無音はお大きな通りの多分一番大きな居酒屋の前にいて俺を見つけると

「おーいエイタ早く来いよ…えっと」

俺の周りや後方に視線を向けている所を見ると誰を探しているか分かる

それにしてもこの時間帯になると賑やかになってきて通りを行き交う人が増えてきた

親子連れにカップル(少し羨ましい)あそこにいる偉そうに歩いているのが上司とその脇をついて歩いているのが部下…だと思う……俺もそうだから……サテラの脇を………とにかく平和な風景が広がっていた

この街を山賊が襲う事は決定事項……………

絶対に守らなければ………そして無音を仲間にしないと

「サテラ……なんか体調が悪いらしく宿屋で寝ているよ」

寝ている………だけは間違えてない

「そうか………仕方がないか」

もしかして無音はサテラに興味があるのか

「こんな所に居ても仕方がない、エイタ中に入ろうか」

無音と俺は暖簾をくぐった先は活気に満ちた世界が広がっていた

異世界でも同じだと思いながら席につくと店員が来て注文を受けその場を離れた

「ところでエイタ、凄いことしたな」

多分、殺鬼姫の頭を触った事だろうと思いながら

「俺、何かしたか」

「殺鬼姫の頭を触っただろ、何か硬いものがなかったか」

「………そうだな……そう言えば硬いものが2つあったような………気がする、まさか」

「それは角だよ、殺鬼姫は鬼族だよ」

「…………鬼族………まさか………」

「エイタこれに」

一枚の紙を差し出しながら

「さつきひめと書いてみな」

勿論答えは知っている……殺鬼姫……しかし俺は

「言葉の感じならこうかな」

五月姫、皐月姫、差月姫と書いてやった

無音は暫くこちらを見て

「違うな、正解は」

殺鬼姫

と大きく書いて

「よく見ろ、鬼と入っているだろ、殺す鬼の姫、だから殺鬼姫」

「その角に触れたらどうなる」

勿論答えは知っているが……………

「あの角は家族でさえ触れないらしい、唯一触れていいのが旦那か婚約者だけらしいエイタ、殺鬼姫の旦那か婚約者なのか」

「どちらも違うが………」

「それはまずいな」

女神………わかっていて触らしたな

女神からしたら楽しい事だが俺からしたら……………

しまった文句言うの忘れていた、次こそは文句を言ってやる

「切り殺されても文句は言えないな」

そう言えば殺鬼姫が離れる直前そんな事を言っていたような

「エイタ、なるべく殺鬼姫には会わないようにしないとな」

「…………努力します」

こちらが避けても殺鬼姫から来ることもあるだろう

気がつけばテーブルに料理が並んでいた

「さあ冷めないうちに食べないか」

食べながら

(ごめんミルフィーユ………次は俺が奢るから許してくれ)

