やはり素振りから始まったが

「エイタこれを見て」

一枚の紙を差し出して来たから動きが止まった

「………………………………………これは」

「実は…………昨日あれから冒険者登録してきたの」

そう言えば夕食が終わってから暫くサテラの姿がなかったな

じゃあ……………

「えっ?………えっ!………俺もか」

「当たり前でしょう!文句ある」

ありません、あると言わせない雰囲気がサテラから出ている

「………でそれは……」

「クエストを取ってきたの」

そうなるわな、しかしそんな事してる時間が無いような

「簡単なクエストよ、それに訓練にもなるでしょう」

「…………確かに………なるな………」

「そう……実戦に勝る訓練はない………って言うでしょう」

…………何処かで聞いたことあるような

「それに……報酬もでるの」

そういう事か

多分……サテラにしたら訓練は序でこちらがメインのようだ

「で………内容は」

「簡単よ………山奥にいる山賊を退治してくるだけよ」

山賊を退治してくるだけよ………って……簡単には思わないが

サテラから紙を取ると、確かにそう書いていて、上の方に一部消された部分があった

「ここに………何が書いていた」

「えっ?何も書いてなかったよ……うん…無かったよ…………無いよ」

サテラの反応から何か隠しているのがわかる

確か依頼にはランクがあり、紙にそのランクが記されている筈だが何処を見ても見当たらない

サテラ…………ヤバいくらいに高いランクだったから……………消したな

それにしても冒険者登録した冒険者にいきなり高いランクの依頼をくれるだろうか

…………そうだ………こいつはサテラだ……………悪魔のサテラだった

やりかねない………なにかしたんだ………ヤバい事を…………多分聞いても答えてくれないだろう

「…………いつから始めるんだ」

「馬鹿なの……今から始めるわよ、さあ行くわよ」

諦めるしかない

歩き出したサテラを追いかけた

こうして三日目が始まった



「エイタ………毎日訓練しているのか」

「………………………………………」

サテラがとりあえず木刀でかかってこいと……………そうしたら全く当らず今に至る

「返事がない………やってないな」

「………………………………………」

しんどくて返事する事ができない

「ハァ………北の国に行かなくて良かったな行けば確実に死んでいたな」

その通りです、異世界で良かったです

それにしても異世界だから何かチート能力とかついてないのか

こんなのにはよくあるだろ

全ての魔法が使えるとか、力が何倍になるとか、剣術が最強になるとか…………

次に女神にあったら聞いてみるか

「これほどとは………どうする?」

珍しくサテラが考え始めた

ごめん、剣術は苦手で、事務職の方が向いてるかも知れない

「とりあえず……素振りね……先ずは1万回して、その後は………その後で考える」

素振り……1万回ですか?

無理………無理ですとは言えない

もし………もし言ったら確実に切殺されそうな雰囲気がある

諦めて木刀を手にして素振りを

こうして一日が終わった




二日目はやはり素振りから始まった

ある程度経った頃

「さあ次の段階にいきましょう」

「サテラ………何をすればいい」

「あたしにかかってきなさい」

「……………えっ………いいのか」

「大丈夫………あなたの攻撃なんて当たらないわよ」

「じゃ遠慮なく行くぞ」

サテラの言うとおり一発も当たらなく、反対に何発も食らってしまった

「エイタ……相手の動き見ている?今居る場所を攻撃しても当たらないわよ、どう動くか考えてそこを攻撃しないと」

「………………………………………」

「それにこちらの攻撃を予想してかわさないと避けられないわよ」

攻撃と守りは先読みがいるのか

「今日はこれくらいにしましょう、さあお腹も空いたでしょう」

二日目は終わった

残りは5日間

果たしてこの調子で無音に参ったと言わせられるだろうか………



「エイタ……お前凄いことしたな」

あれから怪物に襲われる事なく町について宿屋を押さえ(復活の石を部屋に置いて)今居酒屋らしき場所に居た

「俺………何かしたか?」

「忘れたのか、殺鬼姫の頭を触っただろ」

忘れていない

「なにか無かったか」

「そう言えば硬いものが二つ……まさかあれは」


「エイタの考えているとおりだよ」

「…………角………でもなんであんな物が」

「殺鬼姫は鬼族だよ、ところでエイタ」

無音は懐から紙を取り出しテーブルに置くと[さつきひめ]と書いて

「これを漢字で書いてみな」

さつきひめかそうだな殺気姫か皐月姫かまたは五月姫か

とりあえず3個書いてみたが、無音は首を振りながらこう書いた

殺鬼姫と書いた

「エイタよく見てみろ、鬼と入っているだろ」

確かに入っている、殺す鬼の姫……確かに鬼族らしい

「だから角があったのか」

「聞いた話だが、あの角は家族でも触れないらしい、唯一触れるのが婚約者か旦那だけらしい」

「もし……もしだよ……婚約者か旦那以外が触ったらどうなるんだ」

「さあ知らないや、触れたやつならいたかもしれないが………多分消されたのでは」

「………………………………………」

女神……知ってて触らしたな

女神には大変面白い事なんだろうけど

俺にとっては………………………

次にあったら文句を言ってやる

「エイタ、なるべくだけど殺鬼姫には会わないようにしないとな」

そう言えば

次あった時苦しみながら斬り殺してやる!覚えておけ!

と言っていたような

会わないことを祈るだけだ

ふとサテラを見ると食べるのに一生懸命でこちらの話には興味が無いらしい

「さてエイタの事を聞きたいな」

「わかったよ」

異世界から来たこととか魔王を倒さないと元の世界に戻れないとか、一様死んでも何回かは甦れることは伏せているが

「そうなんだ、大変だな、魔王を倒さないと………戻れないのか」

「次は無音の事を聞きたいな」

「私の事か、つまらないぞ、私は元四天王の一人」

「元四天王?殺鬼姫は四天王の一人だと名乗っていたな」

「多分私が抜けたあとについたのだろ」

「じゃ四天王の名前はわかる?」

「変わってなかったら………殺鬼姫と闇姫に」

闇姫…………殺鬼姫を助けたやつか

「あとは剛力姫と幻惑姫だと思う」

なんか強そうな名前が出てきた

「剛力姫は力で押してくる、幻惑姫は幻術を使って惑わしてくる……闇姫は………私もあまりあったこと無いからわからないや」

俺とサテラだけなら勝てる気がしない

そう言えば女神が仲間を探しなさいとか言っていたような………無音がなってくれたらかなり助かるのだが

頼んでみるか

「なあ無音………頼みがあるんだが」

「なんだ、言ってみろ」

「仲間になって……くれたら…………助かる」

「私が………役に立たないぞ…………」

元四天王が何を言うか

無音は暫く考えて

「そうだな……私が出す試練に合格したらなってやるよ」

「試練に…………」

「簡単だよ、私と闘って参ったと言わしたらなってやるよ」

俺には無理だがサテラなら

「それと相手はエイタを指名する」

俺ですか?無理です!

「私は木刀で………」

「真剣でやれよ、おばさん!」

ここまで黙っていたサテラが割り込んできた

サテラ……余計な事を言うな

「しかし…………エイタは素人………」

「怖いのか……素人に負けるのが……なあエイタも言ってやれ……」

何を?俺は木刀でお願いしたいが、サテラが許してくれそうにない

「わかった……真剣で……やってやる………殺したらごめん」

「よし決まり……それと試練は一週間後にしてくれ」

「まあいいが……何故だ」

「こいつを鍛える時間がほしい」

「わかった……一週間後……場所は町を出て南に行くと広い草原があるからそこにしよう」

こうして無音の試練をする事になった