「そろそろお前の家に戻って……この肉美味いな、なんの肉だ?………きぃたあ(もぐもぐ)こちらは魚か?山の中なのにどこから仕入れた?○〆〆を$$? 」


「アリル行儀が悪いから話すか食べるかどちらかにしてください」


「………じゃ食べる方で」


と言って食べ始めるアリル


「 そうしてください」


こうしてみるとどこにでも居る普通の女の子にしか見えない


ドラゴンと言っても信じてくれる人はあまりいないだろう


屋敷に入った私はアリルを応接室に案内し腹が空いたと騒ぐから食事を用意してやった


誰が作ったかって?


それは秘密だよ


世の中には知らない方がいい事もある


「少し席を外すけど、用があるならそこのベルを鳴らしなさい」


「わかった、これを鳴らせばいいんだな」


鳴らそうとしているアリルを


「今は鳴らさないで」


止める


「…………わかった……」


ベルを置くアリルの関心は既に料理の方に向いていた


これでいい


あれを呼び出されてたらアリルが危ない


じゃと言って退室して向かった自分の部屋


久しぶりの自分の部屋


何も考えずにベットに飛び込む


そう言えば旦那と会ったあと胸のモヤモヤを誰かに相談した気がする


マリィー………じゃなかった気がする


じゃ誰に相談した?


「あっ……………思い出した………お姉さんだ」


さっき会った


変わらず私に優しいお姉さん


しかし他人には残酷なくらい冷たい


旦那の事はどう思っているだろうか


そのうち聞いてみよう










「夢枕の奴、早く戻ってこないかな、もう料理がないよ」


テーブルの上の料理は既に無くなっていた


「このベルを鳴らしたら新しい料理が出てくるのかな」


手にして鳴らしたが


「…………壊れているのか」


音が鳴らない


「鳴らないなら置いておくなよ」


テーブルに戻した直後背後に気配を感じ、首に冷たいものが当てられた


「呼んだのは貴方ですか」


「………………………………………」


怖くて声が出ないし振り返る事ができない


「無言は肯定と捉えていいんですね」


夢枕は何をしている


もしかしたら魔女王の手下かもしれない


まさか七人組だったらどうしよう


「用事はなんですか?つまらない用事で呼び出したなら首を切り落とします」


















今まで見えないのが当たり前だと思っていたが………あれを使ってから考えが変わった


やはり見えないと不便である


今までよくやってこれたものだ


あれは何回も使える物なのか


ゾーサラスに聞いておくべきだった


どれくらい歩いただろうか


「なあ夢枕」


アリルの声で現実に引き戻される


「どうしたのアリル」


「言われたとおり来たら目の前にお城があるんだけど……まさか魔王城に来てしまったのか」


魔王城………ナナツの両親が住んでいる所


まさかそんな所に案内をしたのか


「ちょっと待って今はめるから」


袋から硝子を取り出し目の前まで来て動きが止まる


(もう二度と見えなかったら………)


その先に踏み出せない


(しかし………あの世界を………)


と言う思いが後押しをして硝子をはめると唖然とするアリルの姿が目に入ってきた


大丈夫………まだ大丈夫………


唖然とするアリルもけっこうかわいいかもしれないが私と比べたら…………


そして振り返ると


「アリル……安心してここ私のお家」


「はぁ?はぁ?


お城をお家と言ってるんだから驚くなと言う方が無理かも知れない 


それにしても驚いているアリルもかわいいかもしれない


「嘘だろ……もしかして夢枕………金持ちなのか」


「金持ち………知らない……お金あまり触らないよ」


「じゃどうしている……」


「えっとお金の管理はマリィーがしているから、そこから貰っているよ」


「 …………………………………………………」


「それよりもう夜が来るよ、ここにいたら危ないから早く中に入らない?」


「………そうだな………確かに……危ないかも」


「アリル……手を出して」


と言うと前とは逆に私がアリルの手を取り玄関を通り抜けた








「夢枕………まだつかないのか」


アリルは肩で息をしている


「あと少しだから、頑張って」


「さっきからそれしか言っていないぞ」


あれから歩くこと一時間、下りだからそんなに疲れるはずがないが


「なあ少し休まないか」


「仕方ないな、少しだけだから」


大木の元に腰を下ろした


「ねぇアリル、ドラゴンでしょう、何で力がないの?」


「この姿の時は力が出ないんだよ」

 

「じゃやめれば」


「 嫌だ!この姿が気に入っているんだよ!悪いか!」


やはりそうなのか、そうなんだ、少女趣味があるかも


「じゃドラゴンに戻るから空を飛んでいかないか、その方が早いぞ」


「う〜〜とね………やめておく」


「 何故だ?」


「いろんな景色を見ながら歩いたいから」


「?」


今変な事言わなかったか


いろんな景色を見ながら歩いたいからってまるで見えているみたいな


「確か盲目の筈だが………」


「 それは………ゾーサラスに貰ったアイテムで見えるようになったんだ、だからアリルの姿もはっきりと見えているよ、まあ時間制限があるけど、あと少しなら見えてるかな」


それなら納得できる


「それは何回でも使えるのか」


「……それについては聞いていないからわからない………多分使えるのでは、あっ今黄色に………」


「夢枕今すぐに外せ!道を教えてくれたら連れて行ってやる、だから早く」


夢枕は硝子を外し袋に入れる


「夢枕手を出せ」


差し出された手を取ると立ち上がりながら


「どっちに行けばいい?」


「このまま道なりに進みゆくと、それとお家についたら言ってね、硝子をつけるから」


「わかった、じゃ行くぞ」


夢枕はアリルと手を繋ぎ歩き出した