるらしいけど……」

多分答えは行き方がわからないやだろうと思って先を急かすと

「どこにあるか分からない」

場所がわからないのか

「他にないの」

「その三箇所だよ、諦めて場所がわかっている刑務所に行くのが一番かな」

諦めるしかないのか

「その刑務所は何処にあるんだ」

「ダビデ砂丘の中にある」

ダビデ砂丘………この大陸の南にあるやつか

「とりあえず山を下りてダビデ砂丘を目指すんだな」

「そうなるな………刑務所の話はここまで、話は変わるがアデル………本当に瑛太を助けに行かなくて良かったのか」

「塵か………確かに私の担任の先生……大事だと思うけど……やはりキラリンの方が大事………新友だから………瑛……塵が私の立場なら同じ事をすると思う……それに………」

アデルは一息入れて

「塵には夢枕がい………なんとかしてくれる気がするの………それよりナナツの方はどうなの」

「私ね…………あの戦いではっきりとわかったの…………レベルが違いすぎる……………私では無理だと、たとえ夢枕について行っても………足手まといでしかないと」

「多分………、私も似たようなもの………」

「でも夢枕は凄いなと思う……力の差があるとわかっていても………諦めない………私には真似ができないな、私にもう少し力があれば…………」

「………………………………」

私も似たようなものだからかける言葉が出てこない

「この話は以上、アデル、明日は早いのでもう寝ない?」

「そうね、もう寝るか………おやすみナナツ明日からよろしくおねがいね」

「…………おやすみ………アデル………」

二人は部屋に戻ると布団に潜り込んだ











えっ?主治医? 

「知りたい事はあるか?わかる範囲でなら答えてやる」

とりあえず

「どこに居るんだ」
 
「変わってなければ雪と氷の大陸の何処かにいるはず」

「 主治医なのに詳しい場所は分からないの」

「それがな、ここまで迎えが来て目隠しをされ連れて行かれてたからな」

「何故雪と氷の大陸とわかるの」

「…………寒さかな、あんなに寒いのはそこ以外はありえないからな」

寒いのか………対策が必要だな

「七人組について詳しく話して欲しい」

「七人組とは魔女王を守る為に存在している、彼女達には序列があり強さで並んでいる、一位と二位と三位は知ってるだろ」

「勿論知っている、一位がゼロ、二位が夜空、三位が……………………」

「夢枕………いつかは真理とも戦わないといけないんだぞ、出来るのか」

「…………………旦那を助けるためなら……………やるしか………やるしか………」

その先の言葉が出てこない

「六位は緋色、七位はムラサキは知っているよな」

「四位と五位は?」

「 実は会ったことがないんだ、噂では四位が影の暗殺者、五位が悪の科学者らしい」

会えば分かるかもしれない

「もう質問はないか」

肝心な事を聞かなくては

「雪と氷の大陸は何処にあるの」

「この大陸からは直接行く事は出来ない」

「えっ?じゃ………どうやって」

「とりあえず雨の大陸に向かうと良い、そこからなら船が出ているみたいだ」

「雨の大陸か、そこにはどうやって」

「この大陸から船が出ているらしいから探すと良い」

「 わかった、もう聞く事はないわ」

「じゃ私から…………」

そう言うと背後から何かを取り出して

「…………これを渡しておく」

一つは刀に見える

「この前ゼロに破壊されたそうだな、これはそれの代わりだ」

「ドラゴンソードがあるけど」

「それはやる、必ず何処かで役に立つ筈」

夢枕は差し出された刀を受取りながら

「ありがとうございます、大事に使わせて頂きます」

更に出て来たのは

「これは………」

小さな硝子が二つ

「とりあえず目にはめてみな」
 
言われるままに両目に装着すると

「えっ?」

いきなりゾーサラスの顔が見えた

「見える様になっただろ」

「はい………見える………見える……すべて見える………嬉しい………また見える日が来るなんて………ありがとうございます」

「一つ注意をしておく、それは長く使うな二時間が限度だ、必ず二時間で外せ」

「外さないとどうなるの」

「 硝子が砕けて、目を傷つけ二度と視えなくなる」

「時計がないから…………」

「今はまだ普通に見えているだろ、一時間経つと黄色くなり、二時間の手前で赤くなる。赤くなったら外せ!わかったな」

夢枕は硝子を外しながら、手渡された袋にしまいながら

「わかりました」

これはいざという時に使う事にした

「最後に提案だ、雨の大陸に私の知り合いがいる、その人に稽古をつけてもらえ」

「私には時間がない…………」

「しかしこのままだと確実に殺られてしまう、魔女王の事だ、瑛太を殺す事はしない筈だ、少しは時間はある筈」

ゾーサラスの言う事はわかる

ムラサキにも勝てない私が………

「夢枕に足りないのは……必殺技………その稽古で見つけると良い」

「わかりました、その人は雨の大陸の何処にいるんですか」

「わからない、雨の大陸は広くない、まあ会えるだろう」

「…………わかりました、探してみます、とりあえず雨の大陸に渡る船を探すから始めたらいいんですね」

「そうなるな………もうないか」

「はい、ありません」

「わかった、夢枕……危なくなったら必ず逃げる事………わかったな」

「いろいろありがとうございます、じゃ明日は早いので寝ます」

夢枕は一礼をして退室した