今まで見えないのが当たり前だと思っていたが………あれを使ってから考えが変わった


やはり見えないと不便である


今までよくやってこれたものだ


あれは何回も使える物なのか


ゾーサラスに聞いておくべきだった


どれくらい歩いただろうか


「なあ夢枕」


アリルの声で現実に引き戻される


「どうしたのアリル」


「言われたとおり来たら目の前にお城があるんだけど……まさか魔王城に来てしまったのか」


魔王城………ナナツの両親が住んでいる所


まさかそんな所に案内をしたのか


「ちょっと待って今はめるから」


袋から硝子を取り出し目の前まで来て動きが止まる


(もう二度と見えなかったら………)


その先に踏み出せない


(しかし………あの世界を………)


と言う思いが後押しをして硝子をはめると唖然とするアリルの姿が目に入ってきた


大丈夫………まだ大丈夫………


唖然とするアリルもけっこうかわいいかもしれないが私と比べたら…………


そして振り返ると


「アリル……安心してここ私のお家」


「はぁ?はぁ?


お城をお家と言ってるんだから驚くなと言う方が無理かも知れない 


それにしても驚いているアリルもかわいいかもしれない


「嘘だろ……もしかして夢枕………金持ちなのか」


「金持ち………知らない……お金あまり触らないよ」


「じゃどうしている……」


「えっとお金の管理はマリィーがしているから、そこから貰っているよ」


「 …………………………………………………」


「それよりもう夜が来るよ、ここにいたら危ないから早く中に入らない?」


「………そうだな………確かに……危ないかも」


「アリル……手を出して」


と言うと前とは逆に私がアリルの手を取り玄関を通り抜けた