「やまの日祭りでぃ」の短編です。
昨年11月の「お誕生日祭りでぃ」で書いた短編の続編となります。
よろしければこちらからどうぞ ⇒ 「セイレーン①」
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「サトシ? どうした?」
薪割りを終えたショウが家に帰ってくると、サトシがソファで横になっていました。
「なんかね、身体がだるくて。」
このところサトシはあまり体の調子がよくありません。
特にどこがということでもないようなのですが、
食欲がなかったり起きているのがつらかったり。
以前は毎日海に泳ぎに行っていたのに、最近はそれもたまにしか行きません。
「もしかして病気なんじゃないのか?
セイレーンの医者ってどこにいるんだ?」
「そんなのいないよ。」
「人間の薬でも効くのかな。
風邪薬とか飲んでみるか?」
どうしていいかわからず、ショウがおろおろしています。
「大丈夫だよ。
このところ暑かったから疲れちゃったのかも。」
でも、一週間経ってもサトシの具合はよくなりません。
「やっぱり医者に診せた方がいいよ。
なんか変な菌とかにやられたのかもしれないから。」
「ふふっ、変な菌ってなに?」
サトシは笑っていますが、ショウは心配でたまりません。
「俺、町に行って医者を連れてくるよ。」
「えっ? 町へ?
だめだよ。捕まっちゃったら大変。」
1年前、ショウは処刑されかかったところをサトシに助けられたのです。
死んだと思われているショウが現れたら大変な騒ぎになってしまいます。
「もう1年も経っているんだから誰も覚えていないって。」
「でも・」
「俺の幼なじみで医者がいるんだ。
信用できる男だから事情を話してみるよ。」
「だめだよ。もしショウが戻ってこなかったら、おいらどうしたらいいの?
こんなんじゃ助けにも行けないし・・・。」
今にも泣き出しそうです。
「大丈夫。絶対捕まったりしないから。
ここで大人しくしてて。」
チュっと口づけると小舟に乗って行ってしまいました。
その日の夜。
トントントン。
町に着いたショウが一軒の家の扉を叩きます。
「は~い。 どなた?」
柔らかな声と共に扉を開けたのはショウの幼なじみのマサキです。
「なんのご用ですか?」
フードを深く被って顔を隠したショウを見ていぶかしんでいます。
「マサキ、俺だよ。」
フードを外すと
「えっ? ショ、ショウちゃん? うそっ!」
マサキの目がまん丸に見開かれました。
「だって死刑になったって・・・死んじゃったと思ってた。」
「それが、ご覧の通り生きてるんだ。」
「ほんとに? 生きてたの? わ~ん!」
ショウに抱きついて泣き出します。
「ごめん。 知らせたかったんだが町に近づくと危ないと思ってさ。」
その背中をポンポンとしながらショウも涙ぐんでいます。
「うん。うん。そうだよね。
でもほんとによかった。
今、どうしてるの?」
「それなんだが、ちょっと一緒に来てくれないか?」
「行くってどこに?」
「途中で話すから、とにかく来てくれ。」
≪つづく≫
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例によって長くなる病が(笑)。
今日コストコに行ったら鮑がありました。私は初めて見たかも。
昨日マナブで相葉さんが鮑をさばいているのを見たばかりだったので、
殻からはずして、うす~く切って、肝醤油をつけていただきました。
でもね、今、写真を載せて気づいたんだけど、左上の方に”3分蒸して”なんて表示が見えて、
え? もしかして生じゃだめだった? と今更ながら焦ってます(笑)。
でも今のところ大丈夫みたい。