と心の中で誓ってみた

「ところでお互いの事話さないか、まずは私から………」

無音はアルコールを一口含んで

「私………私……実は元四天王なんだ」










「おいエイタ!何をボケっとしておる」

サテラの声に我に返って周りを見ると宿屋の部屋の中にいた

どうやら2周目が始まったみたいだ

それにしても何故サテラが俺の部屋にいる

確か別々にしたはず………まあいいか呼びに行く手間が省ける

やることは早く済まさないと

交代の石を手にして

「サテラちょっと近くに来てくれ」

「何かくれるのか?」

俺は交代の石を

「石ころなんて要らない、ダイヤなら受け取ってやってもいいぞ」

前にも同じ様な感じだった気がする

「交代の石にめいじる!サテラとミルフィーユを入れ替えなさい」

その直後石が赤く光、サテラがその場に倒れた

さあ成功したのか

ゆっくりと起き上がるサテラ……

「ねぇエイタ………ここは何処?もしかして宿屋?私は何故こんな所にいるの」

確認の為に

「名前は?」

「私はミルフィーユ……姫だけど」

どうやら成功したみたいだ

まだ終わりでは無い

青い石を手にする

女神は確か眠りの石と言っていたな

とりあえず青い石をミルフィーユに向けてみる

「奇麗な石………これは何?」

と光はじめ軈てミルフィーユを光が包んでゆき

「エイタ………少し寝る」

と言ってその場に倒れた

成功したのか………とりあえずミルフィーユを抱えるとベットに、そしてわからない所に復活の石を置いた

さてこれでいいんだな

出る前にこれからの行動を考えてみる

女神は確かこう言っていた






「無音には絶対に仲間になってくださいとは言ってはいけない」

「ちょっと待て、最初に言っていた事とは違うではないか、確か最初の街で仲間を探しなさいと言ってなかったか」

「言ってました、だからあなたから誘うのではなく、無音から言ってくるようにするのです」

「…………出来るのか?」

「大丈夫です、ある事がきっかけで言ってくる筈です」

「ある事………それは何だ」

「山賊が街に襲ってくる事です」

そういう事か

俺達がアジトに行かなければそのまま街を襲う、前回との違いは無音がいる事とサテラがいる事……………



さあ出なくては………なんとかなる

ミルフィーユが寝ている事を確認して宿屋を後にした



「この前よりは長かったですが……もう少し頑張ってください」

「ごめんなさい………ごめんなさい」

俺は女神の前でひたすら謝っていた

脇にはいつも通り寝かされているサテラ

「謝られても……仕方ありません……それより今回は何が悪かったのか、わかりますか?」

「………えっと………サテラを温存できなかった事…………ですか」

「確かにそれもあります、とりあえずこれを渡しておきます」

「交代の石ですか」

「そうです、次は使うタイミングを考えてください、さて何が悪かったのですか」

まだあるのか

「…………わかりませんが………ごめんなさい」

女神は呆れるように溜息をついて

「……………最初からです」

はい?最初から?何処からだ?まさか初めからか……やり直せと………

「街に入った後の行動です」

良かった………そこからか………

「街に入った後の行動を言ってみなさい」

「確か………入り口で無音と食事の約束をして別れて宿屋に入り、少し休んで居酒屋に向かった」

「誰と行きましたか?」

「そんなの決まってるだろ、サテラ…」

「そこから間違っています、因みに復活の石は………」

「宿屋に入った直後に部屋に置いたような気がする」

「それは好都合です、次に始まったら交代の石を使いサテラからミルフィーユにしてください、それと」

女神は石を差し出して来た

青く光る神秘的な石だった

「その石は?」

「これは眠りの石と言う、これを使ってミルフィーユを眠らせてください、そして一人で無音に会いに行ってください」

「何故?」

「必要だからです、これから話すことは誰にも聞かれたくないから近くに来なさい」

聞かれたくないからって俺と女神しかいないだろう

「いえ、案外いるものです」

諦めて女神に近づくと、俺にしか聞こえない小さな声で

「…………………………ください」

「ちょっと待て、最初に言っていた事とは違うではないか」

「大丈夫です、そして………………と…………で…………………としてください」

「ほんとに大丈夫なんだろうな」

「信じられないならやらなくても良いですしかしまたこの場所に戻りたいですか」

それは嫌かも………あんな痛い思いはしたくない

「わかった、でその後は」

「後は自分で考えてください、因みにあなた達を殺った山賊はそのまま街に向かい暴れて死者を多数だしそのまま街を後にしています」

「…………無音がいたのでは」

「いませんでした、何故ならエイタとの戦いのため近くの場所で修行していたからです、戻ってきた無音は慌てて山賊を追うため街を後にしています」

俺達が決闘をしようと言わなかったら………間違いなく無音は街にいた

「終わった事は仕方ありませんが、エイタにはやり直しができる、次は間違えた選択をしない事です、他に質問は?」

「じゃ……なあ女神、ここは異世界で間違いないんだな」

「あなたから見たらそうなります」

「じゃあれはないのか」

「?あれとは」

「よくあるだろ、異世界来たら力が何倍になるとか、魔法が使えるとか………」

「ありません!」

言い終わる前に言われた

「エイタ、考えてみなさい、なんの力がない人が異世界に来て、力が何倍になるとか、魔法が使えるとかそんなのあり得ると思いますか、ありえません、それは間違いなくある人達の……………です、この話ではありえません」

じゃ俺はこのままで魔王を倒さないといけないのか

「あっエイタ一つだけあるのでは、やり直せる事です、私は知っています、やり直せる能力を使って頑張っている人を」

あっちは回数制限がないような

それに強い仲間もいたような

こっちにいるのはサテラ………

やばい……やばい……なんとかしないと

「…………何か頂戴、女神様……なんでもいいからくださいチート能力、くれないなら暴れるぞ、このままなら魔王なんて倒せないぞ」

「………仕方ありません……近くに来なさい」

近づくと女神は頭に手を載せて

「はい、あげました」

あっさりと終わった

なんか実感がないが

「なんの能力を」

女神は蠱惑的な笑みを浮かべながら

「使ってからのお楽しみにして下さい、他に質問は?」

「ないです」

「じゃ………直前からにしますか?復活の石のところにしますか」

「復活の石の所から」

「わかりました、じゃいってらっしゃい、ほんとに死なないようにしてください」

薄れゆく意識

「あと2回です」

と確かに聞こえた