「サテラ!」
駆け寄りたいが恐怖で足が動かない
数歩先にあるのは確実な死………………
奴が主で間違いない気がする
ケルンとは明らかにオーラが違う
いくらサテラでも危ないかもしれない
「私の部下達を殺ったのはお前達か」
「そうだが、文句あるか」
「そうか……じゃたっぷりと礼をしないとな」
「それは楽しみだな、あたしの名前はサテラ、あそこにいるのがエイタ」
今まで気が付いていないらしく
「もう一人いたのか……まあいいか、私は山賊の頭……フルン……さあかかってこい」
「そうする」
サテラはゆっくりと近付いていたが、真ん中あたりです動きが止まりその場に倒れた
「サテラ!どうした?」
俺の声に反応しない
フルンは不思議そうな顔をしている
待て……前にも同じ事があったような気が
あれは確か、怪物と対峙した時だった気がする
これってまさか………またこのタイミングで
ゆっくりと起き上がったサテラの最初の言葉で確信に変わった
「ねぇエイタ………ここは何処?私は何故こんな大女と対峙しているの?」
間違いない………ミルフィーユと代わっている
最悪のタイミング……まさか狙っている
「おい……どうした……さっきとは雰囲気が違うぞ」
それはサテラからミルフィーユに代わったからとは絶対に言えない
それより何とかしないと、ミルフィーユが危ない
ふと手にした石を見る
「……これは風の石………これしかない」
石を下に投げると背後から強烈な風が吹き背中を押し一気に距離を詰めた
「まあいいか……じゃ……さよならサテラ」
振り下ろされる刀が当たる直前、ミルフィーユに着いてそのまま腕を捕まえ小屋の中に入った
「エイタ………あれは何?」
「詳しい説明は後でする、今は何とか此処から脱出する事を考えないと」
辺りを見るが入り口は一つしかない
その前にはフルン……逃げ道はない
どうやら小屋の中には部下は居ないみたいだ
「小屋の中には入るとは、馬鹿なやつだなもう逃げられない、さあ今から行くぞ」
フルンが入ってきたらもう終わりだ
この場から逃げることは不可能だ
…………もうこれしかない、痛いが仕方がない
俺はミルフィーユから離れると入り口に近づいたタイミングでフルンも入ってきた
「貴様は………エイタ……」
そう言うとフルンは剣を振り上げ
俺はミルフィーユを見ると隅っこで震えていた
「安心しな、あれも直ぐに送ってやる」
その直後、痛みが全身を貫いてその場に倒れた
流れてゆく血に死を実感した
薄れゆく意識で最後に見た光景はミルフィーユに歩いてゆくフルンの姿だった