セイレーン 光① | ~ 嵐気に包まれて ~

~ 嵐気に包まれて ~

嵐さんのメンバーのお名前や雰囲気をお借りした読み物です。
腐的描写や暴力的シーンがあります。
気を付けてご訪問ください。
山、大宮、櫻葉、モデルズ、にのあい等、様々なCPのお話がありますので
お気に入りのCPでお楽しみください。

「やまの日祭りでぃ」の短編です。

yayoさん、毎年、素敵な企画をありがとうございます。ラブラブ

 

 

昨年11月の「お誕生日祭りでぃ」で書いた短編の続編となります。

よろしければこちらからどうぞ ⇒ 「セイレーン①」

 

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これは、ずぅっと昔、ずぅっと西の国にあった小さな島での

心優しいセイレーンのサトシと、もと近衛隊の若き隊長ショウの物語です。

 

 

 

 

「ねぇ、ショウ。 ちょっと海に行ってみない?」

 

「えっ? 今から?」

 

もう外は真っ暗です。

今夜は月もないので海もきっと暗く沈んでいることでしょう。

 

「うん。 いいもの見せてあげるから。」

 

「いいもの?」

 

何が何だからわからぬまま、サトシに手を引かれ波打ち際までやってきました。

 

ザザン・・・ザザン・・・

打ち寄せる波は穏やかですが、やはり真っ暗で何も見えません。

 

「サトシ、真っ暗だよ。何を・」

 

「いいから見てて。」

 

サトシはそう言うとチャポンと海に飛び込みました。

するとどうしたことでしょう。

サトシの体の周りが青く光りはじめました。

 

「えっ? なに?」

 

手で水を掻くたびに光も一緒に波打ちます。

 

「綺麗でしょ?」

 

「ああ。 でもどうして?」

 

「夜光虫だよ。」

 

「夜光虫?」

 

町で育ったショウは夜光虫を見るのは初めてです。

 

「ショウもおいでよ。」

 

「熱くないのか?」

 

「ふふっ、全然。 ほら。」

 

差し出された手を握り恐る恐る海に入っていくと、

足の周りで青く染まった海水が渦を巻きます。

 

「不思議だな。」

 

光を放ってはいますが熱くはありません。

 

 

「見て。」

 

パシャッ!

 

サトシが尾を海面に打ち付けると、青い光が幾重にも広がってとても綺麗です。

 

 

「すごい。花火みたいだ。」

 

「花火?」

 

今度はサトシが首を傾げます。

海で育ったサトシは夜空を飾る花火を見たことがないのです。

 

「空に光が広がってすごく綺麗なんだ。 いつか見せてあげないな。」

 

「うん。いつか見てみたいな。」

 

サトシの瞳にも白い肌にも青い光が映ってとても綺麗です。

 

「サトシ・・・。」

 

いつしか二人の唇が重なります。

 

 

 

 

「…っあ、あ! っく…!」

 

波打ち際でうつ伏せになったサトシが、ギュウっと砂を掴みます。

 

「それ…だめっ、あっんん!」

 

「ここ、感じるんだよね。」

 

「ひっ! ぁあ……!」

 

綺麗に反り返ったサトシの尾を、ショウが後ろから抱きしめています。

 

パチャッ・・パチャッ・・

ショウが腰を送るたびに、青い光と共に二人の周りが波立ちます。

 

え? どんな体勢かわからない? 

ごめんなさい。紙芝居にこのシーンの絵はないんです。

ちょっと検閲に引っかかってしまうものですから。

皆さんの妄想力にお任せしますが、

まあ、とにかく、二人は深く愛し合ってるということですね。

 

 

「はぁっ、ぁ‥ひっぁあ!」

 

高く啼いて夜空を仰いだサトシの顎を

ショウが振り向かせるようにして唇を塞ぎます。

 

「ん…んぅ……」

 

なんだかサトシが苦しそうですよ。

 

「くっ・・、そんなに締めないで。」

 

おや? ショウも眉をしかめています。

大丈夫でしょうか。

 

「はぁっ…そんなの…わかん…な・あっ…あああっ!」

 

「くぅっ!」

 

ビュクビュクッ!

 

二人同時に花火のように弾けました。

≪つづく≫

 

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通常ならラストに持ってくるのに珍しく最初にこのシーンが(笑)。

はい。花火へのこじつけのためです。

「や~まや~!」とは叫びづらいと思いますが、海の花火ということでご容赦くださいね。

 

このお話、確か紙芝居風に書いてたな~と読み返したけどそうでもなかった(笑)。

でもそのままの形で行ってみます。

特に盛り上がりもオチもないゆる~い短編ですので、ゆる~く楽しんでくださいね。

 

嵐さんの紙芝居から書いたお話はこちら ⇒「お父さん 上」

 

 

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