「………………………」

今………なんて言った

[今まで何回死んだのかしら]

誰にも言っていないし

気付かれる事は無いはず

「その反応は肯定でいいかしら」

闇姫は少し離れるとサテラを指差して

「あれも同じかしら」

これはやばい

「ほんとに厄介なんだから、何回もやり直されたら、抜け道が見つかってしまうでしょう」

もうあれしかない

蘇ることは気が付いているみたいだが

その方法までは気づいていない…………筈

運良くサテラはもう死んでいるみたいだし

後は俺が…………

俺はゆっくりと闇姫に近付きながら抜刀するが

(そう言えば俺のチート能力って何だったんだろ)

「やはりその手で来るんですね、ところで復活の石は何処に置いたのかな」

その一言で動きが止まる

復活の石まで知っているのか

「復活の石?なんの事かわからないや」

惚けてみたが

「まあ流石の私でも結界に守られた復活の石は砕けないか……」

復活石は何処に置いた?

…………………………そうだ………あの宿屋のベットのそばに置いた気がする

再開は昨日の夜…………かなり戻されるが仕方がない

作戦を考えないと………闇姫を何とかしないと先に進めない

気がつくと闇姫が目の前まで来ていて

「とりあえず終わりにしておくか」

抜刀するとそのまま斬りかかってきた

今までよりきつい痛みが全身を駆け抜けた

(よし、これでやり直せる、次は間違わないから)

薄れゆく意識の中

「じゃエイタ、案内して、これをやっている人物の元にね」

と聞こえた気がした






「…………流石は………元四天王………」

フルンは無音の足元で膝まついていた

「無理はするな………急所は外しているが、動くと危ない」

「…………いっその事……殺ってくれても………よかったんだぞ」

「フルン………誰かの命令で動いたんだろ」

「……………………………………」

「否定はしないか………まあ名前は聞かないでおいてやる」

「…………逃げろ………奴はやばい」

微かに震えているのが分かる



「ほんとに………人間って役に立たないの、言われた事一つもできないのですから」

その言葉でフルンはその場から逃げ出し

「エイタ!この場所から離れるぞ」

無音はエイタとサテラに駆け寄るとそのまま捕まえその場を離れた

「どうしたんだ無音」

「わからないのか?あの声は…………」

勿論わかっている

忘れたくても忘れられない

「…………闇姫」

「何故こんな場所に奴がいるのか?止まれエイタ!」

「鬼ごっこは終わりですか無音」

少し離れた場所に闇姫がいた

圧倒的な悪意に動く事ができない

「闇姫………何故こんな場所に」

「答えると思いますか」

「じゃフルンはどうした?」

「あの人間でしたら」

闇姫は手を上に上げるとフルンが落ちてきた

「フルンをどうするつもりだ」

「何一つも出来ないんですから」

闇姫はいつの間にかフルンの側にいて

「公開処刑をします」

「させるか!闇姫!」

斬りかかる無音に対して

「動くな!!!」

無音の動きが止まる

「無音……まさかと思うが私の能力を忘れたわけではないでしょう」

「…………言霊………思い出した」

「そうよ、私の言葉は絶対たがらね、さてフルン……覚悟はいいかしら」

「待ってくれ、もう一度チャンスをくれ、次は間違わないから」

「それは無理ね、私の命令は一度だけだから、さあどうしようかしら?」

闇姫はフルンを見ながら

「いい剣持ってるね、そうだこうしようかしら、その剣で目を刺してって」

「頼むから………それだけは………」

フルンも動けないらしい

「じゃ命令するね」

とそこに今まで黙っでいたサテラが

「おばさん!あたしを忘れるな!」

「まだ蝿が飛んできたわ、止まれ!!!」

しかしサテラは止まる様子がないまま距離を近づけていた

「驚いたな、効かないやつもいるのか、しかしその剣が私に届くことはない」

闇姫の言うとおりサテラの剣は闇姫の直前で何かにぶつかったみたいに止まった

「どう言ったとおりでしょう、私の周りには見えない結界が覆っていて破るには特定の武器が必要なの、さて大人しくしていなさい」

闇姫の剣がサテラを貫いた

「サテラ!!!」

サテラはその場に倒れると動かなくなった

「フルン、さあ剣で目を刺しなさい」

最初は抵抗していたフルンだったが、やがて諦め自分で目を刺してその場に倒れた

「一つ終わり、じゃホントの目的でも始めますか」

闇姫はそう言う俺をまじまじと見ながら近づいてきた

俺に用があるのか

軈て息がかかるくらい近くに来て

「あなたは確か………エイタだったかな、やはり改めて見ると………面白い」

そんなに面白い顔なのか

確かに二枚目では無いが

「…………顔ではない、存在自体が…………面白い」

さらに近寄る闇姫

近づくに連れて今までに嗅いだことの無い良い香りがしてきた

「私…………いい香りでしょ………」

そこから俺の耳に口を近付けて俺にしか聞こえない位に小さな声で

「………あなた………今まで…………何回……………死んだのかしら」

















「エイタ、この馬鹿みたいな顔した奴敵でいいのか」

まあそうだけど顔で判断するな

「そうだが」

「じゃ殺ってもいいよな」

ここまで我慢していた敵が

「お前ら私をほっといて何漫才しているんだ」

そう見えるんだ

「あっごめんフルン、忘れていたわけではなくて………」

「えっ?私まだ名乗ってないぞ」

忘れていた

俺からしたら二回目だが、フルンからしたらはじめましてになるんだった

「えっと…………その…………」

殺鬼姫と同じ手が通じるかと考えていると

「そんなのどうでもいい!どうせいあたしに殺られるんだから」

サテラが割り込んできた

「そうだな、そんな些細なこと………じゃどちらからくる?なんなら二人で来たらどうだ」

俺は辺りを見渡し、サテラを捕まえると後ろに引き下げながら、勿論サテラは

「エイタ!離せ!あれはあたしが殺る!」

と喚いているがとりあえず無視して

「悪いなフルン、俺達より相応しい相手を用意してるんだな」

後ろに引くのと同時に隠れていた無音が飛び出してきてフルンに斬りかかるが

「誰だ?かなりの使い手と見た」

刀で受けとめその場で動きが止まった

「もう一度聞く、誰だ?私は山賊の頭のフルン」

「…………霧雨三姉妹の長女………無音……………霧雨無音…………」

フルンは刀を跳ね返し距離を取り

「霧雨……無音………聞いたことある、確か魔王軍四天王の霧雨無音ではないのか」

有名なのか無音は

「………四天王か………確かにそうだったが今は違う、四天王は抜けている」

「…………そうか……あの方もそう言っていたが………」

「あの方………誰だ?」

「………無音も知っている奴だ、因みに聞いていいか」

「…………なんだ?」

「………村には帰っているのか」

「貴様に答える義務はない」

「………そうか……私には関係ないことだがあんなことのあとなら帰りにくいだろうなと思ったが………まあいいか」

「……………………………」

「悪いな関係ない話して、じゃ始めるか」

二人は見つめ合ったまま動く気配がない

多分最初に動いたほうが…………負ける

お互いに分かっているから動けない

どれくらい時が流れただろうか

二人が同時に消え……決着はすぐについた